これだけは知っておいてください! 腎臓の診療にすぐに役立つ63のQ&A 水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常に対応できるようになる!

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定価 4,400円(本体 4,000円+税10%)
杉本俊郎
滋賀医科大学総合内科学講座教授
A5判・194頁
ISBN978-4-7653-1987-4
2024年03月 刊行
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★2024年2月下旬 発売予定!★

水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常に対応できるようになるために、これだけは知っておいてください!

内容紹介

研修医や腎臓を専門としない内科医にとって、水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常は、その病態の理解が難しく、取り組まなければいけないけれども敬遠しがち、すなわち「腎生理に脅迫される」状況と著者は考えます。そのような医師の方々に向けて、水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常に対応するための最低限の知識を本書では提供します。

読者の方々が、読み進めやすいように、知りたいこと(Question)をズバッと言い切り(Answer)、簡潔な説明を加えてまとめがある、というQ&A形式のスタイルをとりました。

近年注目を集めている、心腎連関・心腎症候群(CRS)に始まり、腎機能検査・腎生理・電解質異常・輸液療法・利尿薬からなる6章の構成で、読者が知りたいQuestion(とAnswer)を厳選し63掲載しました。これだけを知っていただければ、水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常に対応できるようになるでしょう。

序文

はじめに

水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常への対応等は、教科書的には腎臓内科の分野に分類されていますが、日々の臨床の現場において、これらの問題に遭遇することはさけられないことから、全ての医療従事者が対応できるようになるべき分野であると私は考えています。そこで、私は、これまで、水電解質/酸塩基平衡異常を専門とする腎臓内科専門医として、研修医や専攻医(腎臓内科を専門としない)の若い先生方と実際の症例を一緒に対応しながら、彼らが、基本的な知識を得られるように努めてまいりました。しかし、残念ながら、彼らにとって、水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常は、その病態を理解し難く、敬遠しがちな分野であることを実感しています。所謂、「腎生理に脅迫される」という状況だと私は考えております。

以上のことから、「水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常に関する臨床的な問題点について解決可能となる最低限の知識を得る」ことを本書の目的としました。そして、私が、かつて研修医だった時に、毎晩、医局や病棟において、先輩の先生方から教えていただいたことを、紙上で再現することを試みました(このような学習機会は、医師の働きかた改革を推進すべき状況下において、今後は失われていくものと思われます)。よって、本書の記載は、今まで私が執筆した書籍と異なり、できる限り、簡潔かつ平易な記載になるように心がけたので、やや断言的な表現になっているかもしれません。また、現在、私は、地域の中核病院の総合内科医として、主に高齢者中心の診療にあたっており、うっ血性心不全と腎障害が併発している、所謂、心腎連関・心腎症候群(cardio-renal syndrome;CRS)の症例が多いことから、CRSにおける体液異常等に関する問題点について解説していることも、本書の特色だと思います。読者の先生方が、本書を通じて、実際の症例の水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常等への対応に役立てていただければと思います。

本書の執筆の機会を与えていただき、そして、遅筆な私を叱咤激励してくださった株式会社金芳堂浅井健一郎氏、黒澤健氏、推薦のお言葉を賜った島根大学医学部内科学講座内科学第一教授金崎啓造先生に心から感謝の意を表します。

最後に、私が研修医の時、滋賀医科大学附属病院の6C病棟において、水電解質/酸塩基平衡異常・腎機能の評価・体液量異常等への対応といった内科学・腎臓内科学の基本を手取り足取りご指導してくださった金沢医科大学名誉教授故古家大祐先生に本書を捧げます。

2024年1月末日
滋賀医科大学総合内科学講座教授
杉本俊郎

目次

■第1章 心腎連関
Q01 心腎連関症候群に対応するには、どうしたら良いですか?
Q02 急性うっ血性心不全の治療中に、腎機能障害(血清クレアチニン濃度の上昇)がみられた時の対応は?
Q03 急性うっ血性心不全における利尿薬の反応性の意義を教えて下さい
Q04 急性うっ血性心不全における利尿薬の作用の変化について教えて下さい
Q05 急性うっ血性心不全の治療における静脈内ループ利尿薬の最大投与量について教えて下さい
Q06 急性うっ血性心不全における利尿薬抵抗性の新しい考え方について教えて下さい
Q07 急性うっ血性心不全と慢性うっ血性心不全におけるループ利尿薬の使い方の違いについて教えて下さい
Q08 外来診療における利尿薬の使い方について教えて下さい
Q09 心腎連関症例を外来で管理中に血清クレアチニン濃度上昇、eGFRの低下がみられた時の対応について教えて下さい
Q10 心腎連関症例の減塩の意義について教えて下さい
Q11 腎機能に応じたうっ血性心不全に対するガイドラインに準拠した内科的治療について教えて下さい
Q12 利尿薬としてのSGLT2阻害薬の意義について教えて下さい
Q13 SGLT2阻害薬は尿路感染症を増加させますか?
Q14 MRAの最近の進歩について教えて下さい
Q15 心腎連関症候群における貧血への対応について教えて下さい
Q16 心腎連関症候群における鎮痛薬の使い方について教えて下さい

■第2章 腎機能検査
Q17 水電解質異常の病態の鑑別に必要な尿細管機能の簡単なみかたについて教えて下さい
Q18 電解質異常の診療に役立つ随時尿を用いた検査について教えて下さい
Q19 急性腎障害の成因の診断に尿中Na排泄率は有用ですか?

