よくある副作用症例に学ぶ 降圧薬の使い方
-高血圧治療ガイドライン2014対応- 第4版

    定価 3,520円(本体 3,200円+税10%)
    後藤敏和
    山形県立中央病院院長
    鈴木恵綾
    山形県立中央病院内科医長
    A5判・250頁
    ISBN978-4-7653-1649-1
    2015年10月 刊行
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    降圧薬の副作用症例を提示して解説を加えたわかりやすさで定評のある指南書.

    内容紹介

    降圧薬治療では、つい使い慣れた薬を処方しがちである。本書はさまざまな副作用症例を提示して丁寧な解説を加えたわかりやすさで定評のある指南書。著者が副作用の少ない降圧薬の処方を追及していく過程は、さながら専門医の診療を間近に診る臨場感に溢れており、何年にも及ぶ患者の診療は物語でもある。

    今回の改訂では「高血圧治療ガイドライン2014」に沿って刷新し、最新薬剤情報にup to dateし、症例を大幅に入れ替えた。新たに「漢方薬の使い方」「著者の頻用薬」を加え、降圧薬処方に関しては他の追随を許さぬ1冊となっている。

    序文

    本書は2002年に初版が刊行され、2005年、2010年と2回改訂されました。この間、多くの開業医・研修医・薬剤師の方々から、“わかりやすい”“服薬指導に最適で、症例の記載には臨場感がある”“物語を読んでいるようで、全く苦にならずあっというまに読んでしまった”と評され(一読者からの手紙、次頁参照)、インターネット書店の読者評価で“五つ星”を2回頂きました。初対面の読者の先生より講演を依頼され、他県に出向いたこともありました。今回5年ぶりの改訂が実現したのも、読者の方々の評価のおかげと感謝しております。

    昨年、日本高血圧学会から「高血圧治療ガイドライン2014」が発表されました。素晴らしいガイドラインだと思います。改訂4版ではガイドライン・症例の解説も2014年版に合わせ、症例も一部入れ替えました。53頁の症例、症例6、症例53は著者自身であります。

    私が管理職になって以来、高血圧の入院患者さんの主治医を一手に引き受けてくれている当院内科医長、鈴木恵綾先生は漢方薬に造詣が深く、高血圧治療における漢方薬の使い方につき新たに解説して頂きました。 本書が医療従事者のお役にたち、ひいては高血圧の患者さんが副作用に煩わされない快適な生活を過ごされますことを願っております。

    今回の改訂でも、金芳堂編集部の村上裕子さんには格別にお世話になりました。感謝申し上げます。

    2015年6月
    緑麗しい蔵王連峰、地蔵岳を仰ぎつつ
    山形県立中央病院院長
    後藤敏和

    目次

    第1章 降圧薬の使い方のヒント

    第2章 高血圧患者の診察・検査
    1.目的
    2.診療の実態

    第3章 高血圧治療ガイドライン2014年版について
    1.高血圧治療ガイドライン2014年版
    2.血圧分類(正常域血圧・高血圧の定義)
    3.高血圧患者の心血管病リスク層別化
    4.初診時の高血圧管理計画
    5.降圧薬の積極的な適応と禁忌
    6.降圧目標
    7.日常診療上重要な病態における診療指針
    8.降圧薬の併用療法および治療抵抗性(難治性)高血圧症に対するアプローチ

