臨床から一歩ふみ出す 医療系学生・若手医療職のための はじめての臨床研究入門

| 著 | 塩澤伸一郎 |
|---|---|
| 株式会社RMI代表取締役 |
- 【 冊子在庫 】

★2026年2月上旬 発売予定!★
研究テーマの見つけ方から論文化までの全プロセスを完全ナビゲート
内容紹介
臨床研究は「特別な人だけができること」ではありません。本書は、医療系学生・若手医療者・研究初心者が、臨床現場から一歩ふみ出して研究を始めるための道筋をやさしく解説した入門書です。
研究テーマの見つけ方、倫理審査の手続き、データの扱い方、発表・論文投稿まで、実際の現場でつまずきやすいポイントを整理して、丁寧にナビゲート。
単なる手順書ではなく、「なぜ研究するのか」「臨床をどう見直すか」という視点から、“自分の臨床を研究に変える力”を育みます。初めてでも、大丈夫!「研究ってこういうことだったのか!」と腑に落ちる、最初の一冊です。
序文
先輩医師や患者さんから多くを学びながら、初期研修で日々忙しく研鑽を積む医師。病院の薬局や町の薬局で先輩からの指導を受けながら勤務している薬剤師。病院の病棟やクリニックで診療の補助をしつつ、重要な看護業務に従事する看護師。毎食の献立を考え、栄養指導を通して患者さんとコミュニケーションを図る管理栄養士。検体検査や生理検査に対応しながら、新しい技術の習得に努める臨床検査技師。内科や外科や整形外科の様々な患部を的確に撮影し技術を向上させる放射線技師。身体分野、精神分野、高次機能障害などのリハビリテーションを実践する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士。退院調整や転院受け入れを通して地域住民の安心を支える社会福祉士。疾患予防や健康寿命の延伸を目指し、身体活動を取り入れやすい環境作りに努めている健康運動指導士やアスレチックトレーナー。カルテ情報を正しく整理し、登録し、分析を進める診療情報管理士。これらの医師や医療従事者のおかげで、患者さんは病院で安心して診療を受けられています。
皆さんが医師や医療従事者を目指した時、「人のために、患者さんのために」と考えていたのではないでしょうか。その思いは、医療の現場だけでなく臨床研究の支えにもなります。
本書は「患者さんのために」臨床研究を行いたいと考える皆さんへ、役立つ情報を届けることを目的としています。読者の対象は、医学、薬学、看護、栄養、臨床検査、放射線技師、リハビリテーション、社会福祉、スポーツ科学、診療情報管理など、人の健康に深く関わる専門職の方々です。
臨床研究や研究発表を初めて行う方にとって、トップジャーナルへの投稿や、医療の世界を変えるかもしれないビッグリザルトの発見を目指すことは、ハードルが高く感じられるかもしれません。本書では、臨床研究を始めたいけれど何から手をつければいいかわからないと悩む方に向け、臨床研究の入り口のハードルを低くするために、気軽に読めるような工夫をしました。
本書は、臨床研究に関わり始めた医療従事者(リョウマ)とベテラン研究者(おじさん)との会話から始まります。その会話で触れた話題から、具体的な内容を解説していきます。章の順序は臨床研究の進行に沿って構成しており、最初から順に読み進めることで、研究の流れを自然に理解できるようにしています。動機や思い、具体的な準備、申請書類の書き方、得られたデータの取り扱い、結果の示し方など、臨床研究のプロセスを順序立てて解説しています。
きっかけや理由はどうであれ、十分に計画された臨床研究は患者さんのためになります。そして臨床研究の成果は未来に渡り、医師、薬剤師、看護師などへの技術と医療全体の発展に貢献することになります。さらに新たな医療の発展に、何らかのヒントを与えることになるかもしれません。何より皆さんの日ごろの臨床を振り返るための良い機会になります。さあ、肩の力を抜いて、本書に沿って臨床研究を始めてみましょう。
本書を通じて、臨床研究が皆さんの毎日の業務に自然と溶け込み、いつしか臨床研究が日常業務の一部となることを願っています。
2025年12月
塩澤伸一郎
目次
1章 臨床研究をはじめるための心構え
①臨床研究の対象
②臨床研究を行う動機や目的意識をもつ
2章 臨床研究をはじめる前の準備
①臨床研究を始める時のデザイン
臨床研究の目的
臨床研究のアイデアをメモする
臨床研究の方法
観察研究と介入研究
対照群の有無
横断研究と縦断研究
前向き研究と後ろ向き研究
リソースを検討する
臨床研究倫理は重要
②うっかり不正な研究を行わないための「倫理的手続き」
目的及び基本理念
実施計画書の書き方
倫理審査への申請終了
実施計画書を作成する際の注意点
≫ コラム:【研究と倫理】事例の紹介
③ジャーナルクラブ・抄読会とサイエンティフィック・ミーティングに参加しよう
ジャーナルクラブや抄読会とは
ジャーナルクラブや抄読会の進め方
対象となる論文の選定
サイエンティフィック・ミーティングとは
サイエンティフィック・ミーティングの位置付け
ジャーナルクラブや抄読会、サイエンティフィック・ミーティングの運営について
④臨床研究のテーマの見つけ方
研究目的に再び着目する
対象者を具体的にする
自然経過が不明かどうかを知る
介入の効果について知る
調べても知りたい情報にたどり着けない時は、自ら研究を始める
自分自身の臨床経験を大切にする
3章 臨床研究をやってみよう
①対象患者数は自分が決めなければいけない
プライマリアウトカム(主要評価項目)の捉え方
データのばらつきの考え方
ばらつきの特定の仕方
②データの加工と見せ方
データの尺度
データの表し方
データ間の関係から考える扱い方
③データの検定結果が仮説と違ったら、視点を変えてみよう
仮説の振り返り
その他
④「考察」とは
データの解釈
先行研究との相違点
現在の臨床への活用
将来に向けた発展的な活用
臨床研究の限界
学会発表の一般演題での考察
研究論文での考察
4章 学会発表と論文投稿どう進める?
①抄録作成と学会発表
抄録作成
抄録作成後、学会発表までの流れ
②研究論文作成と論文投稿
背景の明確化
臨床研究のフレームワーク
文献の検索と内容の批判的吟味
主たる文献のレビュー
論文の構造化
論文の投稿
5章 臨床研究にまつわるエトセトラ
①なぜ臨床研究が日本では少ないのだろうか
決して研究が苦手ということではない
臨床研究を進めるために必要な知識と思考
多忙により臨床研究ができない問題
日本の臨床研究が進まない本質的な理由
自らの臨床には価値があることに気づく
②なぜ臨床研究に取り組むのだろうか
自らの臨床を批判的に見直す
将来の患者のために改善すべき点を示す
付録:論文検索サイト
索引
著者プロフィール




