基礎と撮り方
第2版

内容紹介

右心系の計測、経食道心エコー図、スペックルトラッキング、3D心エコーなど、時代のニーズに応える充実のアップデートで、さらに役立つ一冊に。
アメリカ心エコー図学会のガイドラインのアップデートに対応し、右心系の計測の項目を追加。
心エコーの機器の発展に対応し、スペックルトラッキング法、3Dエコー法について解説。
心エコーの役割が拡大し集中治療分野でも重要となってきている現状を反映し、心臓手術の診断で必須となっている経食道心エコー法の項目を新たに追加。
要望が多く寄せられたウェブ動画（経胸壁心エコーBモード、経食道心エコーBモード、アーチファクトなど）に対応。

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序文

この度、心エコーハンドブック「基礎と撮り方」の第2版が発刊される運びとなりました。心エコーハンドブックシリーズは、2012年1月に「基礎と撮り方」第1版が発刊され、2016年5月発刊の「心不全」まで、計8冊をお届けしてまいりました。これらはいずれも複数回の増刷がなされましたが、これも執筆や編集にご協力くださった先生方はもとより、本シリーズをご支持くださった多くの読者の皆様のお陰と、心より感謝を申し上げます。

さて、心エコー検査の発展は目覚ましいものがあります。本シリーズが発刊されていた間にも装置の技術革新や各種ガイドラインの改定など多くの変革がありました。また、SHD（structural heart disease：構造的心疾患）におけるインターベンション治療の発展は著しく、術前の心エコー検査に求められる情報は多様となり、術前のみならず術中や術後の評価においてもその重要性が高まっています。今回、これらの変革に合わせてシリーズ1冊目の「基礎と撮り方」を改訂することになりました。

主な改訂点のひとつは、本書に収録されている画像の多くをWEBにて動画閲覧できるようにしました。「基礎と撮り方」と「心臓弁膜症」以外のシリーズ各冊ではすでに動画閲覧を実現し、好評をいただいておりましたが、「基礎と撮り方」もこれに追随しました。

つぎに、右心系計測の項目を追加いたしました。肺動脈性肺高血圧の薬物治療の発展や右心評価のガイドラインの改定にともない、心エコーによる右心系評価が重要視されています。さらに新しい手法として心エコー検査の一角を占めつつある3D心エコー法やスペックルトラッキング法についても項目を追加しました。

もっとも大きな改訂として、経食道心エコー法について新たな章立てをし、多くのページを使って詳しく記載していただきました。経胸壁のみならず、経食道心エコーの理解や導入にあたりお役立ていただけるものと思います。

最後になりましたが、この改訂にあたり本書の趣旨を理解し、ご協力くださったご執筆の先生方に厚くお礼申し上げます。本書が心エコー検査に携わる多くの皆様にご活用いただけることを心より願っております。

2018年12月
獨協医科大学埼玉医療センター　戸出浩之

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目次

Ⅰ　心エコーの基礎
1　心エコー各手法の特徴と役割
2　装置の調整
3　基本Bモード断面　※動画
4　応用Bモード断面　※動画
5　Mモード　※動画
6　ドプラ法　※動画
7　スペックルトラッキング法 ※動画
8　経胸壁の3Dエコー法
9　注意すべきアーチファクト　※動画

Ⅱ　ルーチン検査の進め方
1　依頼目的
2　患者の体位
3　検査手順
4　報告書の作成

Ⅲ　計測
1　Mモードの計測
2　Bモードの計測
3　ドプラ法の計測
4　右心系の計測
5　スペックルトラッキング法の計測
6　3Dエコー法の計測

Ⅳ　経食道心エコー
1　撮り方
2　正常の基本断面　※動画
3　計測法

Ⅴ　装置メンテナンス

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執筆者一覧

■編集
竹中克　　日本大学板橋病院循環器内科／東京大学医学部附属病院検査部
戸出浩之　獨協医科大学埼玉医療センター超音波センター

■執筆者（五十音順）
飯田典子　筑波大学附属病院検査部
川井順一　神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部
小谷敦志　近畿大学医学部奈良病院臨床検査部
紺田利子　神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
髙橋秀一　済生会中和病院医療技術部
田中教雄　国立循環器病研究センター臨床検査部
種村正　　心臓血管研究所臨床検査室
戸出浩之　獨協医科大学埼玉医療センター超音波センター
中島英樹　筑波大学附属病院検査部
西尾進　　徳島大学病院超音波センター
橋本修治　国立病院機構大阪南医療センター臨床検査科
藤田雅史　みやぎ県南中核病院検査診療部
村田光繁　慶應義塾大学医学部予防医療センター／循環器内科

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