文献検索の超基本 PT・OT・STのためのPubMed実践ガイド

    定価 3,630円(本体 3,300円+税10%)
    著針谷遼
    株式会社Brain代表取締役
    A5判・172頁
    ISBN978-4-7653-2081-8
    2026年03月 刊行
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    「本当に患者さんの役に立てているのかな…?」その不安を英語論文で解決しよう! PT・OT・STが自信を持って最善のリハビリを届けるための「文献検索の超基本」が、動画付きで身につく!

    内容紹介

    「自分の介入で患者さんが変わったと胸を張れない…」多くの若手セラピストが抱えるこの悩みの原因は、「最善の情報」へのアクセス不足かもしれません。本書は、世界標準の「エビデンスに基づくリハビリテーション」を実践するために不可欠なPubMed文献検索スキルを、体系的に解説します。臨床疑問の明確化から、PICO/PECOを使った検索式の定式化、そして「MeSH」や「ブール演算子」を駆使した効率的な検索方法まで、独学で手探りだった知識をシンプルな7ステップで整理します。さらに、臨床に活きる文献を効率的に「選択」し、「方法」「結果」の2つに絞って素早く読み解く技術、そしてChatGPTなどのAIを活用した最新の検索術まで網羅しました。正しいやり方さえ知れば学生でもできるシンプルな技術で、自信と確信をもって患者さんに接することができるようになります。

    また、本書のサポート動画(補足解説、ワークショップの解答など)を、著者運営のウェブサイトにて公開しております。本文中に掲載しているQRコードからアクセスしてください。

    序文

    「本当に患者さんの役に立てているのかな…?」

    臨床のセラピストなら、一度は抱いたことのある不安ではないでしょうか。努力しているのに成果が見えにくい。自分の介入で患者さんがよくなったと胸を張れない―

    実はこの悩み、多くのセラピストが感じています。私もそのひとりでした。

    休日も職場に通い、先輩の介入を見学し、セミナーや学会に通い詰めました。生活は最低限にし、できる限りの時間とお金をすべて学びに投資しました。それでも「自分は本当に患者さんの役に立てているのか?」という思いは、拭えませんでした。

    転機は臨床6年目。アジア理学療法連盟学会に参加したときです。それまで日本で学んだ内容こそ最先端だと思っていましたが、世界の議論はまったく違っていました。

    中心にあったのは、「エビデンスに基づくリハビリテーション」。それは、研究データを根拠に治療を組み立てる意思決定プロセスです。

    そのとき私は痛感しました。

    日本で出回る情報だけを追っても、患者さんに最善のリハビリは届けられない。

    海外では「このリハビリを行えば改善する」ということが明らかになっているのに、私がその情報を知らないせいで患者さんに届けられない― それは恐ろしいことだと気づき、私は世界の情報を集めるようになりました。

    医療の情報はまず英語論文で発信されます。つまり、最善のリハビリを患者さんへ届けるには、論文を見つける文献検索のスキルが欠かせないのです。

    しかし文献検索には、こんなイメージがあるのではないでしょうか。

    ・「そもそも何から始めればいいのかわからない」
    ・「論文は出てきたけど、どれを読めばいいの?」
    ・「欲しい論文が出てこない―自分の検索が悪いのか、そもそも論文がないのかわからない」

    無理もありません。セラピスト向けに文献検索を体系的に教わる機会はほぼなく、皆が独学で手探りだからです。

    だからこそ、この本をつくりました。

    断言します。文献検索は、正しいやり方さえ知れば学生でもできるシンプルな技術です。

    本書では、その方法をわかりやすく、専門用語を最小限にして解説しています。また、実際に手を動かしながら学べるよう、動画教材も用意しました。

    本を読み、動画を見ながら実践し、ぜひ世界の知をあなたの臨床に取り込んでください。

    あなたが“患者さんにとって最善のリハビリ”を届けられるようになることを、心から願っています。

    2026年2月 針谷 遼

    目次

    第1章 文献検索で変わる臨床5つのこと

    1 どの評価をすればいいのかわかるようになる

    2 予後予測ができるようになる

    3 効果的なリハビリテーションができるようになる

    4 小さな変化が誤差なのか改善なのか判断できるようになる

    5 先輩の教えから卒業し、後輩に教えられるようになる

    第2章 臨床のための文献検索7ステップ

    1 STEP1 臨床疑問を明確にする

    2 STEP2 臨床疑問をPICO/PECOへ定式化する

    3 STEP3 検索に使用する電子データベースを決定する

    4 STEP4 検索式と検索期間を決定する

    5 STEP5 取り込み基準と除外基準を設定する

    6 STEP6 検索

    7 STEP7 スクリーニング

    第3章 臨床疑問を明確にしよう

    1 臨床疑問とは?

