内科医のための 骨粗鬆症診療ポケットマニュアル

    定価 3,960円(本体 3,600円+税10%)
    千葉優子
    東京都健康長寿医療センター臨床検査科部長/診療科長
    B6判変型・153頁
    ISBN978-4-7653-2059-7
    2025年07月 刊行
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    内科医の日常診療における骨粗鬆症の見つけ方、診断、治療のポイントをコンパクトにまとめました

    内容紹介

    骨粗鬆症の診療では世界的に、本来骨粗鬆症として診療・加療を受けなければならない人が診療を受けていないケアギャップ(care gap)が問題となっています。日本も例外ではなく、その治療率・治療継続率の低さが指摘されています。この問題に対応するには、内科医をはじめとするかかりつけ医が、どうやって骨粗鬆症を見つけて治療を始めるか、また、患者にどのように説明し、治療を続けてもらうかが重要であると考えます。

    本書は診療マニュアルとして、患者への説明・指導の仕方、患者のQOLを上げるコツをわかりやすくまとめています。内科での診療を念頭に、かかりつけ医が知っておくべき知識をわかりやすく説明し、日常診療における骨粗鬆症の見つけ方、診断、治療についてコンパクトに解説しています。気軽に診察室に置ける、あるいはポケットに入れられるサイズ感と、図表が多く視覚的に理解しやすい紙面で、忙しい診療の合間でもすぐに確認できる使いやすさを特長としています。骨粗鬆症をいち早く見つけ、適切な治療を始めましょう。

    序文

    はじめに

    骨粗鬆症は骨折をきたさないとつい見過ごされがちです。

    高齢化が進む我が国で、実は骨粗鬆症の方はたくさんいらっしゃいます。骨粗鬆症によって転倒や骨折を起こすと、ADLやQOLの低下をもたらし、さまざまな不都合が生じます。命にかかわることもあります。

    骨粗鬆症に関連する書籍は多数出版されていますし、ガイドラインも提示されています。しかし実際の診療現場で具体的にどうやって治療すれば良いのか、フォローはどうすれば良いのかがあまり広まっていないのも実情です。特にかかりつけ医や地域診療の現場では、骨折を認めてから整形外科に診療を依頼する経過が多い可能性もあります。

    骨粗鬆症の患者さんが、実は既に周りにいらっしゃるかもしれません。でも、「今診ている疾患の加療のほうが重要だから」「別に症状はないし、今すぐ何かする必要はなさそう」と、つい後回しになってしまうことも多いのではないでしょうか。

    日々内科系疾患を有する患者さんの診療を行っている先生方には、骨粗鬆症診療の必要性・重要性に気づいていただきたいと思います。治療を必要としている患者さんを早く見つけて骨折を防ぐ対策を行えば、健康寿命を延ばすことにもつながります。お忙しいとは思いますが、ぜひ注意を向けていただきたいと思います。

    この本は、「内科医師が骨粗鬆症診療を行う」目線で作成しました。なるべく具体的な対策や処方内容等をすぐに確認できるように心がけて記載しております。今後の先生方の診療の参考になれば幸いです。

    東京都健康長寿医療センター臨床検査科
    千葉優子

    目次

    目次
    はじめに

    第1章 骨粗鬆症とは

    1 骨粗鬆症の定義

    2 骨粗鬆症の発症機序
    1)原発性骨粗鬆症
    2)続発性骨粗鬆症

    3 骨粗鬆症患者の疫学

    4 骨粗鬆症で問題になること

    第2章 原発性骨粗鬆症の評価と診断

    1 外来での骨粗鬆症の見つけ方
    1)体型:やせている印象
    2)姿勢:円背、前かがみ
    3)問診のポイント

    - 症例① 外来でのやりとりで、骨粗鬆症・圧迫骨折を疑うよくあるパターン

    2 骨折・転倒リスクの評価
    1)FRAX®:10年以内に骨粗鬆症性骨折をする可能性15%以上は高リスク
    2)転倒リスクスコア(FRI):10点以上は高リスク

    - 症例② 患者へのFRAX®の説明、転倒の経験をチェックする問診例

    3)FRI簡易版:6点以上は高リスク

    3 検査オーダー
    1)胸腰椎2方向X線
    2)骨密度(bone mineral density:BMD)
    3)腰椎海綿骨構造評価(Trabecular Bone Score:TBS)
    4)血液/尿検査

