急性期のリハビリテーション医学・医療テキスト

  • 品切・未定
定価 3,960円(本体 3,600円+税10%)
監修一般社団法人 日本リハビリテーション医学教育推進機構
一般社団法人 日本急性期リハビリテーション医学会
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
B5判・196頁
ISBN978-4-7653-1795-5
2020年02月 刊行
【 冊子在庫 】
品切

電子書籍書店で購入

購入数

急性期のリハビリテーション医学・医療を正しく理解し習得するために適切なテキスト

内容紹介

急性期リハビリテ-ション医療では全身状態を見て、救命は当然のことながら、活動性改善のため、全身を視野に入れ治療する。診察と検査により、適切な診断がついた状態で最適な活動性改善、可能な限り高負荷・長時間のリハビリテーション医療を提供するのである。リハビリテーション医療はプロフェッショナルなチーム医療であり、急性期医療における知識と技術に習熟した療法士が実践しないと危険である。もちろん看護師の協力は必須である。急性期から患者の活動性を良くしようという志のある療法士と看護師にはできるだけ本書に目を通してほしい。本書を読めば、幅広い知識と技術が自ずと身につき、実践すれば、患者の活動性が驚くほど改善する。

序文

巻頭言

本邦におけるリハビリテーション医学・医療の原点は戦前の急性灰白髄炎(脊髄性小児麻痺:ポリオ)、骨・関節結核、脳性麻痺などの肢体不自由児に対する療育にあるとされている。戦中は戦傷により、戦後と高度成長期には労働災害や交通事故により対象となる患者が増加した。その際には四肢の切断・骨折、脊髄損傷のリハビリテーション医学・医療が大きな課題となった。そして、超高齢社会となった現在、リハビリテーション医学・医療の対象として、小児疾患や切断・骨折・脊髄損傷に加え、中枢神経・運動器(脊椎・脊髄を含む)・循環器・呼吸器・腎臓・内分泌代謝・神経筋疾患、リウマチ性疾患、摂食嚥下障害、がん、スポーツ外傷・障害などの疾患や障害が積み重なり、さらに周術期の身体機能障害の予防・回復、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームなども加わり、ほぼ全診療科に関係する疾患、障害、病態を扱う領域になっているといっても過言ではない。しかも、疾患、障害、病態は複合的に絡み合い、その発症や増悪に加齢が関与している場合も少なくない。

このような背景の元、日本リハビリテーション医学会では2017年度から、リハビリテーション医学について新しい定義をあげている。すなわち、疾病・外傷で低下した身体・精神機能を回復させ、障害を克服するという従来の解釈のうえに立って、ヒトの営みの基本である「活動」に着目し、その賦活化を図る過程がリハビリテーション医学であるとしている。日常での「活動」としてあげられる、起き上がる、座る、立つ、歩く、手を使う、見る、聞く、話す、考える、衣服を着る、食事をする、排泄する、寝る、などが組み合わさって有機的に行われることにより、家庭での「活動」、学校・職場・スポーツなどにおける社会での「活動」につながっていく。

リハビリテーション医学にもとづいたリハビリテーション医療では、リハビリテーション科医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科医、看護師、薬剤師、管理栄養士、公認心理師/臨床心理士、社会福祉士/医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員/ケアマネジャー、介護福祉士などが医療チームを形成し実践しているのが特徴である。また、近年、急性期、回復期、生活期といったphaseでもリハビリテーション医学・医療の充実が求められている。特に、従来あまり顧みられなかった急性期のリハビリテーション医学・医療が注目されている。急性期のリハビリテーション治療が積極的に行われることによって治療期間が短縮し、回復期・生活期の活動性が飛躍的に向上することが明らかにされつつある。

急性期のリハビリテーション医学・医療を正しく理解し修得するためには適切なテキストが必要である。本書は日本リハビリテーション医学教育推進機構、日本急性期リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション医学会が企画編集したテキストである。実践的な診療を中心に記載されている。本書の作成に献身的に携った先生方に深謝する。

医師・専門職をはじめとしてリハビリテーション医学・医療に関係する方々に是非活用していただきたいテキストである。本書が急性期のリハビリテーション医学・医療の発展と普及に役立つことを心から願っている。