    2 臨床疑問は“文献検索が必要ないもの”と“文献検索が必要なもの”とに分かれる
    2.1 後景疑問と前景疑問
    2.2 後景疑問と前景疑問の調べかた

    3 前景疑問の6つのカテゴリー
    3.1 前景疑問のカテゴリー分けが大事である理由
    3.2 6つのカテゴリーに分けられるようになろう
    ≫ 1.検査(Assessment)
    ≫ 2.治療(Therapy/Treatment)
    ≫ 3.予防(Prevention)
    ≫ 4.予後(Prognosis)
    ≫ 5.害(Harm)
    ≫ 6.患者の経験(Patient Experience)

    第4章 文献検索の基本! PICO/PECOで文献検索スピードが上がる3つの理由

    1 PICO/PECOで文献検索スピードが上がる3つの理由

    2 PICO/PECOとは?
    2.1 PICO/PECOの考え方
    ≫ 1.PICOとは?
    ≫ 2.「比較」という考えかたを理解しておこう
    ≫ 3.PECOのEとは?
    2.2 PICO/PECOにはいくつかの派生がある!
    ≫ 1.PEO
    ≫ 2.SPIDER
    ≫ 3.PICOT
    ≫ 4.PO
    2.3 自分の臨床疑問に合ったPICO/PECOを作れるようになろう

    3 PICO/PECOを知っていると自分が知りたいことをはっきりさせることができる
    3.1 文献検索でよくある「結局、臨床に活かせない…」の正体
    3.2 臨床疑問⇆PICO/PECOで自分の知りたいことをはっきりさせよう
    3.3 自分の臨床疑問をPICO/PECOにまとめよう

    4 PICO/PECOを知っていると検索式を簡単につくることができる

    5 PICO/PECOを知っていると文献の内容を簡単に早くまとめることができる

    第5章 簡単!PubMedを使った文献検索のしかた【検索フィルター編】

    1 PubMed検索結果画面の見かた

    2 PubMedの検索式をつくってみよう
    2.1 検索式の基本
    2.2 検索キーワードを選定しよう
    - [1]PICO/PECOで軸になるキーワードを選ぶ
    - [2]検索キーワードの同義語や関連語をリストアップしよう
    ≫ 1.なぜ同義語や関連語のリストアップが必要なのか?
    ≫ 2.同義語・関連語を検索式に入れないとどうなるか
    ≫ 3.同義語や関連語をリストアップする方法
    - [3]引用符「” “」の使いかた
    2.3 検索タグの使いかたをマスターしよう
    - [1]検索タグとは何か
    - [2]キーワード検索とフィールド検索について知っておこう
    - [3]代表的な検索タグ
    ≫ 1.タイトル(Title)
    ≫ 2.アブストラクト(Abstract)
    ≫ 3.著者名(Author Name)
    ≫ 4.キーワード(Author Keywords)
    ≫ 5.MeSH用語(MeSH Terms)
    ≫ 6.学術誌(ジャーナル)名(Journal Name)
    ≫ 7.出版年(Publication Date)
    2.4 MeSHはPubMedのハッシュタグ
    - [1]MeSH(Medical Subject Headings)とは?
    - [2]MeSH用語(MeSH term)とは?
    - [3]検索タグの[MeSH]とは?
    - [4]MeSH検索とは?
    - [5]MeSH検索によって必要な文献にだけアクセスできる!
    - [6]MeSHの調べかた
     STEP1.検索キーワードを英語に翻訳する
     STEP2.National Library of MedicineのページでMeSHを確認する
    - [7]MeSHを使った検索式をつくろう
    - [8]ADVANCE! MeSH検索2つの方法
    ≫ 1.[mh:NoExp] / [MeSH:NoExp]
    ≫ 2.”◯◯/△△”[MeSH]
    2.5 AND、OR、NOTをマスターしよう
    - [1]AND
    - [2]OR
    - [3]NOT
    - [4]AND、OR、NOTを使った検索に必要な()
    2.6 検索式は文献検索の鍵!

    3 検索フィルターをかける
    3.1 年別結果フィルターと出版日フィルター
    3.2 テキストフィルター
    3.3 文献タイプフィルター
    3.4 検索フィルターを追加しよう

    4 検索式やフィルターを修正しよう

    第6章 臨床に活きる⽂献を“選択”する2つのポイント

    1 読む文献を決める「取り込み基準」
    1.1 取り込み基準は「この文献は読む」というルール
    1.2 取り込み基準のポイントは“自分にとって読む必要がある”
    1.3 取り込み基準があるとどうなる?

