看護師国家試験 直前 社会福祉学領域ファイナルチェック

    定価 2,420円(本体 2,200円+税10%)
    編著守本とも子
    奈良学園大学保健医療学部学部長・大学院看護学研究科研究科長・教授
    富永堯史
    兵庫県社会福祉協議会
    監修星野政明
    岐阜医療科学大学客員教授・名古屋経済大学名誉教授
    A5判・177頁
    ISBN978-4-7653-1856-3
    2021年03月 刊行
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    看護師国家試験の出題範囲・出題傾向を基準とし、社会福祉学に関連する法律的な解決や理論、あるいは看護実践との関わりなど、領域をまたいで分散している情報をこの1冊に

    内容紹介

    近年、わが国は少子高齢社会という重大な課題を抱えつつ、疾病構造の変化や多様なニーズに対応した医療・福祉のあり方が求められており、社会福祉の理解と知識の活用が必要不可欠なものとなっている。

    本書は看護職を目指す読者が社会福祉について効率よく学べるよう国家試験の出題基準に沿った内容となっており、試験対策に欠かせない1冊となっている。また、現代社会の背景や動向を踏まえた社会福祉に関する内容がふんだんに盛り込まれており、すでに看護師として現場で活躍している読者にとっては、自身のもつ知識のアップデートの際にもおすすめ。

    序文

    本書は、看護職をめざす読者が社会福祉について学ぶためのテキストである。また同時に、すでに看護職として活躍されている方々にも現代における社会福祉についての理解を深め、看護実践における社会資源の活用に向けて、重要な示唆を与えてくれる書籍でもある。

    内容は看護師国家試験の出題基準に沿って書かれている。そのため、現代社会の背景や動向を踏まえ、厚生労働省が社会福祉について、重要だと考える内容が記載されている。学生にとっては、国家試験対策として、必携のテキストであると考える。

    近年、わが国は少子高齢社会という重大な課題を抱えつつ、新たな感染症であるコロナ対応など、疾病構造の変化や多様なニーズに対応した医療・福祉の在り方が問われている。そのような中で、疾患や障害を持ちながら、住み慣れた地域で生活することを目指した様々な対策が講じられてきた。

    これらの現状を背景に、看護職者が在宅での生活を視野に入れながら、対象者のQOLの向上に向けて、様々な視点から援助の手を差し伸べ、対象者のニーズに応えるためには、社会福祉の理解と知識の活用が必要不可欠なものとなる。

    そこで、本書では、社会福祉の仕組みを学び、対象者の生活を基盤としたQOLの質の向上に向けた社会福祉の知識を体系的に理解できるように構成している。

    具体的には、第1章では多角的に捉えた現代社会の状況、第2章では暮らしを守る社会保障と社会福祉について、その理念の変遷と今後の動向について、第3章では社会福祉の関係機関と実施体制について述べられている。また、各社会福祉施設や社会福祉における民間活動の役割についても解説されている。

    第4章では医療保障の概要から、医療保険制度、高齢者医療制度について、第5章から第7章では介護保険制度、所得保障、生活保護制度について解説されている。第8章から第10章では障害者福祉、児童家庭福祉、高齢者福祉と種別ごとの福祉制度について、それぞれ解説されている。第11章では地域福祉の理念や地域福祉の担い手、地域福祉の推進方策が述べられ、地域福祉の理解が深められる構成になっている。第12章ではソーシャルワークの理論と実践過程について詳しく述べられている。

    以上が本書の内容である。これらを学ぶことによって、看護学生であれば、看護師国家試験に見事に合格されること、あるいは、すでに看護実践をされておられる方々にとっては日々の実践において、ぜひ、社会福祉の知識を活用して、現代社会の医療、介護における課題に向けて、取り組んでいただければ幸いである。

    最後に、本書の発行にあたり、ご尽力いただきました執筆者の方々および編集に携わっていただいた出版社の方々に対して厚く御礼申し上げます。

    令和2年11月
    編者 守本とも子

    目次

    第1章 私たちが生きる現代社会の姿

    1 現代社会の過去・現在・未来
    1)人口構造の変化
    2)家族と世帯の変化
    3)家族の機能とライフスタイル
    4)経済と雇用を取り巻く状況
    5)近年の雇用問題

    2 都市部と地方の地域差
    1)地域社会の変化

    第2章 私たちの暮らしを守る社会保障・社会福祉

    1 社会保障の理念と変遷
    1)社会保障の目的・機能・体系
    2)日本国憲法第25条と社会保障

    2 社会保障制度の動向
    1)社会保障給付費
    2)社会保障制度改革
    3)社会保障・税番号(マイナンバー)制度

    3 社会保険の理念と変遷
    1)社会保険の目的・機能
    2)国民皆保険・皆年金

    4 社会福祉の理念と歴史
    1)社会福祉の目的・機能
    2)利用者の保護

    第3章 社会福祉の関係機関・団体・活動者

    1 社会福祉の関係機関と実施体制

    2 社会福祉施設

    3 社会福祉における民間活動
    1)民生委員・児童委員とは
    2)社会福祉協議会(社協)
    3)ボランティア

    第4章 医療保障

    1 医療保障の概要

    2 医療保険制度
    1)被用者保険
    2)国民健康保険
    3)医療保険制度の仕組み
    4)医療保険の給付
    5)療養費
    6)訪問看護療養費
    7)移送費
    8)出産育児一時金
    9)出産手当金
    10)傷病手当金
    11)埋葬料(埋葬費)

    3 高齢者医療制度(高齢者の医療の確保に関する法律〔高齢者医療確保法〕)
    1)高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)
    2)後期高齢者医療制度
    3)後期高齢者医療の財源

