補完・代替医療
温泉療法
著 | 久保田一雄 |
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群馬温泉医学研究所所長/有限責任中間法人日本温泉気候物理医学会理事/元群馬大学医学部附属病院草津分院長 |
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内容紹介
本書の著者久保田一雄氏の研究テーマは「温泉を科学する」である。温泉療法を補完・代替医療の一つとして「温泉療法」を「医療」と捉え、そのエビデンス(科学的根拠)へのこだわりとともに、温泉の医学的作用についてひとつひとつ検証してきた温泉の科学が基礎的、臨床的研究を基に記載されている。
本書では、科学的根拠に基づいた温泉の医学的作用、つまり「現代の温泉考」について解説し、補完・代替医療としての温泉療法の可能性と問題点について述べた。科学的なデータを基にした解説と情報が多いからといって決して堅苦しい内容ではない。医学的側面、科学的根拠から泉質や医学的効用を述べながら、温泉の楽しみ方や正しい利用の仕方も分かりやすく記述してある。
温泉に対する認識を新たにするとともに、温泉への知的好奇心が深まる内容である。要所要所に挿入したSide Memo はまさに本書の中では温泉の役割をしてくれる息抜きにも匹敵する。ぜひご一読を!
温泉について正しい知識をもってもらうために多くの医療従事者、温泉好きの読者、あるいは温泉嫌いの読者の方にもお勧めする書である。
目次
1.はじめに
2.温泉とは
1)温泉の定義
2)温泉の分類 a.泉温による分類/b.液性による分類/c.泉質による分類
3.温泉の医学的作用
1)物理作用 a.温熱作用 b.静水圧、浮力および粘性
2)化学作用 a.血管に対する作用/b.皮膚に対する作用/c.いわゆる泉質ごとの効能について
3)総合的生体調整作用
4.草津温泉療法
1)草津温泉の歴史
2)成人型アトピー性皮膚炎 a.社会的背景/b.草津温泉療法の臨床的効果/c.草津温泉療法の作用機序/d.自然の妙味/e.高温泉浴とそう痒/f.スキンケア
3)乾癬
4)死海療法との比較
5)時間湯 a.時間湯とは/b.入湯法/c.深部体温、血圧、心拍数およびヘマトクリット/d.血小板と凝固・線溶系/e.βエンドルフィン/f.免疫能
5.海外の温泉事情
1)エクスレバン(フランス)
2)アバノテルメ(イタリア)
3)バーデンバーデン(ドイツ)
6.現代の温泉療法
1)現代版湯治 a.休養、保養および療養/b.温泉地での過ごし方/c.温泉療養の対象疾患
2)家庭で温泉浴を楽しむ-浴用剤の活用-
3)入浴の効用
7.安全入浴法
1)温泉地における血栓性疾患の発症
2)安全入浴法の提唱 a.一人で入らない/b.浴槽の蓋を活用し、事故防止を図る/c.更衣室と浴室の温度管理/d.入浴前後に水分補給/e.42℃以上の湯には入らない/f.水位は胸まで/g.朝の入浴は避ける/h.飲酒後は入浴しない
8.おわりに