血液内科ナースのはじめかた 抗がん剤・レジメン解説編

    定価 3,520円(本体 3,200円+税10%)
    渡邉純一
    TMGあさか医療センター血液内科部長
    A5判・240頁
    ISBN978-4-7653-2011-5
    2024年10月 刊行
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    抗がん剤治療の基礎知識から治療計画までわかりやすく教えます!

    内容紹介

    2022年3月刊行の『血液内科ナースのはじめかた 配属されたときに一番最初に読む本』は、現在第3刷まで発行しており、配属時に読む本として好評を得ています。本書はその続編で「抗がん剤・レジメン」に特化した内容となっています。

    血液内科では薬物治療が主であり、看護師にとっても抗がん剤・レジメンや副作用の知識は不可欠となっています。また、看護師向けに特化した書籍も少ないため、前著同様、わかりやすい表やイラスト、親しみやすい文章での解説は、血液内科で働く方々にとって心強い味方になると考えます。

    血液内科の薬物治療に関しては、この本さえあれば充分と思える内容(抗がん剤・レジメン~患者のケアまで)で、知りたい抗がん剤・レジメンが個別にわかる構成となっています。血液内科で使用する抗がん剤・レジメンを理解し、患者さんのケアに役立てることができる一冊です。

    好評姉妹本

    血液内科ナースのはじめかた 配属されたときに一番最初に読む本 – 株式会社 金芳堂

    序文

    緒言

    TMGあさか医療センターの渡邉です。

    先日、看護師を対象に『血液内科ナースのはじめかた 配属されたときに一番最初に読む本』という本を執筆させていただきました。今回はそれに続く本として「抗がん剤」を中心に血液内科で使用される薬剤や治療法に関して「わかりやすく理解できる本」「実践的な本」を書いてほしいという依頼をいただきました。

    私の臨床医としての基本的な考えですが、医師は患者や家族と相談しながら「方針」を決める役割ですが、治療を実施していく際に最も近くで患者に接するのは看護師であると考えております。そのため、看護師がしっかりしていると患者の症状・副作用を早く察知することができ、患者の治療がうまくいくと考えています。

    また、「医師の働き方改革」が2024年から始まります。医師が全てを把握することはもともとできませんが、さらに「タスクシフト」が必要となります。その際に最も重要なポジションにいるのは「看護師」です。医師が患者に接する時間よりも多くの時間を看護師が患者に接しており、変化に最初に気がつくのも通常は看護師です。

    ただ、その変化が重要な変化かどうかの判断が難しいと言うのが、実際のところだと思います。

    この本では「抗がん剤治療」を中心に看護師が確認するポイントを示していければと考えています。

    まず、最初に総論として記載した「抗がん剤治療前評価」「副作用と各種症状、その対策」に関して何回か目を通していただければと思います。それで何をするべきか、どのような症状に気をつけるべきかを確認したら、担当する患者さんの行う治療ごとに「レジメン」と「その注意点」を確認してください。それを患者さんごとに繰り返し行えば、血液内科の看護師として十分な力がつくのではないかと思います。

    この本が多くの血液内科に配属された看護師と病棟に入院中・外来治療中の患者さんの大きな助けになることを祈念しております。

    TMGあさか医療センター血液内科
    渡邉純一

    目次

    目次

    PART I 抗がん剤治療の基礎知識

    CHAPTER 1 抗がん剤治療前評価
    1 全ての患者でPS(Performanze Status)を確認する

    2 適切な臓器能の有無、臓器能が低い場合、その対処がされているか
    骨髄造血能・心肺機能
    肝機能・腎機能

    3 70歳以上の患者では高齢者機能評価を行う

    4 その他

    CHAPTER 2 副作用と各種症状、その対策
    1 骨髄抑制(造血障害、発熱性好中球減少症を含む)
    白血球減少
    貧血・血小板減少・凝固異常
    発熱性好中球減少症

