この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病薬物療法の定跡

  • 好評書
定価 3,740円(本体 3,400円+税10%)
長澤将
東北大学大学院医学系研究科腎・高血圧・内分泌学分野講師
B5判・182頁
ISBN978-4-7653-1876-1
2021年08月 刊行
【 在庫状況 】
在庫有り

電子書籍書店で購入

購入数

どうしてその薬を使うの? 腎臓病に対する薬物療法の選択がこの1冊でわかる!

内容紹介

日本には多くの慢性腎臓病(CKD)の患者さんがおり、どの科に進んでも、CKDを合併している人を診療することになるでしょう。そのため、本書を用いて勉強すると普段よく診る疾患に対して、よりうまく対処できるようになります。

腎臓病薬物療法といえば、真っ先に、「どの薬を使うのがいいのかな?」に目が行きがちです。ただ実際は、どの病態にどのような薬を使うか、その副作用、患者さんへの説明など、腎臓内科において知っておくべき大切なことが他にもたくさんあります。本書を繰り返し読み、腎臓病の薬物療法の理解を深めていきましょう。


■本書刊行後の重要な改訂事項に関する補遺■

本書刊行後、内容に関して重要な改訂事項がございました。つきましては、下記のとおり補遺を作成いたしました。最新の情報をご確認ください。なお、今後も都度改訂してまいりますので、弊社ウェブサイトをご活用くださいませ。

『この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病薬物療法の定跡』第1版第1刷 補遺(2021年09月現在)

序文

推薦のことば

『カニでもわかる水・電解質』(中外医学社)など腎臓病治療に関する多くの著書を上梓されている長澤将先生が、金芳堂で薬物療法をテーマに本書を執筆されました。多くの薬剤の上手な使い方と注意点をとてもわかりやすく説明した珠玉の一冊です。

初学者や腎臓病診療を専門としない実地医家に、堅苦しい成書を読む前にぜひ手に取っていただきたい一冊として推薦いたします。

さて、本書の“この局面にこの一手!”や“カニでもわかる”というインパクトあるタイトルから、皆さんは長澤先生をどのような人物と想像されますか? 本書に登場する通りの“ユーモアに富んだ人当たりのやわらかい指導医”を想像される方が多いかと推察いたしますが、実際の長澤先生は臨床および学問に決して妥協を許さない情熱的な男です。学生時代から腎臓病学に興味を持ち、当時(約20年前です)指導教官であった私を連日質問攻めにしてくれました。「学生さんはそこまで知らなくてもいいよ」と言って逃げようとする私を許してくれず、理解できるまで“とことん”説明を求められました。そんな長澤先生ですから、彼の著書はわかりやすさに“とことん”こだわっており、「難しい理論はさておき、絶対に知っておかなければならない必須の知識がとにかくわかりやすく」解説されています。本書も研修医や専攻医の疑問に指導医のDr.長澤がわかりやすく答えるという会話形式になっており、とても読みやすく書かれています。研修医、専攻医とのやりとりを楽しんでいるうちに、腎臓病薬物療法の重要な知識が自然と身につくことが期待されます。また、図やコラムが多用されていることも本書の特長です。ただし、あまりに読みやすすぎて途中で考えることなくあっという間に読み切ってしまいますので(「はじめに」と「むすびに」の最後にもさらっと書いてありますが)、頑張って7回ぐらい読んでください。長澤先生を信じて繰り返し読んでいただければ腎臓病薬物治療の重要な知識が確実に身につきますこと、20年来の知り合いである私が保証いたします。

2021年7月
近畿大学医学部腎臓内科主任教授
有馬秀二


はじめに

東北大学病院の腎臓内科の長澤将です。

今回、腎臓内科が守備範囲としている薬物療法についての本を出すことができました。医療を提供するうえでは栄養や運動などの基本的要素を土台にして薬物療法を載せることが原則ですが、本書ではこの上物の「薬物療法」について解説しました。

「薬物療法」というとどうしても「どの薬を使うか?」ということに目が行きがちですが、実際には「どの病態にどのような薬を使うか」が大事で、薬の効果と同じくらい副作用を把握しておく必要があります。インターネットや鈍器と称される本をみれば、どこかに全部が書かれていますが、その中の情報のどれがよく起こり、どれが重要かということがわかりにくいと感じており、その点を整理した本にしました。ここを、初期研修医の古賀先生、専攻医の里見先生と一緒に学んでいっていただければと思います。

古賀先生も里見先生も架空の人物ですが、それぞれこれまで出会った複数の人のイメージを組み合わせて作りました。初期研修医ならば古賀先生ができるようになるレベルを目指す、内科の専攻医は里見先生のレベルを目指すことが目安になるのではないでしょうか?(ちなみに里見先生は優秀に分類されます。)

とはいえ、この本は若手医師だけのものだけではなく、ぜひ、保健師や看護師、薬剤師、そして製薬企業間連のMRやMA、MSなどの方も読むとよろしいかと思います。薬に関わる仕事では、どうしても近視眼的になりがちですが、医療を通して患者さんをよくするという流れの中での薬物療法の立ち位置を感じていただければと思います。

