心不全・心機能アカデミーpresents トップランナーが語る 心不全診療のプリンシプル

    定価 3,960円(本体 3,600円+税10%)
    編著大西勝也
    大西内科ハートクリニック院長
    A5判・160頁
    ISBN978-4-7653-1942-3
    2023年03月 刊行
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    心不全パンデミックの最前線で戦うプロフェッショナルの声を聞け! 心不全診療のトレンドをつかむ全6章。人気YouTube チャンネル「心不全・心機能アカデミー」で好評の対談が、待望の書籍化!

    内容紹介

    多様な病態をもつ心不全をどのように診療すればよいか? トップランナーがそのプリンシプル(原理原則)を本音で語る! 医師・医療従事者に人気のYouTubeチャンネル『心不全・心機能アカデミー』で収録した対談をベースに、心機能・新規治療薬・HFpEF・緩和医療といったホットなトピックを中心に、臨床に活かせる実践的な内容を盛り込みました。心不全診療の最新のトレンドにくわえ、トップランナーの哲学がつかめる最強の一冊。各項目は、ライブ感あふれる対談と重要用語の解説で構成。それぞれYouTubeの対談動画に対応しています(QRコード付き)。

    本書の編著者・大西勝也先生のYouTubeチャンネルはこちら

    心不全・心機能アカデミー

    好評姉妹本

    心不全・心機能アカデミーpresents トップランナーが語る 心不全診療のプリンシプル2 – 株式会社 金芳堂

    序文

    “If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.”
    — Sir Isaac Newton

    超高齢社会に伴い、循環器疾患が急増しており、その中でも心不全の増加は社会的な問題となってきています。心不全は、心不全を中心に診療している循環器専門医だけではなく、虚血や不整脈を中心に診療している循環器専門医、さらにはかかりつけ医が対応する必要があるようになってきています。

    心不全診療を悩ませる原因の一つとして、病態の多様性が挙げられます。虚血性心疾患や糖尿病などの基礎疾患、腎機能障害などの併存症、左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)など、いずれも患者ごとに異なり、アプローチを困難としています。最近、サクビトリルバルサルタン(ARNI)、SGLT2阻害薬、イバブラジン、ベルイシグアトのような新規治療薬が続々と開発されました。それらの薬剤を用いた大規模臨床試験が実施され、従来の標準治療とされていたACE阻害薬、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)に加えることにより、心血管死、心不全の入院、心不全の増悪をさらに抑えることが報告されました。それを踏まえ、2021年から2022年にかけ、欧州や米国、日本のガイドラインが大きく改定されました。

    このようにどんどん進化していく心不全診療を、心不全を専門とする循環器専門医だけではなく、かかりつけ医やさらには薬剤師や看護師など心不全診療に携わる医療従事者に理解していただきたいと考え、私は『心不全・心機能アカデミー』というYouTubeチャンネルを開設しました。

    そのチャンネルには、心不全の基本的な診療・治療・併存症を解説する「心不全編」、私の専門の心血行動態・心機能を解説する「心機能編」、患者向けの「患者様編」、新規心不全治療薬やガイドラインの解説を行う「TOPICS編」、具体的な仮想症例を提示し治療方針を解説する「症例編」に加え、心不全の日本のトップランナーに心不全のお話を伺う「対談編」があります。

    その対談編の中で、①新規心不全治療薬、②LVEFの保たれた心不全(HFpEF)、③緩和医療について、それぞれの分野のエキスパートの先生方に伺ったお話のエッセンスを、今回書物としてお届けすることとなりました。教科書的な内容だけではなく、それぞれの先生方の歩んで見えた道や哲学も垣間見えて、興味深い内容になったのではないかと思います。皆様の心不全治療の一助となることを祈願いたします。

    2023年2月
    心不全・心機能アカデミー
    大西内科ハートクリニック
    大西勝也

    目次

    序章 心不全分類の考え方とトレンド 大西勝也

    第1章 心不全治療を理解するための心機能
    1 新規心不全治療薬の心血行動態に及ぼす影響 坂本隆史×大西勝也

    第2章 心不全治療の考え方
    2 心不全治療薬から心不全を考える 佐藤直樹×大西勝也
    3 心不全の標準治療薬をどのように選択するか? ~心不全の診察・治療~ 猪又孝元×大西勝也

    第3章 新規心不全治療薬をどう選択するか?
    4 新しい心不全治療薬をすべて投与すべきか? 筒井裕之×大西勝也
    5 心不全におけるナトリウム利尿ペプチドの意義 斎藤能彦×大西勝也
    6 糖尿病併存心不全に対する心不全治療薬・糖尿病薬の考え方 野出孝一×大西勝也
    7 心不全におけるcGMPの役割 室原豊明×大西勝也

    第4章 HFpEFの診断・治療をどう考えるか?
    8 LVEFで心不全を分類すべきか? 瀬尾由広×大西勝也
    9 HFpEFのエコー診断、HFpEFの左室拡張能障害の評価の仕方 土肥薫×大西勝也
    10 HFpEFの問題点 坂田泰史×大西勝也
    11 HFpEFをどう理解するか 山本一博×大西勝也

    第5章 緩和医療
    12 心不全の緩和医療とは? 大石醒悟×大西勝也
    13 緩和ケアの実践 柴田龍宏×大西勝也

    執筆者一覧

    ■編著
    大西勝也 大西内科ハートクリニック院長

    ■執筆者(五十音順)
    猪又孝元 新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学主任教授
    大石醒悟 兵庫県立はりま姫路総合医療センター循環器内科
    斎藤能彦 奈良県立病院機構奈良県西和医療センター総長
    坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
    坂本隆史 九州大学病院循環器内科助教
    佐藤直樹 かわぐち心臓呼吸器病院循環器内科部長・内科統括部長・副院長
    柴田龍宏 久留米大学病院高度救命救急センターCCU/心臓・血管内科
    瀬尾由広 名古屋市立大学大学院医学研究科循環器内科学主任教授
    筒井裕之 九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授
    土肥薫  三重大学大学院医学系研究科循環器・腎臓内科学教授
    野出孝一 佐賀大学循環器内科主任教授・内科主任教授
    室原豊明 名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
    山本一博 鳥取大学医学部循環器・内分泌代謝内科教授

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