苦手意識解消! 在宅整形・在宅リハビリ

    定価 3,960円(本体 3,600円+税10%)
    飯島治
    いいじまホームクリニック
    A5判・200頁
    ISBN978-4-7653-1939-3
    2023年02月 刊行
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    訪問診療のよくある事例をストーリー化 在宅での筋・骨格トラブル対応を大公開!

    内容紹介

    超高齢社会に伴い、在宅で患者を診るケースも増えてきています。厚生労働省も、在宅医療や介護を進めようという方針。また、新型コロナウイルスの影響で、在宅医療のニーズは増加し、地域・病院・診療所間の連携について注目が集まるようになっています。

    在宅医療の中で、整形疾患に出合う場面は多いですが、苦手意識を持つ医師や医療従事者も少なくありません。特に看護師・理学療法士は学校を出てすぐに在宅医療の世界に入ってくる方も増えており、悩みを解決できずに困り、医師に相談するケースも増えています。

    本書は、在宅医療に携わる医師・看護師・理学療法士(PT)、作業療法士(OT)等の医療従事者向けに、訪問診療のよくあるトラブルをストーリー化して紹介。登場人物たちの会話をじっくりと読めば、在宅医療の現場で出合う整形疾患への理解が深まることはもちろん、現場でのトラブル対応にも役立ちます。また、太字やポイントの流し読みだけでも、本書の概要がつかめるように工夫されています。

    そっと背中を押してくれるような、著者の体験談も惜しげなく盛り込まれているので、在宅整形や在宅リハビリの苦手意識を払拭できるはず!

    序文

    私は整形外科専門医かつ元ペインクリニック専門医です。そんな特殊性から、2001年に訪問クリニックを始めた頃は、約3割がリウマチ関連疾患の患者さんでした。

    ところが、令和の現在は、オーバー90歳の患者さんがメインとなり、「あっちが痛い」「こっちが痛い」「また転んだ」「もう歩けない」などの対応で、てんてこまいです。

    本書の目標は、「在宅での筋・骨格トラブルに対応できるようになる」です。そのために、「困惑度」の高い事例を抽出し、患者さん宅でよく話題になる会話を加えました。ストーリーは、在宅現場で起こるトラブルを、患者さん、その娘さん、私の3人で解決していく、という流れです。

    対象読者は、訪問診療に興味を持ってくれている若手医師・看護師・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)、そして現場で在宅に関わっている実践者の皆さんを想定しました。本書の特徴は、スマートフォンでは解決できないトラブルが起こることです。それにどう対応すべきかを、私の経験を踏まえ具体的に提示しました。

    時間がない人は、目次と本文の太文字と<ポイント>に目を通してみてください。それだけで、本書の概要がつかめるようにしました。それでは、開演です。しばし「超高齢病」×「筋・骨格系」の世界をお楽しみください。

    2023年1月25日
    いいじまホームクリニック
    飯島治

    目次

    はじめに
    登場人物

    本編

    第1話 「腰が痛いの」腰の話
    腰椎圧迫骨折、発生!
    まず診断(その1)背中お絵描きのすすめ
    まず診断(その2)打腱器で診断、打音法のすすめ
    まず診断(その3)レントゲンに勝る診断精度
    治療開始(その1)とりあえず軟性コルセット
    治療開始(その2)いつから起き上がれるのか
    治療開始(その3)ベッドアップは20度まで
    ベッド上安静1日目(その1) せん妄予防あれこれ
    ベッド上安静1日目(その2)
    - 事務手続きとグリセリン浣腸
    ベッド上安静1日目(その3)
    - 痛みを抑える骨粗鬆症薬
    ベッド上安静2日目(その1) リハビリ開始の手順
    ベッド上安静2日目(その2) セメント手術の適応とは
    ベッド上安静4日目 お勧めのツボ、足三里
    ベッド上安静7日目 リハビリとしてのツボ活用
    ベッド上安静2週 不満爆発の対応法
    ベッド上安静3週 いよいよ起き上がり
    ベッド上安静3.5週 装具屋さん登場、コルセット採寸
    ベッド上安静4週 離床への環境整備
    ベッド上安静5週 ついに歩き出し、慎重かつ大胆に
    ベッド上安静6週 完全復活に向けて、生活動作を
    腰の注射 覚えるのは一つだけ、大腸兪の筋膜に

    第2話 「転んで痛めたの」外傷の話
    肋骨骨折は2か月で完治する
    骨折の見分け方のコツ、折れやすい場所を知っておく
    訪問医は大腿骨頸部骨折では困らない!?
    滑液包は穏やか
    頭部外傷と慢性硬膜下血腫の現況
    頭部外傷におけるCT 撮影の落としどころ
    在宅外傷の心得、慌てるべからず

    第3話 「あちこち痛いの」お年寄りの痛みの話
    偽痛風は既往が大切
    肩痛の対処法
    大腿外側痛は坐骨神経痛ではない、それは腸脛靭帯炎
    腰部脊柱管狭窄症は後遺症を診る!?

    第4話 「ベッドに戻れないの」ベッドに戻る方法の話
    ラッコ背面跳び法
    バックドロップ法
    ジャンピングトライ法、尺取り虫法、ハイハイ法

    第5話 「膝が痛いの」膝の話
    在宅的ヒアルロン酸注射
    模型で復習
    注射のコツ
    膝伸展位での注射法
    穿刺と注射は全然違う!
    膝関節水腫、どうすればいいの?

    第6話 「リハビリを教えて」在宅リハビリの話
    在宅リハビリは現場で学べ
    転倒分析と予防と対処
    歩行器は良い!

    第7話 「孫が在宅開業するの」訪問診療のコツの話
    訪問診療のコツあれこれ
    僕は開業するあなたへ武器を配りたい

    番外編

    1.おすすめの尿カテーテル紹介
    2.究極救急
    大地震が迫っている……。
    ほことって(歩・呼・橈・手)、2秒トリアージ法
    3.がん看取り
    トイレに行けなくなったら、余命1週間!?

    おわりに:得意技としての在宅整形・在宅リハビリ
    索引
    著者プロフィール/謝辞

    執筆者一覧

    ■著
    飯島治 いいじまホームクリニック

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