こどもの微生物検査と菌血症 こけつきん12の迷い

  • 未刊
定価 4,400円(本体 4,000円+税10%)
編集志馬伸朗
広島大学救急集中治療医学
A5判・192頁
ISBN978-4-7653-2113-6
2026年09月 刊行
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★2026年8月下旬 発売予定!★

『こどもの血液培養と菌血症』に続く第2弾! その検査、本当に必要? に答える、小児微生物検査の実践Q&A!

内容紹介

PCR、血液培養、尿培養、便培養、髄液検査、イムノクロマト法……。小児感染症診療では数多くの微生物検査が行われていますが、「いつ検査をするべきか」「結果をどう解釈するか」「本当に患者さんのためになっているのか」と迷う場面は少なくありません。しかも、小児では十分なエビデンスがないまま成人の知見が応用されている検査も多く、判断に悩むこともしばしばあります。

本書は、そんな日常診療で直面する疑問をQ&A形式で取り上げ、エビデンスと実際の小児感染症診療の両面からわかりやすく解説します。「小児肺炎に鼻咽頭培養は必要?」「血液培養が必須ではない感染症とは?」「multiplex-PCRはどう使う?」など、現場で遭遇するリアルなテーマを厳選。エビデンスがある部分はその根拠を、十分な根拠がない場面では考え方や判断のポイントを丁寧に示します。

さらに、各章には思わず読んでしまう、こけつき先生と研修医マッキーによる寸劇やコラムを収載し、医師や臨床検査技師ならではの視点や検査室の裏側まで紹介。検査を「出す」だけでなく、「活かす」ための考え方が身につく、小児感染症診療に携わるすべての医療者に役立つ実践書です。

好評姉妹本

序文

こけつき本、第2弾、でました!

満を持してというか、ようやくというか、懲りずにというか、こけつき本の第2弾です!

まさかこの本を開いたあなたが第1弾(『こどもの血液培養と菌血症』)を知らないとは言わせませんが、第1弾から3年を経て、とにかく第2弾の出版までこぎ着けました。

それにしても小児感染症ってどこまでも奥が深く、そして多くの医療従事者は奥を知らずともそれなりに日常診療ができてしまっているのだなと感じます。マッキーはあなたの周囲の至る所にいそうです。

それで診療が成り立つのであればいいのかも知れません。目をつむれば文句も出ずに、過ぎてゆく“なんなん日常”はいくつもあります。ろくに繫がりもしない新幹線のネット環境でも仕事は出来る、って感じでしょうか。しかしあの状態で、“インターネットをお楽しみください”って言われてもなあ。

まあでも、より良い診療があるとすれば、少しだけ深く掘れば井戸から水が出るのであれば、掘ってみないですか? というのがこの本の目指すところです。なかなか井戸を掘るのは難しいし、掘ってみたはいいが水は出ず、掘ったそばから穴を埋めないといけない仕事がほとんどですけれど、われわれの世界は。でも掘るんですよ。

第1弾の血液培養から、第2弾は幅広い微生物検査まで領域を広げています。井戸だけではなく温泉も出てくるかもしれません。石油が出るかもしれません。ホルムズ海峡くそ食らえです。掘ってのお楽しみです。

第3弾はあるか解りませんが、そろそろ医学生のパベル君とか、検査室の女帝第2のマッキーあたりが出てきそうな気配です。まずはこの第2弾を味わってみてください。

2026年8月
新幹線が見えない向きの東京駅前のホテルの一室にて
志馬伸朗

目次

こけつき本、第2弾、でました!

Q1 新生児侵襲性GBS感染症、母乳培養は行う?
1 新生児侵襲性GBS感染症の疫学
2 GBS感染症の発症時期と分類
3 GBSの感染経路
4 母乳を介した侵襲性GBS感染症
5 母乳培養の適応
6 まとめ

≫ COLUMN 乳汁培養やっていますか?

Q2 小児呼吸器感染症にmultiplex-PCRは必要か?
1 はじめに
2 multiplex-PCRは運用準備ができていないのに現場に持ち込まれた
3 われわれはどうしていくべきか?
4 最後に

≫ COLUMN PCRは超マニアックな検査?? 検査は常に進化し続ける!

