看護学生のためのよくわかる大学での学び方
第3版

  • 新版
定価 2,750円(本体 2,500円+税10%)
監修梶谷佳子
京都橘大学看護学部教授
河原宣子
京都橘大学看護学部教授
B5判・221頁
ISBN978-4-7653-2076-4
2026年01月 刊行
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大学に入ったらどのように勉強したらいいのだろう? 看護を学ぶ皆さんが、自ら学び、成長していく一助となる一冊

内容紹介

本書は、看護学生が主体的に学ぶ力を身につけるためのテキストです。入学したばかりの1年生から、卒業を控えた上級生まで幅広く活用でき、看護職として成長するための視点とスキルを丁寧に示しています。また、看護教育に携わる教員にとってもカリキュラムや授業の進め方を見直す契機となる内容が含まれています。

内容は全3編で構成されています。第1編では、レポート作成、情報収集、プレゼンテーション、ディスカッションなど、大学生に必須となるスキルを解説し、今回新たにシミュレーション学習についても取り上げています。第2編では、対人関係、ストレス対処、倫理的感受性など、自己調整力を育むためのスキルなど、学生としての学びを中心に取り上げています。これらの力は学生生活だけでなく、看護専門職としての基盤にもなります。理論をしっかり学び、実践で積極的に活用してください。第3編では、今回新たに看護職として活躍する先輩方に自身のキャリアを語っていただいています。遠い未来の話ではなく、数年後の自分を思い描くきっかけにしてください。

序文

推薦のことば

本書は、看護学生が主体的な学習の方法と姿勢を身につけることができる実践的なテキストです。看護学生を対象とした学習方法の授業を担当している私にとって参考になる内容が豊富に含まれています。ここでは、本書の優れた点の一部を紹介いたします。

第一に、読者対象が明確に設定されています。大学における学び方に関する書籍の多くは、幅広い学問分野に共通する学習方法を扱うため、どうしても内容が汎用的になりがちです。一方、必要とされる思考法や課されるレポートの種類などは専門分野によって異なります。本書は看護という専門分野に焦点を当てているため、看護学生にとって自分のために作られた教材であると強く実感できます。

第二に、学習内容が広く網羅されています。本書は看護学生の入学から卒業までを見通した構成となっており、内容の網羅性に優れています。ノートのつくり方、レポートの書き方、プレゼンテーションといった学習方法に加えて、対人関係スキル、ストレス対処スキル、倫理的感受性、キャリア・デザインといった幅広い学び方が取り上げられています。大学生活を通じて繰り返し参照できる内容となっており、学生が今の自分に必要なページを探し出して読むことができます。

第三に、教材としてさまざまな工夫がされています。単に読むだけでなく学生が自分の考えなどを書くスペースも用意され、学習者が手を動かしながら学ぶ教材になっています。入学時と卒業時の自分自身の写真を貼るという仕掛けもあり、学生は4年間の学習を一冊の中で振り返り、自分の変化や成長を実感できます。さらに、各章の冒頭のリード文、学習日を記す欄、用語の解説、魅力的なイラストなどの工夫もあります。

最後に、書籍自体が成長していることも特筆すべき点です。著者たちは、先行研究の成果に依拠しつつ、現場のニーズに即したかたちで初版を練り上げ、第2版、第3版とさらなる改善と工夫を積み重ねています。この姿勢は、まさに本書で学生に示した「巨人の肩の上に立つ」とともに、新たな知見を加えて次世代に継承していく学術的行為を体現しています。

以上のように、本書は看護学生の学習を実践的に支援する優れたテキストです。看護教育に携わる教員にとっても、カリキュラムや授業を見直す契機となる内容が含まれています。看護の学びをより豊かにする一冊として、多くの看護学生と教員に手に取っていただきたい書籍です

愛媛大学教授
中井俊樹


序文

このたび、第3版を出版する運びとなりました。本書は、看護学生の学びを支援することを目的に執筆されています。入学したばかりの1年生から、卒業を間近に控えた学生まで、幅広く活用していただける内容となっています。本書の大きな狙いは、主体的な学び方を身につけることです。看護職を目指す皆さんが、求められる看護専門職として成長できるよう願いを込めて執筆しました。

本書は、大きく3編で構成されています。

第1編では、レポートの書き方、プレゼンテーションのための情報収集、プレゼンテーションやディスカッションのスキルについて学びます。本版からは、新たにシミュレーション学習についても取り上げました。大学では、グループ内で自分の意見を述べる機会が多くなります。本書を活用することで、「緊張して時間が過ぎてしまった」といった事態を避け、有意義な時間にできるよう手助けできればと考えています。また、近年、シミュレーション学習は看護基礎教育課程のみならず、臨床現場でも主流の学習方法となっています。より効果的にシミュレーションで学ぶための方法を身につけてください。

第2編では、学生としての学びを中心に述べています。特に対人関係スキルは、社会人にとって重要であると同時に、看護専門職にとって欠かせないものです。理論をしっかり学び、実践の場で積極的に活用してください。また、教員を学習資源として活用することも大切です。「こんなことを聞くのは気が引ける」と思わず、遠慮なく質問してください。きっと新たな視点が得られるでしょう。さらに、ストレスへの対処や自身のストレス耐性についても考えてみてください。看護倫理については、堅苦しく考えるのではなく、なぜ医療職・看護職が倫理を考察する必要があるのかを見つめ直す機会にしてほしいと思います。

