心エコーハンドブック

心不全

    定価 5,940円(本体 5,400円+税10%)
    編集竹中克
    日本大学板橋病院循環器内科/東京大学医学部附属病院検査部
    戸出浩之
    群馬県立心臓血管センター技術部
    編集協力石津智子
    筑波大学医学医療系臨床検査医学
    B5判・272頁
    ISBN978-4-7653-1672-9
    2016年05月 刊行
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    心不全を心エコーでどう診るか? そのために必要な知識をこの1冊に!

    内容紹介

    心不全の病態を理解する上で必要とされる基礎医学的知識から、心エコーを中心とした心不全の評価法、心不全の病型、治療法まで、心不全診療のあらゆる場面を設定した実践に使える内容をビジュアルに整理。

    本書掲載のエコー図の動画を特設サイトで公開。

    序文

    このたび、心エコーハンドブック『心不全』を発刊することになりました。本書は2012年発刊の『基本と撮り方』にはじまり『心臓弁膜症』『別冊心臓聴診エッセンシャルズ』『先天性心疾患』『冠動脈疾患』『心筋・心膜疾患』『血管エコーハンドブック』と続いてまいりましたが、この『心不全』をもってシリーズの最後を締めくくります。

    心臓のあらゆる疾患は最終的には「心不全」の表現系をとります。病に苦しむ患者の心不全診療にあたり、心エコーは欠かせない存在です。早く、正確な診断にたどり着くことで、適切な治療を早期に実現できます。心不全診療では、まさに事件は検査室で起きているのではなく、現場=ベッドサイドで起きています。その現場では、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、さらに第6感など持てる感覚を総動員して診察した上で、第7感として超音波をも駆使して心病態を診てください。自分の感覚の一部のように超音波を使いこなせるようになれば、これほど力強いことはありません。

    心エコー図学は1980年までの創世記、2000年までの発展期を経て、2010年には成熟期を迎え、ほとんど全ての心疾患のあらゆる状況に応じた所見が整理された学問体系をなしています。しかし成熟期の学問の情報量は膨大で、心不全診療に当たる若手医師、医療スタッフが全てに精通するにはかなり時間がかかります。検査室で行う系統だった詳細な心エコーとは異なり、現場では見るべきポイントを絞って検査を行い、検査の解釈をその場で結論づける必要があるので、なおさら難しいのです。

    本書は、心エコー図学を極めた専門家の先生方に、心不全診療のあらゆる場面を設定して、若手医師、心不全チーム医療スタッフに向けてわかりやすくポイントを押さえ解説していただきました。本書ハンドブックのモットーは「受験参考書的に要点を整理して、かつ限界を明確に」です。しかしあえて、語りかけるような文章も随所に見られます。これは心不全病態診断の血行力学的背景をご理解いただきたいからです。

    まず、目次をごらんください。心不全の捉え方にはじまり、心不全の評価法、現場での心不全評価、心不全の病型と主な疾患、心不全非薬物治療における心エコーと続きます。心エコーハンドブックであるにもかかわらず、問診、カテーテル、BNP,胸部X線、心電図、心臓MRI等の項目が盛りだくさんです。心エコー所見とこれらは全て一人の患者さんにおいて統合評価されることから、心エコー所見と関連づけ解説されています。どうぞ、興味のあるところからページをめくってください。

    本書が心不全と闘う若手医師、心不全チームスタッフの傍でお役に立てることを願ってやみません。

    最後になりましたが、ご執筆いただいた先生方には、本書の趣旨をご理解いただき、頻回の校正にも快くご協力賜りましたことを、ここに深く感謝いたします。

    平成28年5月
    筑波大学医学医療系臨床検査医学
    石津智子

    目次

    A はじめに 心不全の捉え方

    B 心不全の評価法
    1 問診と身体所見
    2 心臓カテーテル法
     1.血行動態評価の基本
     2.圧-容積曲線と心機能指標
    3 心エコー法
     1.左室収縮能
     2.左室拡張能
     3.中心静脈圧
     4.右室機能と肺高血圧
     5.左房-左室-動脈連関という考え方
    4 BNP
    5 胸部X線
    6 心電図
    7 心臓MRI
    8 心血管腔内血流速度ベクトル計測
    9 心筋elastance計測