2020年1月
日本リハビリテーション医学教育推進機構理事長
日本リハビリテーション医学会理事長
久保俊一


まえがき

臓器別医療の発展に伴い、疾病の治癒率は改善し平均寿命が延びた結果、社会は医療に健康寿命の延伸を求めるようになった。医療への要望に救命のみならず活動性の改善が加わったといえる。しかし、全国の急性期病院で入院している多くの患者が活動性の改善のための治療を適切に受けているであろうか。活動性改善のためには従来の薬物療法や手術療法だけではなく、リハビリテーション治療が必要である。リハビリテーション治療は、近年の研究で活動性の改善に加えて薬物療法や手術療法の治療効果をも高めることが明らかにされつつある。

疾病や障害を持つ患者のほぼすべてがリハビリテーション医学・医療の対象となるため、幅広い知識と技術が必要である。さらに、障害そのものから起こる特殊な病態もあり、疾病そのものだけを診るのではなく、「全身を診る」という観点も求められる。その上で、日常生活動作や精神機能を評価し、活動性を高めていくことが大切である。

診療の基本は、正確な病歴聴取、身体所見、および検査結果による診断である。特に急性期リハビリテーション医療では、救命は当然のことながら、活動性改善のために全身状態を診ていくことが大切である。診察と検査により、適切な診断がついた状態で最適な活動性改善のために可能な限り高負荷で充分な時間のリハビリテーション治療を提供していかなければならない。急性期のリハビリテーション治療の意義と有効性を理解しても、残念ながら具体的に何をしたらよいかを示したテキストが見当たらない。それを、実践的に、理論も含めて示したのが本書である。本書を読めば、幅広い知識と技術が自ずと身につき、実践すれば、患者の活動性が驚くほど改善するはずである。

本書は医師ばかりではなく、リハビリテーション医療チームを構成する、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科医、看護師、薬剤師、管理栄養士、公認心理師/臨床心理士、社会福祉士/医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員/ケアマネジャー、介護福祉士に活用していただきたいテキストである。

最後に、本書の作成にあたり、編集と執筆を担当していただいた先生方とお世話になった出版社の方々に深くお礼申し上げる。急性期のリハビリテーション医療・医学のさらなる発展と普及を祈念する。

2020年1月
日本急性期リハビリテーション医学会理事長
田島文博

目次

1章 急性期のリハビリテーション医学・医療 総論
1. 急性期のリハビリテーション医学・医療の概要
2. 急性期のリハビリテーション診療の基本
3. 座位・起立訓練の効果
4. 運動療法
5. 骨関節障害に対する固定および免荷時のリハビリテーション治療
6. 脊椎疾患における急性期のリハビリテーション治療
7. 装具療法
8. コミュニケーション障害に対するリハビリテーション治療
9. 高次脳機能障害に対するリハビリテーション治療
10. 摂食嚥下障害に対するリハビリテーション治療
11. 周術期のリハビリテーション治療
12. ロボットを活用したリハビリテーション治療

2章 急性期のリハビリテーション診療の実際
1. 急性期のリハビリテーション診断
2. 急性期のリハビリテーション治療
3. 訓練時のモニター等による観察
4. 急性期の薬物療法の理解
5. 引き抜き事故防止

3章 急性期のリハビリテーション治療 実践例
1. 脳血管障害 症例1~14
2. 脊髄損傷  症例1~6
3. 呼吸器疾患 症例1、2
4. 循環器疾患 症例1~7
5. 運動器疾患 症例1~4
6. 神経筋疾患 症例1~5
7. 周術期症例1~3

執筆者一覧

■監修
一般社団法人 日本リハビリテーション医学教育推進機構
一般社団法人 日本急性期リハビリテーション医学会
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会

■総編集
久保俊一 日本リハビリテーション医学教育推進機構理事長/日本リハビリテーション医学会理事長
田島文博 日本急性期リハビリテーション医学会理事長

■編集
安保雅博 東京慈恵会医科大学教授
角田亘  国際医療福祉大学教授
佐浦隆一 大阪医科大学教授
中村健  横浜市立大学教授
西村匤司 徳島大学名誉教授
西村行秀 岩手医科大学教授
三上靖夫 京都府立医科大学教授

トピックス