小児・若年者の起立性頭痛と脳脊髄液減少症

    定価 3,740円(本体 3,400円+税10%)
    編著中川紀充
    明舞中央病院脳神経外科
    小林修一
    こばやし小児科・脳神経外科クリニック脳神経外科
    髙橋明弘
    東札幌脳神経クリニック
    高橋浩一
    山王病院脳神経外科
    B5判・177頁
    ISBN978-4-7653-1619-4
    2014年11月 刊行
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    診療実践から得られた知見や症例をもとに丁寧に解説。特に脳脊髄液減少症の症状で最も特徴的な起立性頭痛を頭痛診療の視点から詳述。画像検査や種々のテストデータも豊富。

    内容紹介

    子どもの脳脊髄液減少症は、不登校の原因のひとつとして取り上げられるなど、近年注目を集めるようになってきた。本書は小児・若年者の脳脊髄液減少症を扱った専門書であるが、この疾患と密接な関係にある起立性頭痛に関して、頭痛診療の視点から掘り下げて解説したのが他に類を見ない最大の特徴である。ご存じの通り、起立性頭痛は脳脊髄液減少症の最も特徴的な症状であるが、意外と見つけにくく、様々な頭痛に紛れて見逃されやすいことが、この疾患の診断・対応の遅れにつながっている。脳脊髄液減少症が遷延してブラッドパッチなどの治療を余儀なくされた子どもたちも、その発症当初は、ただ頭痛を訴えて小児科医や頭痛専門医の診察を受けており、その時点で確実に頭痛の起立性要素を検出し、脳脊髄液減少症の可能性を視野に入れて対応できることが、この疾患の慢性化・難治化を回避する重要な方策である。

    したがって本書では様々な頭痛の中から、起立性頭痛を見つけ出すための最新の診療技術であるLumbar-uplift test (LUP test)について詳述するとともに、小児・若年者の脳脊髄液減少症と起立性調節障害との鑑別、最新の画像診断技術・保存的治療・侵襲的治療について、2013年に改訂された国際頭痛分類や慢性頭痛の診療ガイドラインを含め、これまでの診療実践から得られた知見と豊富な症例をもとに丁寧に解説を試みた。画像検査情報や種々のテストなど貴重な臨床データも豊富で、この分野の診療には欠かせない一冊といえる。

    序文

    目次

    Ⅰ.頭痛診療という視点から見た小児・若年者の起立性頭痛
    1 総論 ― 小児・若年者の頭痛診療における起立性頭痛の位置づけ
    1.小児・若年者において特に重要な頭痛は何か?
    2.片頭痛以外の重要な頭痛としての起立性頭痛
    3.起立性頭痛の検出方法をめぐる問題
    4.潜在する起立性頭痛の問題
    5.小児・若年者における起立性頭痛の特異性
    2 各論 ― 小児・若年者の起立性頭痛をめぐる問題と慢性化回避のstrategy
    1.起立性頭痛の病態とその検出法
    2.Lumbar-uplift test (LUP test)
    3.起立性頭痛の臨床的特徴
    4.LUP testを取り入れた低髄液圧性頭痛のスクリーニング
    5.低髄液圧性頭痛への最初のアプローチ ― 持続性・連日性頭痛の鑑別診断 ―
    6.LUP test陽性頭痛(起立性頭痛)を引き起こす原因疾患
    7.小児のPOTSをめぐる問題
    8.LUP test陽性頭痛(起立性頭痛):外来での初期対応と改善の乏しい症例への対応
    9.症例 Illustrative cases
    Ⅱ.(小児・若年者の)脳脊髄液減少症
    1 小児・若年者の脳脊髄液減少症の概要
    2 脳脊髄液減少症の病態、症状について
    1.脳脊髄液減少症の病因・病態
    2.脳脊髄液減少症の発症原因・誘因
    3.脳脊髄液減少症の症状
    3 病名について(成人例を中心として)
    1.低髄液圧症
    2.脳脊髄液漏出症
    3.脳脊髄液減少症
    4.初期対応における病名
    4 検査
    1.頭部CT・MRI
    2.脊随MRI/MRミエログラフィー
    3.RI脳槽・脊髄液腔シンチグラフィー
    4.CTミエログラフィー
    5.その他:硬膜外生理食塩水注入試験
    5 治療
    1.外来での保存的治療
    2.入院による保存的治療
    3.治療としての硬膜外生理食塩水注入
    4.ブラッドパッチ治療について
    5.各施設の症例

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