6STEPでデザインする 看護シミュレーション教育

  • 新刊
定価 3,740円(本体 3,400円+税10%)
編著野島敬祐
京都橘大学看護学部看護学科
政岡祐輝
国立循環器病研究センター医療情報部医療情報運用管理室/教育推進部
B5判・142頁
ISBN978-4-7653-1973-7
2023年12月 刊行
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授業・研修設計に必要な理論やモデルから考えられた秘訣を6ステップで紹介。この6ステップを参考に、効果的な勉強会の企画・運営を始めてみましょう!

内容紹介

医療現場で繰り広げられる現象は、数多くのシナリオや状況変化から成り立っています。これらは時に予測可能であり、時には突如として医療従事者の前に現れるものです。そのため様々な状況への対応力や実践能力が求められ、その向上にはシミュレーション教育が効果的であるといわれています。

少し前までの「学び」は、指導者が教える知識や技術を学習者が受け取るだけの受動的な一方通行の学習でした。しかし受け身的な学びでは、実際に現場で起こる多様な変化に対する対応力を育むには限界がありました。そのため、シミュレーション教育のように実際の現場に近い学習環境での経験がますます重要になっています。

そうした中で、指導する側にある看護師や看護教員にとっても、どのように効果的なシミュレーション教育をデザインするかが重要となり、学習者の成長を促す面では一つの大きな課題として立ちはだかっています。

本書は、そんな課題に立ち向かう方々のために、インストラクションデザインや教育理論の専門知識がなくとも、魅力的で効果的な勉強会を企画・運営できる秘訣を、6つのステップでお伝えします。

序文

保健・医療現場で繰り広げられる現象は、数多くのシナリオや状況変化から成り立っています。これらは時に予測可能で、時には突如として私たち医療従事者の前に現れるものです。
ひと昔前の「学び」は、情報を受け取るだけの一方通行だった時代もありました。そういった受け身的な学びは、実際の現場の多様な変化に対応する実践能力を育むには限界があることを、多くの専門家や教育者が指摘してきました。

しかし、現代の学びはダイナミックで、特に医療界においては、シミュレーション教育のように現実に近い学習環境での経験を重視するものとなっています。シミュレーション教育は現場で起こりうるあらゆるシナリオを経験することができます。

そうした中で、看護師や看護教員として、どのように効果的なシミュレーション教育をデザインするかが重要となり、学習者の成長を促す面では一つの大きな課題として立ちはだかっています。

この「6STEPでデザインする 看護シミュレーション教育」は、その答えを模索する方々のための一助として生まれました。インストラクションデザインや教育理論の専門知識がなくとも、魅力的で効果的な勉強会を企画・運営できる秘訣を、6つのステップでお伝えします。

本書はBasicとAdvanceの2段階構成となっており、初心者から経験者まで、それぞれのレベルに応じたヒントやテクニックを織り交ぜながら、基礎から応用までを網羅した内容となっています。Basicで確固たる土台を築いた後は、Advanceでさらなる深みを求めることができます。

看護の現場は日々進化し、新しい知識や技術を追い求めることが求められます。だからこそ、効果的な学習方法で知識や技術を吸収し、それを実践に活かすことが大切です。

皆様の学びが、本書を通じてさらに深まることを願っています。現場での経験と結びつけながら、最適なシミュレーション教育をデザインする旅に、お連れいたします。

京都橘大学看護学部看護学科准教授
野島敬祐

目次

第1章 シミュレーション教育をはじめよう

シミュレーション教育の基本的な知識
1.シミュレーション教育と医療教育
2.シミュレーション教育の良いところ
3.シミュレーション教育のタイプ
4.シミュレーション教育の基本的な一連の流れ

シミュレーション教育デザイン 6STEP

第2章 シミュレーション教育を準備しよう! —企画編—

STEP1 シミュレーション教育の適正を確認する 〈実施まであと1か月〉
Basic
1.シミュレーション教育の必要性を明確にする
2.シミュレーション教育企画と学習効果の費用対効果を考える

Advance
3.シミュレーション教育のニーズを分析する
4.シミュレーション教育に参加する学習者の状況を明確にする
- プラスα Instructional Designの構造モデル ADDIEモデル

