パーフェクト大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI) 診断・治療・リハビリテーション

  • 未刊
定価 13,200円(本体 12,000円+税10%)
編著福島健介
北里大学医学部整形外科学
B5判・228頁
ISBN978-4-7653-2108-2
2026年07月 刊行
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★2026年7月下旬 発売予定★

画像を中心にわかりやすく、大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断基準、画像診断のコツ、治療について、丁寧に解説! ストレッチや股関節鏡手術についても収載しました!

内容紹介

大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は名前こそ知られているものの、診断基準や画像診断のコツについて詳細を学んでいる人は多くないのではないでしょうか。そこで、本書では、写真やイラストを交えて、その道のエキスパートたちが丁寧に解説しました。FAIの評価の精度を上げ、アプローチを劇的に変えるこの書籍を手に、FAIの診断方法、画像の捉え方、治療の最適解について一緒に知識を増やしていきませんか?

序文

大腿骨寛骨臼インピンジメント(Femoroacetabular impingement:FAI)は2003年にBern大学のGanz教授らによってその概念が提唱され、それまで原因不明とされてきた一次性変形性股関節症の一因となりうるとの認識が示されました。さらにスポーツ傷害としての面も注目され、股関節鏡視下治療の確立と普及という画期的な展開をもたらしました。病態と治療という両面で、まさに股関節診療におけるブレイクスルーとなった概念と言えます。

わが国においては、今回執筆いただきました宮崎大学の帖佐教授(当時)によってその概念が初めて紹介され、2008年の第35回日本股関節学会で初のセッション、翌年の第36回日本股関節学会でシンポジウムが組まれて徐々にその存在が知られるようになってきました。

私は2007年の大学任用時、当時の上司であった糸満盛憲教授からFAIの存在を初めて教えていただき、「日本人におけるFAIの疫学」を研究テーマとして与えていただきました。その当時はFAIに関する文献はBern大学からのものがほとんどで、日常診療において自分がFAIと診断しているものが本物なのか、治療へのプロセスは正しいのか、自分の見解がBern大学の知見を正確に反映しているものかを日々自問自答していました。その後2011年、Bern大学への留学の機会を得て、FAIの診療を系統だって自分の目で見て勉強させていただき、理解を深めることができました。帰国後、幸運にもライフワークとしてFAIについて今回執筆いただいた先生方とともに議論し、勉強させていただきながら日本股関節学会によるFAIの診断指針の提唱、変形性股関節症ガイドラインにおけるFAI章の作成、日本整形外科学会プロジェクト研究によるFAI全国疫学調査などに携わり、寛骨臼形成不全に基づく二次性変形性股関節症が大きな割合を占めるわが国において、安全にFAI診療ができるよう継続的に活動をしてまいりました。

その中で、常々気になっていたのがこれまでFAI診療について体系的な教科書がないということです。そこで、股関節診療の中の一部分、スポーツ診療の中の一部分という位置づけではなくFAIを軸とした教科書を作りたいと考え、本書の企画に至りました。この企画にご賛同いただき、多大なるご協力をいただきました金芳堂の皆様にはこの場を借りて深謝申し上げます。

今回執筆をお願いしたのは、まさに日本へのFAIの伝道師であった帖佐先生をはじめとして、現在のわが国におけるFAI診療を確立されてきた先生方です。特に治療の部分については、目の前の患者さんにすぐ還元できるように、詳細かつ実践的な記載をお願いしました。お忙しい中、編者の意向をくみ取っていただき素晴らしい原稿をご執筆いただいた各先生方、本当に有難うございました。

本書は、わが国におけるFAI診療の現在地を示しています。本書を基にした診療からさらなるエビデンスが創出され、今後わが国のFAIの診療がさらに発展していくことを切に願っています。

2026年7月
北里大学医学部整形外科学
福島健介

目次

執筆者一覧
序文

第1章 大腿骨寛骨臼インピンジメントの基礎
1 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の歴史的背景
はじめに
FAIの歴史的背景
FAIの画像評価
FAIの外科的治療
おわりに

