こどもの心と体の成長・発達によい食事 Ⅰ 妊娠期・乳児期
-こども病院の医師と栄養士による食育レシピ-

    定価 2,200円(本体 2,000円+税10%)
    監修大阪府立母子保健総合医療センター
    編著恵谷ゆり
    西本裕紀子
    B5判・128頁
    ISBN978-4-7653-1668-2
    2016年05月 刊行
    【 冊子在庫 】
    在庫有り

    電子書籍書店で購入

    購入数

    内容紹介

    本シリーズは、①こども病院の医師による医学的に正しい本、②こども病院の栄養士だからアドバイスできる本、③子育て中の若いご両親が食育を理解できる本、④胎児期から成人するまで健やかな子どもの発育をサポートできる本、をコンセプトにステージ別に「妊娠期・乳児期編」(本書)「幼児期編」「学童期・思春期編」の3部構成で仕上げました。

     

    ■シリーズ書籍

    こどもの心と体の成長・発達によい食事 Ⅰ 妊娠期・乳児期

    こどもの心と体の成長・発達によい食事 Ⅱ 幼児期

    こどもの心と体の成長・発達によい食事 Ⅲ 学童期・思春期

    序文

    大阪府立母子保健総合医療センターは周産期と小児の専門病院として多くの子どもたちや妊産婦さんに高度先進医療を提供しています。その中で栄養士は医師と手を結び、「食と栄養」というキーワードで医療と連携し、妊婦の健康と胎児、小児の成長発達を支えています。生まれた子どもが順調に成長発達し、生涯に渡って健康を維持するためには、「食と栄養」の正しい知識とスキルを身につけて、妊娠期、乳児期、幼児期、学童期、思春期のすべての時期において適切な食生活を送ることが重要です。我々は当センターの特性上、様々な疾患を持つ妊婦さんや子どもたちの栄養管理に携わってきましたが、どのような場合においても、栄養バランスの良い安全でおいしい食事を家族で楽しく食べていくことが食育の基本であり、人間が健やかに生きていくための源だと感じています。

    今の日本では、食材や料理、栄養についてさまざまな情報が溢れています。しかし、これらの情報は必ずしも医学的に正しいものではなく、いったい何を信じたらよいのか迷ってしまうことも多いことでしょう。また、核家族化や少子化が進む中で育児経験は限られてしまう一方、「ちゃんとした子育てをしないといけない」という大きなプレッシャーが両親にのしかかっています。このような状況で、子どもの体によい食事環境を整えるにはどのようにすればよいのか、悩んだり戸惑ったりされているのではないでしょうか。

    私たちは1981年の当センター開設以来、非常に多くの妊婦さんや子ども達の栄養指導を行ってきました。その豊富な経験をもとに、妊娠中~子育て中のご両親のためのレシピ本を作ることになりました。そのコンセプトは

    ①こども病院の医師による医学的に正しい本
    ②こども病院の栄養士だからアドバイスできる本
    ③子育て中の若い両親が食育を理解できる本
    ④胎児期から成人するまで健やかな子どもの発育をサポートできる本

    で、ステージ別に「妊娠期・乳児期編」「幼児期編」「学童期・思春期編」の3部構成に仕上げました。料理に慣れていない人でもこれさえあれば、栄養バランスの整った適量の美味しい料理を作ることができ、家族で楽しく食事ができるように、当センター栄養管理室の管理栄養士が持てる技術を駆使したお勧めレシピをたくさん載せています。さらに巻末には料理に関するミニ知識をたくさん盛り込みました。また、栄養や発育に関連する話題について、妊娠中や子育て中に是非知っておいていただきたい正しい医学的情報を、当センターで活躍されている医師や当センターにゆかりのある医師に、コラムの形で読みやすく執筆していただきました。

    出版に際しては大阪府立病院機構の遠山正彌理事長の全面的なご支援の下、料理研究家の吉川美子先生にアドバイスをいただき、カメラマンの川久保民雄先生に料理の撮影をお願いしました。

    また、本書の各期における食事の基準量は、厚生労働省から5年ごとに改定される「日本人の食事摂取基準2015年版」に準拠し、食品の栄養成分値は、文部科学省が5年ぶりに改訂した最新の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を用いています。

    これから妊娠・出産を控えておられる方や子育て中のご家族だけでなく、母子保健に携わる医療関係者が正しい食育に取り組む際に、是非本書を手に取っていただき、子どもが家族との楽しい食生活の中で「食と栄養」の正しい知識とスキルを身につけながら、すこやかに成長発達されるために役立てていただければ幸いです。

    最後に水口麻衣子さんをはじめとする大阪府立病院機構の皆様と金芳堂の市井輝和様のご協力で発刊にこぎつけましたことに深謝申し上げます。

    2016年4月吉日
    編集者
    大阪府立母子保健総合医療センター
    消化器・内分泌科部長兼栄養管理室長 惠谷ゆり
    栄養管理室副室長 西本裕紀子

    目次

    妊娠期
    女性の体格と胎児発育
    コラム1  妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群とは?
    コラム2  DOHaD
    コラム3  低出生体重児のリスク
    妊娠期の栄養と食事
    コラム4  葉酸とサプリメント
    妊娠中にとりたい1日の食材の目安量
    コラム5  母親の食とトランス脂肪酸
    コラム6  妊娠中・授乳中の食事と児のアレルギー
    妊娠初期献立(1日分)
    コラム7 「 つわりと悪阻(おそ)」について
    妊娠中期献立(1日分)
    妊娠後期献立(1日分)
    鉄分補給に役立つ市販の鉄強化食品
    コラム8  海藻とヨウ素
    主菜料理献立あれこれ
    副菜料理献立あれこれ
    汁物料理献立あれこれ
    主食とおかずの合体献立あれこれ
    コラム9 妊娠中は、魚の種類と量に気をつけよう
    妊娠期のおやつ献立
    乳児期
    乳児期の栄養
    コラム10 母乳育児の神秘
    離乳食の進め方
    コラム11 乳幼児の鉄欠乏性貧血
    コラム12 「 卒乳」と「断乳」
    離乳初期にとりたい1日の食材と乳汁の目安量
    離乳中期にとりたい1日の食材と乳汁の目安量
    離乳後期にとりたい1日の食材と乳汁の目安量
    離乳完了期にとりたい1日の食材と乳汁の目安量
    コラム13  母乳、ミルク、フォローアップミルク、牛乳の知識
    コラム14  離乳食と食物アレルギー
    コラム15  ミルクアレルギー/乳児難治性下痢
    離乳初期(5ヵ月頃~)の食べ方の目安
    離乳中期(7ヵ月頃~)の食べ方の目安
    離乳後期(9ヵ月頃~)の食べ方の目安
    コラム16  乳児の便秘
    離乳完了期(12ヵ月頃~)の食べ方の目安
    コラム17  離乳食がうまく進まない赤ちゃん
    各時期に適した主食献立あれこれ
    各時期に適した副食献立あれこれ
    離乳期のおやつ献立
    コラム18  赤ちゃんの下痢が長引くときに気をつけること
    コラム19  食中毒を予防しましょう
    コラム20  衛生対策、感染予防対策として、離乳期に気を付けること
    ベビーフードの活用の仕方
    フリージングの活用
    離乳食の調理器具

    執筆者一覧

    ■監修
    大阪府立母子保健総合医療センター

    ■編著
    恵谷ゆり
    西本裕紀子

    トピックス