第3編では、本版より新たに、看護職として活躍する先輩方に自身のキャリアを語っていただきました。遠い未来のことだと思わず、数年後に待っている自身のキャリアについて考えるきっかけにしてください。先輩方は、それぞれの専門性を最大限に発揮し、他職種と連携・協働しながら日々の業務に取り組んでいます。多職種が協力することで、より質の高いケアが提供できるのです。皆さんは、医療や看護をどのようにイメージしていますか? おそらく本書を通じて、そのイメージが大きく変わることでしょう。AI時代の到来により、医療の現場も大きく変化しています。皆さんが臨床に出る頃には、AIがより身近なものとなり、日常業務に深く関わっているはずです。

また、初年次教育を担当される先生方にも本書をご一読いただき、忌憚のないご意見を賜れれば幸甚です。

最後に、第3版の作成にあたり、適時適切なご意見を賜りました石井木綿子様、一堂芳恵様に、心より感謝申し上げます。

2025年夏
監修者一同

目次

大学で学ぶということ
A 自分は大学で何を得るか
B 地球人として生きる-教養と文化
C 本書を日々の学習に活用してもらうために

第1編 スタディ・スキル
① ノートのつくり方
A ノートをつくる目的
B ノートをつくる前の準備
C 授業中のメモの取り方
D 授業後のノートの整理

② 情報リテラシー
A 情報リテラシーとは
B 今、必要とされる「情報リテラシー」とは
C インターネットと社会の関係、情報発信の仕方とそのルール

③ 図書館の使い方・必要な資料の探し方
A 大学図書館ってどんなところ?
B 必要な資料を検索してみよう
C 検索した資料を管理しよう

④ 文章の読み方・まとめ方
A 文章の読み方
B 本の選び方
C 本の読みすすめ方
D 文章のまとめ方

⑤ プレゼンテーション・スキル
A プレゼンテーションとは
B プレゼンテーションの3要素

⑥ レポートの書き方
A レポートとは
B テーマ設定と構成
C レポートの作成
D 日本語のルール
E 引用文献・参考文献

⑦ 仲間と学ぶスキル
A 仲間と学ぶ意義
B 協同学習とは
C 授業中に仲間と学ぶ
D 授業外で仲間と学ぶ

⑧ ディスカッション・スキル
A ディスカッション・スキル
B ディスカッションの実際

⑨ 演習・実習で必要なスキル
A 演習・実習とは
B 演習・実習に臨む姿勢や態度
C 演習・実習に必要な基礎的スキル
D 演習・実習の記録のまとめ方
E 健康管理

⑩ シミュレーション学習スキル
A シミュレーション学習とは
B シミュレーション学習の特徴
C シミュレーション学習の進め方
D シミュレーション学習の具体例

第2編 スチューデント・スキル
① 対人関係スキル
A 対人関係スキル
B 伝えるチカラ
C 聴くチカラ
D 関わりのチカラ

② ストレス対処スキル
A 適正(自己愛・強迫の問題)
B 適正(発達・愛着の問題)
C ストレスマネジメント
D レジリエンス
E スーパーバイズ

③ 効果的な学び方
A 学びについて
B 効果的な学びをするために
C 評価とは
D 評価表の活用

④ 看護と倫理的感受性
A 日々の生活と道徳と倫理
B 看護と倫理
C 看護実践に人間を理解するための理論を用いるに際して
D 臨地実習における看護学生としてのあり方

第3編 看護キャリア・デザイン
① キャリア・デザインの重要性
A 皆さん(あなた)が考えるキャリアイメージは?
B キャリア・デザインを考える意味
C ワークライフバランス
D 看護職をとりまく現状
E 国家資格をとる意味

② キャリアを始める
A 自己理解
B 職業理解
C 自分とキャリアのマッチング
D 新卒看護師の生活

③ 将来の看護の場のイメージ:多職種連携
A 自分らしく暮らせる社会の実現に向けた課題
B 慢性期病院における多職種連携の在り方
C 在宅療養されている高齢者に対して多職種が協議し解決した事例
D 多職種の支援で復職を希望する患者の夢を叶えた事例

④ 看護の学び・醍醐味
A わたしの家族支援専門看護師としてのキャリアヒストリー
B わたしの精神看護専門看護師としてのキャリアヒストリー
C わたしの看護師としてのキャリアヒストリー
D わたしの保健師としてのキャリアヒストリー

⑤ 看護を創造する
A 看護を支える観察と対話
B 変化する社会と新たな価値の創出
C 自分を活かすキャリア・デザイン
D 未来から逆算するキャリア・デザイン

執筆者一覧

■監修
梶谷佳子    京都橘大学看護学部教授
河原宣子    京都橘大学看護学部教授

■編集
小山智史    京都橘大学看護学部准教授
征矢野あや子  京都橘大学看護学部教授
中橋苗代    京都橘大学看護学部准教授

■執筆者一覧(五十音順)
伊藤京子    京都橘大学工学部教授
伊藤弘子    京都橘大学看護学部講師
岩﨑真子    大阪成蹊大学看護学部助教
岡田純子    京都橘大学看護学部准教授
奥野信行    京都橘大学看護学部教授
片岡裕介    京都橘大学工学部准教授
工藤里香    京都橘大学看護学部教授
黒瀧安紀子   京都橘大学看護学部准教授
下田優子    京都橘大学看護学部講師
谷口亜里沙   訪問看護ファミリー・ホスピス京都北山看護師
中谷朱音    京都市東山区役所保健福祉センター健康長寿推進課健康長寿推進担当保健師
那須ダグバ潤子 京都橘大学看護学部准教授
西野毅朗    京都橘大学経営学部准教授
野島敬祐    京都橘大学看護学部准教授
松下幸治    京都橘大学総合心理学部教授
松本賢哉    京都橘大学看護学部教授
松本修一    洛和会音羽病院看護部家族支援専門看護師
光岡由紀子   滋賀医科大学医学部附属病院精神看護専門看護師
深山つかさ   京都橘大学看護学部准教授
餅田敬司    京都橘大学看護学部准教授

トピックス