もちろん、薬物療法とはあまり関係ない方には、オーベンとネーベンってこんなことを話しているんだと娯楽的に読んでいただければ嬉しいです。

最後に本書の制作にあたり、お声がけしていただき編集を担当していただいた金芳堂の藤森祐介様、「恥ずかしがり屋の熊さん」(本人が名前出すのを固辞したので、村上春樹風にペンネームをつけてみました)、私をはじめ古賀先生、里見先生の絵を生み出して、本書の素敵なデザインを描いてくださったnaji designさんにこの場を借りて感謝を申し上げます。

いつも申し上げますが、本書を7回読んでいただき、いつでも本書に書いてあることを引き出して使えるようにするとお役に立てると思います。

2021年7月
長澤将

目次

推薦のことば
はじめに
プロローグ

第1局 血圧
その壱 薬物選択よりも降圧目標
その弐 具体的な降圧目標を達成する。その前に、どこで血圧を測るの?
その参 では、どこまで下げるか?
その四 では、何を使うか?
その五 RAA系阻害薬はキードラッグだけど使い方に注意
その六 意外とCKDに使われていないβ遮断薬、心不全のキードラッグ
その七 激安だがとてもお世話になる薬、サイアザイド系利尿薬
その八 玄人好みのα遮断薬、人によっては結構下がります。ただし起立性血圧に注意

第2局 血糖降下薬
その壱 どの薬? よりも、どこまでどうやって下げるか
その弐 ファーストチョイスはどの薬? その前に
その参 DPP-4阻害薬は名脇役
その四 SGLT2阻害薬は2020年代の標準治療薬
その五 インスリンの腎臓内科的な考え方
その六 その他の薬、GLP-1受容体作動薬など

第3局 利尿薬
その壱 総論
その弐 ループ利尿薬は使う量が大事
その参 トルバプタンの使い道
その四 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、利尿薬というよりは……

第4局 吸着薬
その壱 カリウム(K)吸着薬の使い方と使いどころ
その弐 リン(P)吸着薬の極意
その参 慢性腎不全を診ると反射的に出す人がいるが……

第5局 知っておいたほうがよい薬
その壱 ビタミンD投与はCaのモニタリングが必要
その弐 Ca値は低めに管理するのが好み
その参 Ca値を下げる薬もきちんとモニタリングが必要
その四 尿酸値を下げる意義を再確認
その五 NSAIDsなどの痛み止めは頻用されているからこそ注意
その六 腎臓を悪くする可能性のある検査を行う必要は本当にあるのか?
その七 帯状疱疹を診るときは腎機能に要注意
その八 意外と多い血糖降下薬、フィブラート、H2ブロッカー、DOAC

第6局 なかなか難しい問題
その壱 腎臓が悪くなると抗凝固薬の恩恵を受けにくいかもしれない
その弐 その抗血小板薬は何のため?
その参 脂質を下げるエンドポイントは?
その四 主にステロイド
その五 シクロスポリン、シクロフォスファミド、リツキシマブ
その六 薬剤選択は増えたがコストとベストチョイスは?

第7局 腎臓内科のマイナーな問題
その壱 入院中に腎性貧血の治療はどうする?
その弐 古くて忘れ去られた問題(というか問題にすらなっていない問題)
その参 訴える人も多い、薬は選択肢が増えてきた
その四 ベーキングパウダーっていうと驚かれますよね

コラム
高血圧前夜
ガイドラインについて思うこと
RAA系阻害薬の歴史と最近の話題
血圧の成り立ち
オマケほしさに薬を選択してはいけない
実臨床ではNNTを大事にしたい
SGLT2阻害薬はゲームチェンジャー
サロゲートマーカー
アルブミン尿の話
そういえば、どこに行ったの? バルドキソロン
これを変と気づけるか?

エピローグ
むすびに
索引

執筆者一覧

■著
長澤将 東北大学大学院医学系研究科腎・高血圧・内分泌学分野講師

トピックス

■2021-07-12
古賀先生、里見先生、そして長澤先生が、かわいいLINEスタンプに!
本書の登場人物をモチーフとしたLINEスタンプが発売となりました。腎臓内科に限らず、すべての医療従事者にとって使いやすいスタンプです。とても可愛いイラストですので、是非ご購入をご検討ください!
研修医と専攻医と長澤先生 – LINE スタンプ | LINE STORE

■2021.08.27
noteでの連載「編集後記」にて、本書に関する記事を公開いたしました。

「編集後記」とは、新刊・好評書を中心に、金芳堂 編集部が本の概要と見どころ、特長、裏話、制作秘話をご紹介する連載企画です。また、本書の一部をサンプルとして立ち読みいただけるようにアップしております。

著者と編集担当がタッグを組んで作り上げた、渾身の一冊です。この「編集後記」を読んで、少しでも身近に感じていただき、末永くご愛用いただければ嬉しいです。

編集後記『この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病薬物療法の定跡』|株式会社 金芳堂|note
https://note.com/kinpodo/n/neb8a0c0b7ae3