    2 読まない文献を決める「除外基準」
    2.1 除外基準は「この文献は読まない」というルール
    2.2 除外基準のポイントは“自分にとって読む必要がない”
    2.3 除外基準があるとどうなる?

    3 取り込み基準と除外基準を組み合わせるケース

    第7章 簡単!PubMedを使った文献検索のしかた【スクリーニング編】

    1 スクリーニングとは?
    1.1 スクリーニングの全体像を捉えよう
    1.2 一次スクリーニングはざっくりした内容のチェック

    2 一次スクリーニングのやりかたとPubMedの使いかた
    2.1 PubMedを使った一次スクリーニングのしかた
    2.2 一次スクリーニングを通過した文献にチェックを入れ、保存しよう

    3 二次スクリーニングのやりかたとPubMedの使いかた
    3.1 二次スクリーニングは細かい内容のチェック
    3.2 文献の全文を入手しよう
    3.3 文献を構成する10の項目
    3.4 二次スクリーニング実践編

    第8章 文献を臨床に活かそう―読むべきところは2つだけ!―

    1 文献で読むべきは“方法”と“結果”の2つだけ!
    1.1 “方法”と“結果”に何が書いてあるか?
    1.2 “方法”と“結果”以外を読まなくていい理由

    2 文献の情報を臨床に活かせるたった1つの理由
    2.1 推測統計と記述統計
    2.2 研究で使われているのは推測統計!
    2.3 推測統計の限界
    ≫ 1.内的妥当性の問題
    ≫ 2.外的妥当性の問題

    3 文献の情報を臨床に活かそう!
    3.1 介入における文献の活用
    3.2 評価における文献の活用
    ≫ 1.評価項目の選定
    ≫ 2.カットオフ値を知る
    3.3 予防における文献の活用
    ≫ 1.転倒予防の策を講じる
    ≫ 2.合併症予防のアドバイスをする
    3.4 予後予測における文献の活用
    ≫ 1.歩行自立の予後予測をする
    ≫ 2.長期的な予後を予測する

    第9章 文献検索におけるAI活用術

    1 文献検索に活用できるAIツール
    1.1 検索式を設計・整理してくれるAI
    1.2 文献を“自動で拾って整理”してくれるAI
    1.3 文献の“引用や共著のネットワーク”から辿ってくれるAI
    1.4 “検索式の意味や語彙の近さ”から文献を探すAI
    1.5 文献の読解をサポートしてくれるAI

    2 文献検索におけるAIの考え方

    3 文献検索におけるAI活用の流れ

    4 ChatGPTの活用方法
    4.1 ChatGPTが文献検索に役立つステップ
    4.2 ChatGPTを使って臨床疑問の立案とPICO/PECOへの定式化をしてみよう
    4.3 ChatGPTを使ってPICO/PECOへ定式化してみよう
    4.4 研究デザインの選定
    4.5 取り込み基準と除外基準の設定
    4.6 ChatGPTを使って検索式の立案をしてみよう

    5 Elicitの活用法
    5.1 Elicitで関連文献の傾向をざっくり把握する4ステップ
     STEP1.アカウントを作成
     STEP2.臨床疑問を入力する
     STEP3.機能を選択する
     STEP4.レポートが作成される
    5.2 Elicitの強みと限界

    6 NotebookLMの活用法
    6.1 NotebookLMで一次・二次スクリーニングの負担を軽減する5ステップ
     STEP1.Googleアカウント作成
     STEP2.Googleアカウントでログイン
     STEP3.NotebookLMの起動
     STEP4.収集した文献をNotebookLMへアップロード
     STEP5.データを抽出する文献を選択する
     STEP6.NotebookLMへ指示を与える

    7 ResearchRabbitの活用法
     STEP1.アカウント作成とログイン
     STEP2.起点となる論文を登録する
     STEP3.関連文献がビジュアルで展開される

    ●Memo
    AIを使った文献検索
    その他の前景疑問カテゴリー
    PubMedのATMとは?
    MeSHはPubMedのハッシュタグ
    PMC(PubMed Central)とは?
    二次スクリーニングに役立つNotebookLM
    どの患者さんにも同じカットオフ値を使ってない?
    経験年数が短いセラピストさんはまずは文献に書いてある通りにリハビリテーションを進めよう

    トピックス