    2 消化器毒性(口内炎、嘔気、嘔吐、下痢、便秘)
    口内炎
    嘔気・嘔吐
    下痢
    便秘

    3 循環器障害(心不全、不整脈、血栓症)
    心不全
    不整脈(QTc延長含む)
    血栓症・高血圧

    4 肺毒性(間質性肺炎、肺胞出血、肺塞栓など)
    薬剤性間質性肺炎
    肺胞出血・肺塞栓症

    5 肝障害(VOD/SOS、HBV再活性化含む)
    薬剤性肝障害
    VOD/SOS
    B型肝炎ウイルス再活性化

    6 腎障害(TLS、出血性膀胱炎含む)
    腫瘍崩壊症候群
    薬剤性腎障害・出血性膀胱炎

    7 神経障害

    8 皮膚障害

    9 味覚障害(栄養障害含む)

    10 精神症状

    11 性腺機能障害

    12 Infusion reaction

    13 血管外漏出

    14 二次癌

    15 免疫関連有害事象

    16 その他

    PART Ⅱ 抗がん剤治療の治療計画

    1 急性骨髄性白血病(AML)
    ① IDA+AraC
    ② MIT+AraC
    ③ A-Triple V
    ④ HDAC
    ⑤ DNR+AraC+FLT3-i
    ⑥ HDAC+FLT3-i
    ⑦ CAG療法
    ⑧ VEN+AZA
    ⑨ FLT3-i

    2 急性前骨髄球性白血病(APL)
    ① ATRA単剤
    ② ATRA+Chemo
    ③ ATRA+ATO

    3 急性リンパ性白血病(ALL)
    ① JALSG202-O 寛解導入
    ② JALSG202-O C-1
    ③ JALSG202-O C-2
    ④ JALSG202-O C-3
    ⑤ HyperCVAD
    ⑥ HD-MTX/AraC
    ⑦ INO単剤
    ⑧ ブリナツモマブ

    4 急性リンパ性白血病(Ph陽性ALL)
    ① Dasa+PSL
    ② Dasa+HyperCVAD
    ③ Pona+Blina

    5 慢性骨髄性白血病(CML)
    ① イマチニブ
    ② ダサチニブ
    ③ ニロチニブ
    ④ ボスチニブ
    ⑤ ポナチニブ
    ⑥ アシミニブ

    6 慢性リンパ性白血病(CLL)
    ① FCR
    ② イブルチニブ
    ③ A-O
    ④ VEN+R

    7 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
    ① ハイドロキシウレア
    ② ルキソリチニブ
    ③ Ropeg-IFNα−2b
    ④ アナグレリド

    8 低悪性度リンパ腫(Indolent lymphoma)
    ① RB
    ② GB
    ③ G-CHOP
    ④ R2
    ⑤ EZH2阻害剤
    ⑥ チラブルチニブ

    9 中悪性度リンパ腫(aggressive lymphoma)
    ① R-CHOP
    ② Pola-R-CHP
    ③ DA-R-EPOCH
    ④ R-ESHAP
    ⑤ R-GDP
    ⑥ R-DHAP
    ⑦ CHASER
    ⑧ Pola-BR
    ⑨ エプコリタマブ
    ⑩ R-MPV
    ⑪ A-AVD(ABVD)

    10 高悪性度リンパ腫(very aggressive)
    ① R-HyperCVAD
    ② R-MA

    11 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)
    ① mLSG15
    ② モガムリズマブ
    ③ レナリドミド
    ④ ツシジノスタット
    ⑤ バレメトスタット

    12 末梢性T細胞リンパ腫(PTCLs)
    ① BV-CHP
    ② ロミデプシン単剤
    ③ プララトレキサート
    ④ その他

    13 多発性骨髄腫(初発MM)
    ① VRd
    ② DLd
    ③ D-VMP
    ④ Rd
    ⑤ CyBorD

    14 多発性骨髄腫(再発難治MM)
    ① Isa-Kd
    ② Isa-Pd
    ③ Epd
    ④ IRd
    ⑤ KRd
    ⑥ PVd
    ⑦ Pd
    ⑧ Weekly Kd
    ⑨ DKd
    ⑩ ELd
    ⑪ DPd
    ⑫ Isa-d

    15 骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良貧血(AA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
    ① アザシチジン
    ② ATG+CsA±TPO-RA
    ③ PSL単剤
    ④ PE+カプラシズマブ

    索引
    略語一覧
    抗がん剤一覧

    執筆者一覧

    ■著
    渡邉純一 TMGあさか医療センター血液内科部長

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