    4 診療報酬制度
    1)診療報酬の仕組み

    5 公費医療制度

    6 国民医療費の動向

    第5章 介護保険制度

    1 介護保険制度創設の経緯

    2 介護保険制度の仕組み
    1)介護保険制度の基本理念
    2)保険者・被保険者
    3)要介護・要支援の認定
    4)保険給付と利用者負担
    5)ケアマネジメント
    6)介護サービス
    7)介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)
    8)地域包括ケアシステム
    9)生活支援体制整備

    第6章 所得保障

    1 公的年金
    1)制度導入の背景
    2)公的年金制度の運営と仕組み
    3)公的年金の体系と構造
    4)年金受給額
    5)被保険者の種別
    6)国民年金基金・企業年金

    2 社会手当
    1)児童手当
    2)児童扶養手当
    3)特別児童扶養手当
    4)障害児福祉手当
    5)特別障害者手当

    3 雇用保険
    1)被保険者の種類と要件
    2)給付の種類

    4 労働者災害補償保険
    1)給付の種類

    第7章 生活保護制度

    1 生活保護法と制度の概要~基本理念・原則
    1)生活保護とは
    2)生活保護法の基本原理
    3)生活保護法の原則

    2 生活保護の内容
    1)扶助の種類と内容
    2)保護施設

    3 生活保護制度の動向
    1)生活保護の動向
    2)改正生活保護法の成立
    3)子どもの大学等進学支援等について
    4)医療扶助の適正化・健康管理支援等について

    4 生活困窮者自立支援制度の概要
    1)生活困窮者自立支援制度とは
    2)支援の内容

    第8章 障害者福祉

    1 障害者福祉の理念

    2 障害者(児)の状況

    3 障害者(児)に関する法律・施策
    1)障害者基本法
    2)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
    3)身体障害者福祉法
    4)知的障害者福祉法
    5)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
    6)発達障害者支援法
    7)障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)
    8)障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)
    9)障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)
    10)障害者基本計画
    11)依存症対策(アルコール依存、薬物依存、病的賭博またはギャンブル依存症)

    第9章 児童家庭福祉

    1 児童家庭福祉の理念
    1)児童福祉と児童家庭福祉
    2)児童家庭福祉の理念
    3)これからの児童家庭福祉の理念

    2 児童家庭福祉に関する法律・政策
    1)児童福祉法
    2)児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)
    3)母子及び父子並びに寡婦福祉法
    4)配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)

    3 次世代育成支援・少子化対策
    1)健やか親子21
    2)少子化対策

    第10章 高齢者福祉

    1 高齢者の状況
    1)高齢化の現状
    2)高齢者のいる世帯
    3)高齢者の健康意識
    4)高齢者の所得

    2 高齢者に関する法律・施策
    1)老人福祉法
    2)高齢者虐待防止法
    3)日常生活自立支援事業
    4)成年後見制度

    第11章 地域福祉

    1 地域福祉の理念

    2 地域福祉の歩み

    3 地域福祉の担い手
    1)社会福祉協議会
    2)共同募金会
    3)社会福祉法人
    4)特定非営利活動法人
    5)福祉活動専門員
    6)地域福祉コーディネーター
    7)生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)
    8)民生委員・児童委員
    9)ボランティア

    4 地域福祉の推進方策
    1)地域福祉計画と地域福祉支援計画
    2)地域福祉活動計画

    第12章 ソーシャルワークの理解

    1 ソーシャルワークとは

    2 ソーシャルワークの発展
    1)ソーシャルワークのルーツ
    2)ソーシャルワークの発展と展開
    3)ソーシャルワークの統合化と発展

    3 ソーシャルワークの基礎理論
    1)システム理論
    2)医学モデル
    3)生活モデル

    4 ソーシャルワークの実践過程
    1)インテーク
    2)アセスメント
    3)プランニング
    4)インターベンション
    5)モニタリング
    6)エバリュエーション

    5 保健医療従事者と社会福祉従事者の連携(チームケア)

    執筆者一覧

    ■編著
    守本とも子 奈良学園大学保健医療学部学部長・大学院看護学研究科研究科長・教授
    富永堯史  兵庫県社会福祉協議会

    ■監修
    星野政明  岐阜医療科学大学客員教授・名古屋経済大学名誉教授

    ■執筆者(五十音順)
    井上昌子  奈良学園大学保健医療学部看護学科助教
    井上葉子  奈良学園大学保健医療学部看護学科講師
    小林由里  奈良学園大学保健医療学部看護学科准教授
    齋藤英夫  奈良学園大学保健医療学部看護学科助教
    佐藤郁代  奈良学園大学保健医療学部看護学科講師
    芝田ゆかり 奈良学園大学保健医療学部看護学科准教授
    高橋寿奈  奈良学園大学保健医療学部看護学科助教
    田場真理  奈良学園大学保健医療学部看護学科講師
    中馬成子  大阪青山健康科学部看護学科教授
    辻下守弘  奈良学園大学保健医療学部リハビリテーション学科学科長・教授
    富永堯史  兵庫県社会福祉協議会
    西出順子  奈良学園大学保健医療学部看護学科講師
    西本美和  大手前大学国際看護学部准教授
    野口寿美子 奈良学園大学保健医療学部看護学科助教
    松居典子  奈良学園大学保健医療学部看護学科助教
    松浦純平  奈良学園大学保健医療学部看護学科准教授
    三浦康代  奈良学園大学保健医療学部看護学科教授
    美甘祥子  奈良学園大学保健医療学部看護学科准教授
    守本とも子 奈良学園大学保健医療学部学部長・大学院研究科長・看護学科教授
    吉水清   和洋女子大学看護学部看護学科助教
    𠮷村雅世  奈良学園大学保健医療学部看護学科学科長・教授

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