2 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の病態と自然経過
はじめに
FAIの病態
関節内病変の病理変化
FAIのmolecular biology
FAIの自然経過:変形性股関節症への進展リスク
おわりに

3 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の疫学
股関節無症状例における疫学
股関節有症状例における疫学
スポーツ活動とFAI
日本におけるFAIの疫学的研究

4 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の治療を行ううえで知っておくべき解剖
はじめに
関節内の構造
関節外の構造
解剖学的視点に基づいたリハビリテーションの考え方
解剖学的視点に基づいた股関節鏡手術の考え方

第2章 大腿骨寛骨臼インピンジメントの診断
1 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断・評価概説
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の概念
FAIの原因となる骨形態異常
FAIと変形性股関節症の関係
日本におけるFAI
FAI診断指針(日本股関節学会)
FAIの診療ガイドライン
海外のFAI
おわりに

2 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断に必要な身体所見
はじめに
身体検査の前に聴取しておくべき情報
身体検査法
おわりに

3 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断に必要な画像所見
はじめに
単純X線像
CT像
MRI像
超音波検査(エコー)

4 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)と鑑別すべき疾患
はじめに
腰椎疾患(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症に伴う神経根性間欠性跛行)
仙腸関節障害
Extra-articular impingement(関節外インピンジメント)
境界型寛骨臼形成不全
急速進行性股関節症
スポーツ障害
腫瘍性病変
身体症状症(持続性身体表現性疼痛障害)
おわりに

第3章 大腿骨寛骨臼インピンジメントの治療
1 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)に対する薬物療法―内服療法、局所注射療法
はじめに
内服療法
局所注射療法(関節内注射)
注射療法の手技の実際
おわりに

2 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の運動療法
保存療法のエビデンス
FAIの病態
FAIに併存する病態
対応すべき機能障害
おわりに

3 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の手術治療―股関節鏡以外の治療
はじめに
FAI手術治療の原則

4 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の股関節鏡治療―Periportal capsulotomy access
はじめに
治療適応とアルゴリズム
股関節鏡治療の手技
術後リハビリテーション
治療成績と今後の展望

5 腸骨大腿靱帯温存したスキップ関節包切開を用いた大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の股関節鏡治療
はじめに
手術適応
術前準備、ポータル作成
スキップ関節包切開
寛骨臼縁切除、股関節唇縫合
Cam切除の準備
後方および外側のCam切除
PMAP作成と前方・前外側のCam切除
関節包縫合
術後リハビリテーション
おわりに

索引
編著者プロフィール

執筆者一覧

■編著
福島健介 北里大学医学部整形外科学

■執筆者一覧(五十音順)
浅野哲  北水会記念病院リハビリテーション科
内田宗志 産業医科大学スポーツ医学講座
宇都宮啓 東京スポーツ医学研究所
小林直実 横浜市立大学附属市民総合医療センター整形外科
齊藤昌愛 北水会記念病院整形外科
神野哲也 獨協医科大学埼玉医療センター整形外科
橘哲也  獨協医科大学埼玉医療センター整形外科
立石聡史 産業医科大学若松病院リハビリテーション部
帖佐悦男 潤和会記念病院総合リハビリテーションセンター
堤真大  森ノ宮医療大学インクルーシブ医科学研究所/東京科学大学臨床解剖学分野
畑中仁堂 じんどう整骨院アスリート/北水会記念病院リハビリテーション科
東平翔太 横浜市立大学附属市民総合医療センター整形外科
平澤直之 北水会記念病院整形外科
福井清数 こまつ整形外科クリニック
藤井政徳 九州大学病院整形外科
山崎琢磨 呉医療センター・中国がんセンター整形外科
山田和希 岡山大学学術研究院医療開発領域整形外科
山田達也 北水会記念病院リハビリテーション科

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