Q3 小児肺炎に鼻咽頭培養は必要ではない理由とは?
1 常在菌とこどもの免疫発達
2 小児の臨床現場における上咽頭培養の限界
3 結論と今後の展望

≫ COLUMN 鼻腔検査の落とし穴

Q4 血液培養が必須ではない感染症とは?
1 はじめに
2 血液培養を採る理由
3 血液培養を採らなくてもよいかもしれない感染症とは?
4 肺炎
5 尿路感染症
6 皮膚軟部組織感染症

≫ COLUMN 小児の血液培養、血液量って測れるの?

Q5 入院3日以上経過した便培養って必要?
1 はじめに
2 便培養の進み方
3 便培養を採る理由

≫ COLUMN 便培養、スワブで出してもよいけど、うんちがうれしいほんとの気持ち

Q6 髄液穿刺、なぜやる、いつやる、どうやるの?……なぜやる、いつやる、どうやるの?
1 勇者のジレンマ
2 なぜ髄液穿刺をやるのか?
3 いつ髄液穿刺をやるのか?
4 どうやるのか?

≫ COLUMN 血液混じりの脳脊髄液検体に対して、技師がやっていること

Q7 尿の細菌検査はどのようにやればいい?
1 尿路感染症の診断の難しさ
2 尿定性検査(テステープ)/尿沈渣
3 においや色
4 尿のグラム染色と培養検査
5 コンタミネーションと無症候性細菌尿
6 コンタミネーションを防止するためにどうやって尿培養をとる?
7 では実際にどうするか?
8 培養結果を鵜呑みにしない
9 尿路感染症の診断

≫ COLUMN 尿検査、何mLあればどこまで、何ができる?

Q8 深頸部膿瘍、膿が取れないそのときに……
1 深頸部膿瘍——膿が取れないそのときに
2 治療期間をどう決める
3 地図のない航海
4 目的地を正確に把握する
5 目的地までの道のりを鮮明にイメージすること
6 今、自分がどの地点にいるのかを常に理解しておく
7 エンピリック治療の決定
8 不自由さを楽しむ

≫ COLUMN 嫌気ポーターって知っとるけ?

Q9 CRBSI DTPって必要? 末梢静脈穿刺を必ずしたほうがいいの?
1 DTPって知っていますか?
2 DTPが意味するもの
3 DTPのはじまり
4 DTPの有用性
5 小児のDTPの研究
6 DTPの落とし穴
7 結局、DTPは使えるのか?
8 そもそも末梢血からの採血は必要か?
9 まとめ

≫ COLUMN 血培ボトルを機械に入れるまで、入れた後の管理について

Q10 イムノクロマト(IC)法との対峙の仕方
1 イムノクロマトとの対峙の仕方
2 ベイズの定理とは
3 イムノクロマトとベイズの定理
4 入院前スクリーニングという蛮行
5 名前をつけてやる

≫ COLUMN うっすらと線が出た……けども、それって陽性? 偽陽性?

Q11 NICU入室! さあ、監視培養 採りまくれ!? 臍!? いったれいったれ!
1 そもそもなぜ採るか?
2 耐性菌の監視方法
3 どの耐性菌を対象とするか?
4 どこから検体を採取するか?
5 耐性菌が検出されたら
6 まとめ

≫ COLUMN スクリーニング培養と検査室と私(技師)
≫ COLUMN スクリーニング培養と検査室と私(医師)

Q12 ドレーン培養出ました 酵母です
1 こんな症例はありませんか?
2 腹水から検出された菌はすべて治療対象か?
3 腹膜炎の分類と特徴
4 腹水から真菌が検出されたら
5 そもそも腹水培養に意味があるのか?
6 ガイドラインではどうなっているか?
7 何を治療する? 実際にはどうする?
8 血液培養は意味があるのか?

≫ COLUMN 人工物が培養に出されました……ナニコレ珍百景的列伝! ほんとにこれ何??

索引
編者略歴

執筆者一覧

■編集
志馬伸朗  広島大学救急集中治療医学

■執筆者一覧(執筆順)
木戸口千晶 広島大学小児科学
山田幸司  京都府立医科大学附属病院臨床検査部
伊藤健太  あいち小児保健医療総合センター総合診療科
笠井正志  兵庫県立こども病院感染症内科
伊藤雄介  兵庫県立尼崎総合医療センター小児救急集中治療科
日馬由貴  大阪大学医学部附属病院感染症内科
福田修   南京都病院臨床検査科

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