    C 現場での心不全評価(心エコーと他の方法の使い分け)
    1 外来:心不全の診断 息切れの鑑別
    2 救急処置室:急性心不全の評価
    3 集中治療室:
     1.血行動態モニタリング
     2.鑑別すべき二次性心筋症
    4 一般病棟:代償期心不全 予後規定因子

    D 心不全の病型と心エコー所見
    1 左室駆出率が低下した心不全と左室駆出率が保たれた心不全
    2 高心拍出量性心不全
    3 肺高血圧の分類と右心不全
    4 化学療法に伴う心不全
    5 妊娠出産と心不全
    6 心サルコイドーシス
    7 左室緻密化障害

    E 心不全の非薬物治療
    1 陽圧換気療法
    2 心臓再同期療法
    3 恒久的な補助機器LVAD, RVADと移植
    4 外科的治療

    付録:心不全診断治療に役立つ心エコー基準値とその注意点

    執筆者一覧

    ●編集

    竹中克 日本大学板橋病院循環器内科/東京大学医学部附属病院検査部
    戸出浩之 群馬県立心臓血管センター技術部

    ●編集協力

    石津智子 筑波大学医学医療系臨床検査医学

    ●執筆者(執筆順)

    坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
    室生卓 医療法人社団倫生会みどり病院心臓弁膜症センター内科
    石津智子 筑波大学医学医療系臨床検査医学
    菅原基晃 東京女子医科大学名誉教授・姫路獨協大学名誉教授
    大手信之 名古屋市立大学心臓・腎高血圧内科学
    山本一博 鳥取大学医学部病態情報内科(第一内科)
    宮木真里 鳥取大学医学部附属病院検査部
    岩永史郎 埼玉医科大学国際医療センター心臓内科
    大門雅夫 東京大学医学部附属病院検査部
    出雲昌樹 聖マリアンナ医科大学循環器内科
    三好宏和 国立病院機構東徳島医療センター循環器内科
    大石佳史 国立病院機構東徳島医療センター循環器内科
    大木崇 国立病院機構東徳島医療センター循環器内科
    西功 筑波大学医学医療系循環器内科
    林田晃寛 心臓病センター榊原病院循環器内科
    金森健太 帝京大学医学部附属溝口病院第四内科
    村川裕二 帝京大学医学部附属溝口病院第四内科
    北川覚也 三重大学医学部附属病院中央放射線部
    土肥薫 三重大学循環器・腎臓内科学
    中森史朗 三重大学循環器・腎臓内科学
    板谷慶一 京都府立医科大学大学院 医学研究科 心臓血管外科・心臓血管血流解析学講座
    柿崎良太 北里大学医学部循環器内科学
    宮崎翔平 株式会社Cardio Flow Design
    赤石誠 東海大学医学部付属東京病院循環器内科
    鈴木健吾 聖マリアンナ医科大学循環器内科
    川合宏哉 兵庫県立姫路循環器病センター循環器内科
    石川利之 横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学
    岩倉克臣 桜橋渡辺病院心臓・血管センター
    上岡亮 岡山大学循環器内科
    伊藤浩 岡山大学循環器内科
    有田武史 九州大学病院ハートセンター・第一内科
    小板橋俊美 北里大学医学部循環器内科学
    竹内正明 産業医科大学臨床検査・輸血部
    山田博胤 徳島大学病院循環器内科・超音波センター
    楠瀬賢也 徳島大学病院循環器内科
    猪又孝元 北里大学北里研究所病院循環器内科
    和田靖明 山口大学医学部附属病院循環器内科・検査部
    坂田好美 杏林大学医学部第二内科学
    宇野漢成 東京大学医学部附属病院コンピュータ画像診断学/予防医学講座
    神谷千津子 国立循環器病研究センター周産期・婦人科部
    平田久美子 和歌山県立医科大学循環器内科
    折居誠 和歌山県立医科大学循環器内科
    小澤綾佳 富山大学医学部小児科
    市田蕗子 富山大学医学部小児科
    小山崇 秋田大学大学院医学系研究科循環器内科学・呼吸器内科学
    瀬尾由広 筑波大学医学医療系循環器内科
    大原貴裕 東北医科薬科大学地域医療学教室/総合診療科
    橋本修治 国立循環器病研究センター中央診療部門
    瀨口理 国立循環器病研究センター移植部門
    中谷武嗣 国立循環器病研究センター移植部門
    渡辺弘之 東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター循環器内科

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