ナースのための はじめての眼科

    定価 2,200円(本体 2,000円+税10%)
    石岡みさき
    みさき眼科クリニック院長
    A5判・132頁
    ISBN978-4-7653-1875-4
    2021年08月 刊行
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    眼科で働きたい! でもチョット不安! そんなナースに捧げる一冊!

    内容紹介

    眼科といえば、長く働けそうなどの理由から、看護師にとって人気のある科のひとつです。ただ、実際眼科で勤務すると、見たことのない機器や、眼科ならではの検査など、特殊なことが多いことがわかるでしょう。そこで、それらの不安を解消すべく、眼科勤務を考える看護師、眼科に勤め始めたばかりの看護師に向け、眼科診療の全体像を伝えつつ、ストーリー仕立てで、実務上、最低限おさえるべきポイントをわかりやすくまとめました。順番通りに読まなくても理解できるよう、どこから読んでもいいように解説しています。眼科に興味を持つきっかけとなる本になっています。

    序文

    「ようこそ眼科の世界へ!」

    この書籍は眼科に初めて勤務する看護師のためのものです。医師は研修後に所属する科が決まるとほぼ一生その科の医師として勤務していきますが、看護師の場合、勤務先の病院の都合や、クリニックに転職する時などに、所属する科が変わることがあると思います。「眼科に勤務することが決まった」という時点で簡単に読めて眼科の全体像がわかる教科書のような書籍があるといいなあ、という思いで作りました。看護師以外のコメディカル、そして初期研修医の方にも役立つ内容のはずです。

    眼科は当院のようなとても小さい規模のクリニック(手術もコンタクトレンズ処方も行っていません)から、コンタクトレンズ処方が主体のところ、開業医で日帰り白内障手術を多数行っているところ、病院クラスで入院が必要な病気も診ているところ、と規模や診療内容が様々です。本書では、どこの眼科でも出合うような病気、行っている検査を、実際の外来で出合うようなエピソードに絡めて説明しています。眼科勤務が始まったばかりの看護師が登場しますので、ぜひ一緒に眼科の世界に踏み込んでください。順番通りではなく、興味のある章から読み始めても大丈夫です。私は順に教科書を読むのが苦手です。眼の構造から始まる教科書では網膜10層あたりで挫折することが多いので、どこからでも読める「どこでもドア」らしい教科書のような書籍を目指しました。

    この本を全部読んだ後で「あれ? これは何だろう?」ということが勤務中に出てきたら、それは次の教科書を買う時期が来た、ということです。入門書である本書はすべてをカバーしていませんので、卒業したら次のステップに行きましょう! ようこそ眼科の世界へ!!

    2021年7月
    石岡みさき

    目次

    はじめに

    1 検査いろいろ
    POINT
    ・眼科の診察や検査は座って行うのが基本
    ・いろいろな検査機器を知っておこう
    プロローグ:眼科回診は患者さんがやってくる
    1)座っているのが原則
    2)検査機器
    3)眼科は0歳から
    4)高さの調整
    5)スリット診察の介助
    6)視覚障害者の誘導

    2 視力
    POINT
    ・矯正視力が1.0出ないと何か病気があると考える
    ・視力検査ができるようになろう
    プロローグ:メガネが欲しいわけじゃない
    1)矯正視力が良好なことは大事
    2)視力から眼科医は何を考えるのか
    3)視力が良くても病気の可能性はある
    4)健康診断の視力検査
    5)屈折異常
    6)レフラクトメーターの結果の読み方
    7)視標
    8)視力測定
    9)視力の記載法
    10)矯正視力の測り方
    11)視力検査は意外に難しい
    12)子どもの視力の成長
    13)右と左

    3 結膜
    POINT
    ・結膜がどこにあるか知っておく
    ・うつる結膜炎、うつらない結膜炎について知る
    プロローグ:コンタクトレンズは眼の後ろに落ちない
    1)結膜の場所
    2)結膜炎
    3)結膜炎の検査・診断
    4)性行為感染症と目
    5)コンタクトレンズ

    4 花粉症
    POINT
    ・花粉症はどうすれば治るかを知っておこう
    ・アレルギーについて説明できるようになる!
    プロローグ:眼科は3月が忙しい
    1)花粉症とは
    2)アレルギー
    3)症状
    4)診断
    5)治療
    6)初期療法
    7)眼科で診る他のアレルギー性結膜疾患
    8)ステロイド薬の副作用
    9)眼圧測定