    第4章 症例から考える降圧薬の使い方
    1.血圧とは?
    2.降圧薬の作用機序
    1.Ca拮抗薬(カルシウム拮抗薬)
    [症例1a,b,c]ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬1剤のみで、長期にわたり良好な血圧調節が得られた3症例
    [症例2]長時間作用型Ca拮抗薬により下腿浮腫が出現した症例
    [症例3]ジルチアゼム(ヘルベッサーR)によりⅡ度房室ブロックを来した症例
    [症例4]血管拡張薬(硝酸薬・ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬)が、経過に悪影響を与えてきたと考えられる肥大型閉塞型心筋症(HOCM)例
    [症例5]ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬により歯肉肥厚を生じた症例
    [症例6]イトラコナゾール(イトリゾールR)内服により、アゼルニジピンの血中濃度が上昇し血圧低下を来した症例.
    2.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)1
    1 ロサルタン(ニューロタンR)
    [症例7]オルメサルタン(オルメテックR)からロサルタン(ニューロタンR)に変更し、尿酸は低下したものの血圧が上昇してきた症例
    2 カンデサルタン(ブロプレスR)
    [症例8]ARB単剤で良好に降圧した症例
    [症例9]多剤併用にARBを追加し、著明な降圧をみとめた悪性高血圧症
    [症例10]ARB投与により、蛋白尿が著明に減少した糖尿病性腎症例
    [症例11]ARB・Ca拮抗薬の併用にサイアザイド系利尿薬を加えて良好な血圧調節が得られた症例
    3 バルサルタン(ディオバンR)
    [症例12]ARB単剤で長期にわたり良好な降圧が得られた症例
    [症例13]Ca拮抗薬とARBの併用で良好な血圧調節が得られた症例
    [症例14]ARBとCa拮抗薬の併用が著効を呈した症例
    4 テルミサルタン(ミカルディスR)
    [症例15]ARB(テルミサルタン)が血圧調節に著効を呈した透析症例
    5 オルメサルタン(オルメテックR)
    [症例16]バルサルタン(ディオバンR)からオルメサルタン(オルメテックR)に変更し著明な降圧を認めた症例
    [症例17]ARBが投与後早期から著効を呈した若年性高血圧症
    [症例18]ARB(オルメサルタン)投与により過度の降圧を認めた悪性高血圧症
    [症例19]ARB投与による過度の降圧によ
    り意識喪失を来したと考えられる症例
    [症例20]Ca拮抗薬とARBとの併用で良好な血圧調節が得られた症例
    6 アジルサルタン(アジルバR)
    [症例21]早朝高血圧にアジルサルタン就寝前投与が有用であった症例
    3.アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
    [症例22]ACE阻害薬による咳嗽をはじめ、副作用が多く発現した症例
    [症例23]ACE阻害薬により喉頭浮腫を来した症例
    [症例24]ACE阻害薬が著効を呈したレニン産生腫瘍(傍糸球体細胞腫)
    [症例25]ACE阻害薬を投与しショックとなった症例
    [症例26]消炎鎮痛薬投与によるACE阻害薬の降圧効果の減弱
    4.降圧利尿薬
    [症例27]サイアザイド系利尿薬による痛風の発症例
    [症例28]グリチルリチン製剤と利尿薬併用による偽性アルドステロン症例
    [症例29]利尿薬を強力なものに変更し、血圧調節が良好となった、難治性高血圧症
    5.β遮断薬(βブロッカー)
    [症例30]β遮断薬により心不全を来した症例
    [症例31a,b]β遮断薬により、冠血管攣縮を誘発したと考えられる症例
    [症例32]β遮断薬により悪夢を生じた症例
    [症例33]β遮断薬とジヒドロピリジン系Ca拮抗薬の併用で良好な血圧調整が得られた若年男性の本態性高血圧症.
    [症例34]ISAを有するβ遮断薬により、筋攣縮を来した症例
    [症例35]β遮断薬により気管支炎による呼吸困難を悪化させた症例
    [症例36]妊婦に安全とされる薬剤を組み合わせて妊娠・出産に導いた高血圧症
    6.α遮断薬(αブロッカー)
    [症例37]α遮断薬によるファーストドーズ・フェノミナンと思われた症例
    7.アルドステロン拮抗薬
    [症例38]スピロノラクトンが著効を呈した特発性アルドステロン症例
    [症例39]エプレレノンが著効を呈した原発性アルドステロン症例
    [症例40]スピロノラクトンが著効を呈し、エプレレノンに変更したところ血圧の上昇を認めた原発性アルドステロン症例.
    [症例41]エプレレノン追加投与が降圧に著効を呈した症例
    [症例42]スピロノラクトンからエプレレノンに変更したところ血圧が上昇しカリウムも上昇した大動脈解離術後の難治性高血圧症
    [症例43]アルドステロン拮抗薬・ARB・β遮断薬の併用で高カリウム血症を来し、洞停止に至った症例
    8.中枢性交感神経抑制薬
    [症例44]αメチルドパによる肝障害例.
    [症例45]αメチルドパによる発熱
    9.直接的レニン阻害薬
    10.ラウオルフィア製剤
    11.ARB/サイアザイド合剤、ARB/Ca拮抗薬配合剤
    [症例46]Ca拮抗薬とARBの併用で降圧不十分で、ARBをARB/サイアザイド合剤に変更し良好な血圧調節が得られた症例
    [症例47]ARBとCa拮抗薬併用で降圧不良の症例に、ARBをロサルタン・ヒドロクロロチアジド合剤(プレミネントR)に変更したところ日中の過度の降圧を認めた症例
    [症例48]少量のサイアザイド系利尿薬追加により尿酸値が上昇し、プレミネントRに変更後低下した症例
    12.多剤併用
    [症例49]多剤併用による降圧により臓器障害が軽快し、予後が改善された悪性高血圧症

    第5章 早朝高血圧の治療
    1.早朝高血圧の病態
    2.早朝高血圧の治療についてのこれまでの報告
    1.α遮断薬
    2.交感神経中枢抑制薬
    3.長時間作用型Ca拮抗薬
    4.RA系阻害薬
    3.早朝高血圧の治療法-著者の考え-
    [症例50]早朝高血圧にアムロジピン就寝前追加投与が著効を呈した症例
    [症例51]早朝高血圧にアムロジピンの就寝前分割投与が著効を示した症例
    [症例52]早朝高血圧に就寝前のニフェジピン徐放剤(アダラートCRR)追加投与が著効を呈した症例
    [症例53]早朝高血圧に対し、ARBを3種変更するも無効で、アゼルニジピンの就寝前投与が著効を呈した症例
    [症例54]早朝高血圧にドキサゾシン就寝前追加投与が著効を呈した症例
    [症例55]モーニング・サージにドキサゾシン(カルデナリンR)の就寝前投与が著効を呈した症例
    [症例56]早朝高血圧にドキサゾシン就寝前投与が無効であった症例
    [症例57]ドキサゾシンの就寝前投与が無効であった早朝高血圧にグアンファシン(エスタリックR)の就寝前投与が著効を呈した症例
    [症例58]早朝高血圧にテルミサルタン就寝前分割投与が有効であった症例

    第6章 高血圧治療薬における漢方薬の役割
    [症例59]抑肝散と八味地黄丸の内服により安定した血圧コントロールとなった症例
    [症例60]葛根湯投与により、著明な頭痛が改善し、血圧コントロール良好となった高血圧切迫症例
    [症例61]柴胡加竜骨牡蠣湯投与により、不安感と血圧上昇発作が改善した症例

    付録1 主な降圧薬(2015年8月現在)
    付録2 著者(後藤)の頻用薬

    執筆者一覧

    ■著者
    後藤敏和 山形県立中央病院院長
    鈴木恵綾 山形県立中央病院内科医長

    トピックス