■第3章 腎生理
Q20 Na・水・Kの腎尿細管における輸送について教えて下さい
Q21 体液量異常、水代謝異常の基本的な考え方について教えて下さい
Q22 Na代謝に関する新しい考え方について教えて下さい
Q23 腎臓以外でのKの代謝について教えて下さい
Q24 遠位曲尿細管において、K・Clが、Naの再吸収に及ぼす効果について教えて下さい
Q25 アルドステロンパラドックスについて教えて下さい
Q26 遠位ネフロンの構造・生理的機能の最近の考え方について教えて下さい
Q27 尿細管機能における尿素の役割について教えて下さい
Q28 Berliner–Davidson effectについて教えて下さい
Q29 高齢者の腎・尿細管機能の変化について教えて下さい

■第4章 電解質異常
Q30 高Na血症への対応の考え方の基本について教えて下さい
Q31 低Na血症への対応の考え方の基本について教えて下さい
Q32 入院高齢者における低Na血症への対応について教えて下さい
Q33 食事による低Na血症の改善の方法について教えて下さい
Q34 低Na血症に、NaClを添加することは有用ですか?
Q35 低Na血症の原因精査のために、ACTH負荷試験が行われますが、注意点を教えて下さい
Q36 血清K濃度異常への対応の基本について教えて下さい
Q37 K代謝が骨格筋に及ぼす影響について教えて下さい
Q38 腎障害時の腸管でのK分泌の意義について教えて下さい
Q39 新規経口K吸着薬について教えて下さい
Q40 慢性腎臓病において、高K血症の予防のために、K摂取制限をすべきですか?
Q41 高Ca血症への対応について教えて下さい
Q42 低Ca血症への対応の基本について教えて下さい
Q43 リン代謝の異常への対応の基本について教えて下さい
Q44 Mg代謝異常のポイントについて教えて下さい
Q45 酸塩基平衡異常の診断に有用な検査について教えて下さい
Q46 代謝性アシドーシスに対する基本的な考え方について教えて下さい
Q47 代謝性アシドーシスのアルカリ補正の基本について教えて下さい
Q48 代謝性アルカローシスに対する基本的な考え方について教えて下さい
Q49 呼吸性の酸塩基平衡異常の特徴について教えて下さい

■第5章 輸液療法
Q50 輸液療法の考え方の基本について教えて下さい
Q51 維持輸液の意義について教えて下さい
Q52 急性期輸液の施行中に注意すべきことは何ですか?
Q53 急性腎障害における輸液の原則について教えて下さい
Q54 敗血症における輸液の考え方について教えて下さい
Q55 急性膵炎における初期輸液で注意すべき点について教えて下さい

■第6章 利尿薬
Q56 利尿薬併用の考え方について教えて下さい
Q57 ループ利尿薬の反応性の新しい指標について教えて下さい
Q58 急性期の病態(急性うっ血性心不全・急性腎障害等)で、ループ利尿薬によりNa利尿が得られる意義について教えて下さい
Q59 利尿薬ブレーキ現象と、利尿薬抵抗性の違いについて教えて下さい
Q60 利尿薬抵抗性への対応について教えて下さい
Q61 ループ利尿薬に、サイアザイド系利尿薬を追加する意義について教えて下さい
Q62 サイアザイド系利尿薬は、eGFR<30mL/分/m2の症例に対しては、降圧効果・体液減少効果がないのでしょうか?
Q63 急性腎障害における利尿薬の使い方について教えて下さい

■コラム
CKD患者の代謝性アシドーシスに対する食事療法
なぜ、何でもSGLT2阻害薬は有効なのか? その1
利尿薬による低Na血症
尿の生化学検査、尿中電解質濃度の正常値が検査結果に記載されていない訳
NSAIDsは鎮痛薬でなく、抗炎症薬である
非ステロイド系MRA(ns-MRA Finerenone;フィネレノン)による高K血症の予防
低Na血症における浸透圧性脱髄疾患(ODS)は稀な疾患なのか?
ループ利尿薬とサイアザイド様利尿薬の併用に関して
なぜ、何でもSGLT2阻害薬は有効なのか? その2
心不全におけるファンタスティック4の意味
血液ガスの機械にはオキシメトリーが併装されていることの確認を

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■著
杉本俊郎 滋賀医科大学総合内科学講座教授

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