    5 麻酔など
    POINT
    ・眼科で使う麻酔方法の種類を知っておこう
    プロローグ:目に指が入って激痛
    1)角膜と結膜
    2)麻酔いろいろ
    3)接触型レンズ
    4)網膜
    5)眼科領域のケガ

    6 角膜
    POINT
    ・角膜、網膜、ぶどう膜はどこにある膜かを理解する
    プロローグ:青い眼になりたい
    1)瞳の色
    2)角膜の構造
    3)フルオレセイン染色
    4)角膜移植の原因疾患
    5)移植の方法
    6)アイバンク
    7)ぶどう膜

    7 うつりやすい結膜炎
    POINT
    ・うつりやすい結膜炎には注意しよう
    ・「ものもらい」はうつらないことを覚えておこう
    プロローグ:警戒される充血
    1)なぜ、充血に注意が必要なの?
    2)うつりやすい結膜炎
    3)「流行性角結膜炎ではない」というのが難しい
    4)院内感染対策
    5)たかだか結膜炎、うつってもよいのでは?
    6)ものもらいはうつらない
    7)「ものもらい」地図
    8)充血ではない「結膜下出血」

    8 飛蚊症
    POINT
    ・飛蚊症について理解しよう
    ・眼底検査について理解しよう
    プロローグ:終了間際に来院した飛蚊症にがっかり
    1)飛蚊症とは
    2)硝子体とは
    3)飛蚊症の原因
    4)散瞳検査
    5)散瞳薬
    6)眼底写真
    7)糖尿病網膜症

    9 点眼・点入
    POINT
    ・患者さんに点眼できるようになろう
    プロローグ:点眼しようとするとなぜ口を開ける患者さんが多いの?
    1)点眼方法
    2)点眼容器の持ち方
    3)点入方法
    4)点眼、点入の量
    5)点眼後
    6)順番
    7)コンタクトレンズをしていたら
    8)量
    9)保存
    10)点眼薬を調べる
    11)ジェネリック(後発品)とは
    12)副作用

    10 老化現象である老眼と白内障
    POINT
    ・老眼と白内障は老化現象(100%の人がなる)であることを知っておこう
    プロローグ:誰でも老眼になりますよ!
    1)老視とは
    2)老視の症状
    3)近視の人も老視になる
    4)老視の治療
    5)白内障とは
    6)白内障の症状と診断
    7)手術の時期
    8)手術
    9)眼内レンズは入れる必要あり
    10)多焦点眼内レンズ

    11 緑内障
    POINT
    ・緑内障とその検査について理解しよう
    プロローグ:来なくなってしまう緑内障患者さん
    1)緑内障とは
    2)眼圧が上がるとは限らない
    3)分類
    4)眼圧が上がる緑内障、上がらない緑内障
    5)緑内障を診断するには
    6)OCTについて
    7)視野検査
    8)悪化しても気づきにくい
    9)治療は眼圧を下げること
    10)薬の副作用はいろいろ
    11)緑内障は症状がないまま一生通院が必要
    12)「治らないから、もう治療しない」
    13)多治見スタディ

    12 急激な視力低下
    POINT
    ・急に眼が見えなくなる病気ついて知っておく
    プロローグ:ピアスを開けたら失明する?
    1)視路について
    2)網膜中心動脈閉塞症(central retinal artery occlusion:CRAO)
    3)急性緑内障発作
    4)なぜ隅角が閉じる?
    5)術後眼内炎

    13 涙とドライアイ
    POINT
    ・涙について理解する
    プロローグ:「目は洗わなくていい」って聞いたのに
    1)目に液体が入ったら
    2)アルカリ性は要注意!
    3)涙
    4)ドライアイ

    付録1 眼科の薬
    付録2 カルテによく使われる略称など
    付録3 眼科以外ではあまり聞かないかもしれない単語
    付録4 カラー写真

    索引
    著者プロフィール

    執筆者一覧

    ■著
    石岡みさき みさき眼科クリニック院長

    トピックス

    ■2021.08.03
    noteでの連載「編集後記」にて、本書に関する記事を公開いたしました。

    「編集後記」とは、新刊・好評書を中心に、金芳堂 編集部が本の概要と見どころ、特長、裏話、制作秘話をご紹介する連載企画です。また、本書の一部をサンプルとして立ち読みいただけるようにアップしております。

    著者と編集担当がタッグを組んで作り上げた、渾身の一冊です。この「編集後記」を読んで、少しでも身近に感じていただき、末永くご愛用いただければ嬉しいです。

    編集後記『ナースのための はじめての眼科』|株式会社 金芳堂|note
    https://note.com/kinpodo/n/nae8cbacdbff5