女性ホルモンの作用と性差の出現

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定価 6,160円(本体 5,600円+税10%)
玉舎輝彦
岐阜大学大学院教授
A5判・272頁
ISBN978-4-7653-1228-8
2006年04月 刊行
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内容紹介

女性は女性ホルモンの影響を受けて、男性とは異なった心身機能や表現、疾患などが出現してくる。このために女性ホルモンである性ステロイドホルモン、とりわけエストロゲンの作用出現の機構が進化の過程で出現することになる。
エストロゲンは生殖器のみならず、脳、心血管、骨、筋、その他身体の重要な組織に作用を及ぼしていることが明らかとなっている。しかし、どのようにしてわずか分子量272の小分子でありながら、このように効率よく多大な効果を発揮するのか、また、動物の出現とその後の進化の過程でこの効率のよい作用機序がどのように獲得されたのか、そしてこのように獲得してきたエストロゲンの作用機序がどうして男女の性差を生じ、また女性に好発する疾患を生み出すことになったのか、これらを類推することは大変興味深いことであると思われる。
本書ではこれらについて、女性ホルモン・エストロゲンの作用や性差の出現をテーマに解説している。

序文

目次

Ⅰ 進化にともなう女性ホルモン,エストロゲン作用の出現
A.血中蛋白の出現と痕跡
1.地球環境と動物の適応
2.血中の性ステロイドホルモンと結合する蛋白(SHBG,CBG)の臨床
3.sex hormone-binding globulin/androgen-binding proteinの機能および相同性を有する蛋白の機能
4.先天性CBG欠損症
B.核内受容体(レセプター)の出現と機能分化
1.ステロイドレセプターの系統発生
2.ERR(estrogen receptor-related receptor)の生物学
3.エストロゲンと生殖生理
4.プロゲステロンと生殖生理
5.伝統的食事に含まれる大豆に多い植物エストロゲン(イソフラボン類)とホルモン依存性癌(特に体癌)

Ⅱ 性差の出現の謎
1.エストロゲン作用機序よりみる性差
2.腎機能と性差
3.性ステロイド,またはその受容体の異常と女性好発疾患-成因と治療
4.性差におけるエストロゲン作用機序よりみる消化器疾患
5.性ステロイド消退性症候群
6.ライフサイクルにおける女性の心身症ー性ステロイドとの関係においてー
7.メタボリックシンドローム
(1)卵巣細胞のstimulus-secretion coupling
(2)女性生殖腺
(3)プロゲスチンとメタボリックシンドローム
8.感染症
(1)女性生殖器感染症とジェンダー
(2)性感染症とジェンダー
9.卵巣腫瘍
(1)機能性卵巣腫瘍
(2)不妊と卵巣癌
10.漢方と性差‐女性とお血

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