    4 検査するときの注意点
    1)骨密度測定について
    2)血液・尿検査について

    第3章 薬物療法

    1 薬剤はいつから開始するべきか

    - 処方例①

    2 薬剤の種類

    3 薬剤の作用
    1)活性型ビタミンD3
    2)ビスホスホネート薬
    3)SERM
    4)抗RANKL抗体薬
    5)副甲状腺ホルモン薬
    6)抗スクレロスチン抗体薬
    7)カルシトニン薬

    - 処方例②

    4 薬剤選択のしかた
    1)活性型ビタミンD3
    2)ビスホスホネート薬
    3)SERM
    4)抗RANKL抗体薬
    5)副甲状腺ホルモン薬
    6)抗スクレロスチン抗体薬

    - 処方例③

    5 薬剤の効果を判定するには
    1)BMD測定
    2)骨代謝マーカーの測定
    3)胸腰椎のX線写真撮影、身長測定

    6 薬剤の切り替えの見極め
    1)SERM⇒ビスホスホネート薬
    2)ビスホスホネート薬⇒抗RANKL抗体薬
    3)抗スクレロスチン抗体薬(ロモソズマブ)⇒抗RANKL抗体薬(デノスマブ)/副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド)⇒抗RANKL抗体薬(デノスマブ)

    - 処方例④
    7 副作用とその対策
    1)活性型ビタミンD3薬使用時の高Ca血症
    2)抗RANKL抗体薬による低Ca血症
    3)慢性腎疾患(CKD)患者への対策
    4)骨吸収抑制薬関連顎骨壊死
    5)非定型大腿骨骨折
    6)SERMによる静脈血栓塞栓症

    第4章 食事療法と運動療法

    1 食事について聞かれたとき
    1)摂ってほしい食品~さまざまな種類の食品を摂ってほしい~
    2)摂りすぎ注意の食品~適当(「いいかげん」ではなく「良い加減」)が重要~

    2 ビタミンDの摂取方法
    1)食品
    2)日光浴

    3 転倒・骨折予防対策
    1)筋力とバランスの能力を高める運動
    2)住宅環境の整備
    3)薬剤の調整

    4 骨粗鬆症で推奨できる運動
    1)有酸素運動/レジスタンス運動:水中歩行など
    2)バランス運動/柔軟性運動:ヨガや太極拳など
    3)椅子に座ったままでできる筋力アップ運動

    5 サプリ(サプリメント:栄養補助食品)についての見解

    第5章 続発性骨粗鬆症の診療と対策

    1 よくみる内科疾患と骨粗鬆症との関係
    1)糖尿病
    2)慢性腎疾患(CKD)
    3)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
    4)関節リウマチ
    5)内科疾患治療薬と骨粗鬆症との関係

    - 症例③ 脳梗塞+皮膚筋炎+ステロイド使用+ステロイド糖尿病増悪の症例

    2 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症(glucocorticoid-induced osteoporosis:GIOP)

    - 処方例⑤
    3 その他の続発性骨粗鬆症

    第6章 入院中の転倒予防

    1 入院時スクリーニング
    2 多職種介入と対策
    1)転倒予防対策
    2)骨粗鬆症リエゾンサービス/骨折リエゾンサービス

    Tea Break
    宇宙飛行士も骨粗鬆症対策が必要!
    やせすぎモデルはご法度
    ウナギが骨粗鬆症治療に貢献
    脚立には乗らないで!

    索引
    著者プロフィール

    執筆者一覧

    ■著
    千葉優子 東京都健康長寿医療センター臨床検査科部長/診療科長

    トピックス

    ■2025-06-26
    臨床医学チャンネルCareNetVで好評連載中!!千葉優子「知らないと困る! 骨粗鬆症」

    知らないと困る!骨粗鬆症|CareNeTV

    CareNeTVの知らないと困る!骨粗鬆症の番組一覧。命に関わる重篤な傷病の原因となりえるにもかかわらず、国内患者の約8割が未治療だといわれる骨粗鬆症。あなたが普段診察している患者のなかにも潜んでいるかもしれません。このシリーズでは、内科医で骨粗鬆症外来担当の千葉優子先生が骨粗鬆症診療をイチから丁寧に解説。進歩している治療とその注意点、内科医が知っておくべき基礎疾患と骨粗鬆症の関係についてお教えします。骨粗鬆症患者を1人でも多く見つけ出し、適切な治療で骨折を防ぎましょう。

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