PT・OT学生の文章力を育てる!レポートの書き方
-正しく学ぼう「書く基本」「文章力の組み立て」-

    定価 2,200円(本体 2,000円+税10%)
    髙谷修
    A5判・171頁
    ISBN978-4-7653-1704-7
    2017年01月 刊行
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    PT・OT学生の「書けない悩み」が「書ける喜び」につながる一冊、読んで得する一冊!

    内容紹介

    本書はPT(理学療法士)・OT(作業療法士)をめざす学生向けの髙谷流文章(レポート)読本である。学生の文章苦手意識の理由は、書く基本的ルールを知らない、苦手意識が続いてトラウマになっている、「書かされ」意識で書き、「提出させられ」ているという3つが挙げられるが、学生がこれらの苦手意識を克服できるように「レポート」「症例」の書き方の具体例を挙げて解説した。まず「はじめに」「本論」「後書き」の三部構成を基本とする。「はじめに」は80字程度で要約を述べる、「本論」では1、2、3と番号を付け3段落構成にして、第1文に結論、第2文に根拠(理由)、第3文以下に具体例を書く、「後書き」はまとめを書く、という「三分節法」の文章構成がわかりやすく解説されている。学生たちは高度な文章技術を解説するマニュアルからは学べない「書き方の基本」を習得できる。OT・PT学生さんにはぜひ学習してほしい一冊である。

    序文

    本書の目的は理学療法士や作業療法士を目指す学生の文章力を育てることである。学生がレポートを書いて練習する作業は、文章力向上のための作業有能性があると言える。作業有能性は、作業の有効性、作業が役立つこと、貢献することを意味する。また、レポートreportという用語は、報告、報告書、学生のレポート、通知表、議事録、判例集、報道、記事などの意味がある。

    学生が書くレポートには、文章の法則ruleがある。また、レポートを書くにあたって、それぞれ提出先に求められる条件に沿って書く必要がある。例えば、講義や実習で提出するレポートは、「課題」を明記し、学籍番号と氏名を書いた後で内容を執筆する。この場合、「はじめに」「本論」「後書き」の三部構成にすれば、まとまりの良いレポートになるだろう。

    「はじめに」には「このレポートには、……の3点について述べてある」のように80字程度で全体の要約を述べる。本論では、1.…、2.…のように見出しを付けて、その中を3段落構成(1段の中:第1文に結論を書き、2文に根拠・理由を書き、3文以下に具体例を書くというパターン)で書き進む。これが「三分節法」という読み手にわかりやすい文章構成である。「後書き」は、まとめでもよいが、添削者からすると、「気付いたこと」が書いてあるとその学生の学習の深さを知ることができるので興味深い。このように文字調整して仕上げる。

    ここまでは、3段落構成で書き進んだ。これが本論の「1.」に当たる。この文章構成方法が読者のレポート執筆に役立つだろう。次の段落は本論の「2.」に当たる部分である。

    筆者は、1998年から複数の看護専門学校で1年次生にレポート・論文の書き方の講義をしている。2013年に「看護学生の文章の思い」について250人を調査したら、学生達の96%が「苦手」と回答した。この思いは、理学療法士・作業療法士養成機関の学生でも同じと推測される。「筆者が体験した実習時代の最大の苦行というのはまさしく症例ケースレポートであった」という一言がこれを代弁しているだろう。学生の文章苦手の理由は次の3点である。

    1)レポートや論文を書く基本的な法則を知らない。
    2)苦手意識が続いてトラウマ(心的外傷)になっている。
    3)「書かされ」意識で書き、提出させられている。

    文章作法は技術である。技術は理論と練習によって習得されるから、文章の理論を理解した上で練習を繰り返す必要がある。読者はまず本書を読んで文章の理論を得る。その後、各章末のレポート課題に取り組んで書く練習をするならば、文章力が育ち始めるだろう。繰り返すが、文章は技術の一つなので、何度も繰り返して書く練習をする必要がある。

