初学者にも、ベテランにも役立つ音楽療法 効果・やり方・エビデンスを知る
第4版

    定価 2,420円(本体 2,200円+税10%)
    編著高橋多喜子
    音楽療法R&Dセンターセンター長・医学博士
    A5判・134頁
    ISBN978-4-7653-1879-2
    2021年10月 刊行
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    音楽療法のやり方・効果・エビデンスをこの1冊に! 『補完・代替医療 音楽療法』が新たな執筆者を迎え、書名も新たにリニューアル!

    内容紹介

    2006年の発行以来、改訂を重ねていた『補完・代替医療 音楽療法』。本書は、音楽療法の生み出す心理学的・生理学的効果について様々な研究結果をもとに解説し、また具体的な実践方法や成功のポイントまで、音楽療法の流れをまとめたものであった。

    『補完・代替医療 音楽療法』の初版発行からこれまでの間、医療・看護における音楽への関心は高まり、音楽療法は、高齢者や障害児、精神疾患を抱える患者などをはじめ、幅広い分野で取り入れられるようになってきた。それに伴い、音楽療法士の国家資格化・音楽療法の保険点数化の声も生まれ、需要は高まってきている。

    この度、新たな執筆者を迎え、書名も新たに『初学者にも、ベテランにも役立つ音楽療法 効果・やり方・エビデンスを知る』(第4版)としてリニューアルした。音楽療法の需要が高まるなか、音楽療法士だけでなく、看護学生、看護師、医療従事者にも知ってほしい音楽療法の知識をここに集約した。音楽療法のやり方や効果、エビデンスをまとめ、実際の臨床に役立つ1冊となっている。また、ホスピス・緩和ケアにおける音楽療法セッションの映像付き。


    ■参考動画■
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    P.82 グループセッションの様子
    P.83 76歳男性、肺がんA氏のケース
    P.83 78歳女性、子宮がんから多臓器転移のB氏のケース
    P.86 65歳女性、ALSのC氏のケース

    序文

    この『初学者にも、ベテランにも役立つ音楽療法 効果・やり方・エビデンスを知る』(第4版)は『補完・代替医療 音楽療法』(第3版)を引き継ぎ、音楽療法士ばかりでなく、医療系従事者、看護師に対象を拡大するべく改訂したものです。そのため編著という形になっています。また緩和医療の領域は、わかりやすく理解できるように音楽療法セッションの内容が映像でもご覧いただけます。

    『補完・代替医療 音楽療法』は初版が2006年12月、第2版が2010年4月、第3版が2017年3月ですから、この本は第3版から4年が経過しています。その間、医療、看護における音楽への関心は高まってきたように思います。第3版の序では、障害児領域でのエビデンスの量が格段に増えたことを申し上げましたが、今回は、エビデンスに関して、コクランは当然ながら、PubMedでも、個々の論文というより、無作為ランダム化試験のレビューという形が多くなりました。それだけ世界でのエビデンスの量が増え、質も高くなってきたと考えられます。

    医療系従事者、看護師の皆様方にはこの本を使って、音楽のリラクセーション効果など、ご自分の健康に、そして、ご自分の臨床に役立ててほしいと思います。皆様の活動にこの本が参考になればとても幸せです。

    翻って、私たち音楽療法士はもっと音楽療法効果に着目して音楽療法を行っていかなければなりません。自分の行った音楽療法が、クライエントにどのような効果をもたらすのか、音楽療法士はアートの世界で芸を披露するのではなく、科学の世界で自分の臨床について考えていかなければなりません。

    私が長年行ってきました認知症予防の研究は、「二重・三重課題、記憶課題など認知課題を取り入れた音楽療法は、高齢者参加者の前頭葉機能を賦活する」という結果になりました。ではMCI(軽度認知症)ではどうなのかという研究も浮かび上がってきますが、まずはコロナ禍でまったくできなかった「痛み」についての研究から進めて、痛みの機序を解明したいと考えています。最後になりましたが、金芳堂の西堀智子さんには大変お世話になりました。いろいろ相談にのっていただきました。校正に関しましては、一堂芳恵さんに大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。

    2021年8月
    高橋多喜子

    目次

    chapter1 わが国における音楽療法の現状

    chapter2 音楽療法の歴史
    ①音楽療法の起源、古代文明における音楽と治療
    ②中世、ルネサンス以降の音楽と癒し
    ③音楽療法の発達

    chapter3 音楽療法の定義・形態・対象
    ①定義
    ②形態
    ③対象

    chapter4 高齢者への音楽療法
    ①人口高齢化の現状
    ②認知症
    ③認知症患者に対する心理社会的アプローチ
    ④認知症高齢者に対する音楽療法-なじみの歌法
    ⑤認知症高齢者に対する音楽療法の効果
    ⑥認知症高齢者に対する音楽療法の実際
    ⑦認知症予防音楽療法
    ⑧認知症予防音楽療法の実際

    chapter5 障害児への音楽療法
    ①特別支援教育
    ②特別支援教育とインクルーシブ教育
    ③障害児に対する音楽療法アプローチ
    ④障害児に対する音楽療法の効果
    ⑤障害児に対する音楽療法の実際

    chapter6 精神障害者への音楽療法
    ①薬物療法と心理社会療法
    ②音楽療法における認知行動療法的アプローチ
    ③GIM(音楽によるイメージ誘導法)
    ④統合失調症患者に対する音楽療法の効果
    ⑤統合失調症患者に対する音楽療法の実際

    chapter7 医療現場での音楽療法
    ①薬物療法と心理社会療法
    ②緩和ケアでの音楽療法
    ③ホスピス、緩和ケアでの音楽療法の効果
    ④ホスピス、緩和ケアでの音楽療法の実際
    ⑤ALSと音楽療法

    chapter8 音楽療法におけるEBMとNBM

    chapter9 音楽療法・音楽療法士の今後の問題

    chapter10 看護と音楽療法
    ①看護師が音楽療法を学ぶ意義
    ②音楽での変化をどのように観察するのか
    ③音楽を使った看護師自身のセルフケア

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    参考文献
    索引

    Side Memo
    北帰行① ―昏睡状態でも音楽は聴こえている―
    北帰行② ―3拍子と4拍子―
    北帰行③ ―ヨナ抜き音階考―

    執筆者一覧

    ■編著
    高橋多喜子 音楽療法R&Dセンターセンター長・医学博士

    ■著
    中山ヒサ子 NPO法人和・ハーモニー音楽療法研究会理事長
    山下恵子  学校法人宮崎学園理事長/宮崎国際大学副学長
    原井美佳  札幌市立大学看護学部老年看護学領域常勤講師
    佐藤光栄  東都大学ヒューマンケア学部高齢者看護学領域教授

    トピックス