STEP2 学習目標を明確にする 〈実施まであと3週間〉
Basic
1.学習課題からテーマに落とし込む
2.学習成果の目標分類を押さえておく
3.学習目標の設定からチェックリストを作成する
- プラスα ルーブリック評価利用時の注意点
4.シミュレーションの方法を決める

Advance
5.学習目標に、目標行動・評価条件・合格基準を定める
- プラスα 教育の設計順序

STEP3 シナリオを作成する〈実施まであと3週間〉
Basic
1.学習目標到達に適した対象事例を作成する
2.患者事例の情報の整合性を図りながら情報を追加する
3.シミュレーションの流れを想定しながら微調整する
- プラスα 知的技能のトレーニングの原則とコツ
4.シミュレーション・アウトラインを作成する
5.シミュレーション教育におけるアウトライン作成の必要性
6.シミュレーション教育におけるアウトライン作成の方法

Advance
7.デブリーフィングガイドを作成する
8.使えるデブリーフィングガイドを作成する
9.フレームワークの紹介
10.デブリーフィングガイドを使用する
11.シミュレーション教育で良質な学びを生み出す空間づくりを意識する
- プラスα エンゲストロームの探究的学習におけるID論 深い学びを誘う学習サイクル

STEP4 事前学習を設定する〈実施まであと2週間〉
Basic
1.学習者のレディネスの差を埋める事前学習を検討する
2.効果的な事前学習として適切な分量と教材を選択する

Advance
3.シミュレーション教育への学習意欲を高めるための事前学習を検討する

STEP5 学習環境を整える〈実施まであと1週間〉
Basic
1.シミュレーションの実施場所、日時を決める
2.シナリオを実演するために必要かつ利用できる物品をリストアップする
3.協力者を募り、依頼する
4.勉強会の案内をする

Advance
5.学習原理の適切性のチェック
6.学習者が積極的にシミュレーションに取り組める工夫をする
- プラスα 教育の公平性と質の担保
- プラスα 観察学習理論(Bandura A)

STEP6 リハーサルを実施する〈実施まであと3日〉
Basic
1.準備したシミュレーション教育プログラムのリハーサルをしてみる

Advance
2.まずは自分たちでチェックしてみる αテスト
3.他の人に試してもらうβテスト
- プラスα 教育に対する形成的評価
4.テストでの確認項目
- プラスα シナリオ教材

第3章 シミュレーション教育を開催しよう! —運営編—

シミュレーション教育の成功ポイント
1.始める前に
2.ブリーフィングセッション
3.シミュレーションセッション
4.デブリーフィングセッション
- プラスα アイスブレイクとは?

第4章 シミュレーション教育を振り返えろう! —評価編—

シミュレーション教育の評価をしよう
1.シミュレーション教育の評価の必要性
2.シミュレーション教育の評価のプロセス・目的・主体・対象・基準・方法の種類
3.シミュレーション教育における診断的・形成的・総括的評価
4.シミュレーション教育における学習成果
5.シミュレーション教育に教育実践・シミュレーションデザイン・研修・コース評価
6.組織評価

執筆者一覧

■編集
野島敬祐  京都橘大学看護学部看護学科准教授
政岡祐輝  国立循環器病研究センター医療情報部医療情報運用管理室室長/教育推進部副看護師長

■執筆者一覧(五十音順)
足立真実子 京都橘大学看護学部看護学科助手
岡田純子  京都橘大学看護学部看護学科准教授
奥野信行  京都橘大学看護学部看護学科教授
川村晃右  京都橘大学看護学部看護学科准教授
清水彩   大阪公立大学大学院看護学研究科准教授
西村礼子  東京医療保健大学医療保健学部・大学院医療保健学研究科准教授
野島敬祐  京都橘大学看護学部看護学科准教授
廣澤紀代  前京都橘大学看護学部看護学科助教
藤野ユリ子 福岡女学院看護大学看護学部教授/シミュレーション教育センターセンター長
船木淳   愛知医科大学医学部シミュレーションセンター講師
政岡祐輝  国立循環器病研究センター医療情報部医療情報運用管理室室長/教育推進部副看護師長
松本賢哉  京都橘大学看護学部看護学科教授
吉川由香里 福岡女学院看護大学看護学部講師

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