    各章末の課題は、学生個人の文章苦手の問題を解決するケーススタディ(事例研究)を行なうという視点で設定してある。学生のみなさんが自分自身の文章苦手の問題を解決したならば、自尊心が湧くだろう。そうしたならば実習で関わる理学療法や作業療法を受ける人は、自尊心が感化され、意欲が湧くだろう。読者のみなさんが、本書による文章トレーニングによって文章苦手を克服し、文章力が向上したという体験をするようにと期待している。三分節法が使えるようになったら、実習の日に「あなたは文章力がある」と評価されるに違いない。

    2016年秋
    著者

    目次

    1章 文章の基本
    1.三分節法を使って書く
    2.原稿用紙を使う約束を守る
    3.文章全体の長さと段落構成
    4.論文の構成は序論・本論・結論

    2章 書く意義と書く前の3段階
    1.文章を書く意義
    2.書く前の3段階:「落書き」「グループ化」「段落の構図」
    3.レポート課題の目的
    4.自ら学び、意欲を引き出す
    5.グループ学習での問題解決

    3章 読点の使い方
    1.読点の打ち方は客観的な基準はなく、書き手の責任
    2.読点の3つの性質
    3.主語の後の読点と一重カッコの前後の読点
    4.読点の必要度と効果
    5.論理的な読点の打ち方

    4章 良いレポートの条件
    1.材料を用意する
    2.自分を他者の立場に置いて書く
    3.読みと闘う(自分との闘い)
    4.作文とレポート・論文との違いを理解する
    5.その他の秘訣

    5章 理学療法観の書き方
    1.理学療法の定義・対象となる人・理学療法の目的
    2.帰納的思考と演繹的思考による理学療法観
    3.全体の構成(題・第1文・体験・理学療法士の役割)
    4.理学療法を受ける人が中心になされる理学療法
    5.理学療法士に必要な「知性・心情・技術」

    6章 作業療法観の書き方
    1.作業療法の定義・対象となる人・作業療法の目的
    2.広い意味の「仕事occupation」、狭い意味の「作業work」
    3.帰納的思考と演繹的思考による作業療法観
    4.全体の構成(題・第1文・体験・作業療法士の役割)
    5.作業療法を受ける人が中心になされる作業療法
    6.作業療法士に必要な「知性・心情・技術」

    7章 事例報告・症例レポート
    1.事例報告(ケースレポート)と事例研究(ケーススタディ)
    2.レポートの定義、論文の定義
    3.問題解決思考のプロセスにおける「報告」と「研究」
    4.評価(診断評価・途中評価・最終評価)について
    5.「はじめに」に全体の要約を書く

    8章 専門用語を使用してレポートを書く
    1.専門用語を使用する(業界用語を避ける)
    2.「医療を受ける人」「障害者」「患者」
    3.不快語を避ける
    4.適切な表現

    9章 物件化の克服と文章力の向上
    1.日本語は「人の物扱いを避け、人格を尊重する」性質がある
    2.ヨーロッパの言語では、物と人を区別しない
    3.人間の物件化とその克服の歴史
    4.敬語と物扱い
    5.ブーバーの対話とジュラードの自己開示、ジョハリの窓

    10章 美しい文章
    1.美しい行為
    2.教師と生徒の人間関係
    3.理学療法士・作業療法士と患者の人間関係
    4.愛の3段階(自然的物欲愛・価値愛・他者実現愛)
    5.理学療法と作業療法における美しい行為

    11章 推敲の仕方
    1.全体構成の推敲
    2.文の構造の推敲
    3.長文を分割して意味を明らかにする推敲
    4.三段論法での推敲
    5.その他の推敲

    12章 漢字・現代仮名遣い・送り仮名
    Ⅰ.漢字使用の基準
    Ⅱ.現代仮名遣い
    Ⅲ.送り仮名の基準

    13章 情報の意味の読み取りと文章化
    1.主語と述語、分析などによって意味を読み取る
    2.批判や質問をして意味を読み取る
    3.疑問思考によって意味を読み取る

    執筆者一覧

    著:髙谷修

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