医療者のための 今日からできるセルフケア
-メタ認知を高めよう-

    定価 2,970円(本体 2,700円+税10%)
    細野正人
    東京大学大学院総合文化研究科高度学術員
    四六判・186頁
    ISBN978-4-7653-2036-8
    2025年04月 刊行
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    患者さんに向き合う前に まずは自分から 今すぐ始められるセルフケアを実践しよう

    内容紹介

    近年、医療者のメンタルヘルス不調が深刻な問題として広く取り上げられています。医療職は、患者の命を預かる非常に重要な役割を果たす一方で、感情労働が求められるハイリスクな職業でもあります。特に、患者さんとの関わりや同僚とのコミュニケーションにおいては、常に感情を適切にコントロールし、表現することが求められます。このような環境において、精神的な負担はますます増大し、結果として医療者自身の健康が脅かされることになります。本書では、医療に携わる皆さんに、今すぐに実践できるセルフケアを紹介しています。まずは医療者が自身の健康を意識し、適切なセルフケアを実践することが非常に重要です。医療者のコンディションが整うことで、患者に対してもより質の高い支援が提供できるでしょう。目の前の仕事に忙殺され、ストレスやプレッシャーを抱える中、どうすれば心身の健康を維持することができるのか。筆者自身の経験を通して、読者に寄り添い、わかりやすく丁寧に解説しました。

    序文

    近年、医療者のメンタルヘルス不調が深刻な問題として広く取り上げられています。医療職は、患者の命を預かる非常に重要な役割を果たす一方で、感情労働が求められるハイリスクな職業でもあります。日々の業務の中で、医療者は多様なストレス要因にさらされ、心身の健康を損なう危険性が高まっています。特に、患者との関わりや同僚とのコミュニケーションにおいては、感情を適切にコントロールし、表現することが求められ、医療者は常に高いプレッシャーにさらされています。このような環境の中で、精神的な負担はますます増大し、結果として医療者自身の健康が脅かされることになります。

    このような状況において、自らがメンタルヘルス不調に陥らないためには、セルフケアが非常に重要です。セルフケアとは、自分自身の心身の健康を維持・向上させるために行う行動や習慣を指します。医療者が自身の健康を意識し、適切なセルフケアを実践することで、ストレスの軽減や心の安定を図ることが可能になります。これは医療者自身のためだけでなく、患者に対して質の高い支援を提供するためにも必要不可欠です。

    医療者が健康であることは、質の高い医療の提供に直結します。心身のコンディションが整っていない場合、患者へのケアの質が低下し、結果として医療サービス全体の質が損なわれることになります。したがって、医療者自身が良いコンディションを保ち、心の余裕を持って業務に臨むことは、患者にとっても大きな利益となります。健康な医療者が患者に寄り添うことで、より良い医療体験が提供され、患者の満足度も向上することでしょう。

    しかし、実際には多くの医療者が不健康な生活を送っているのが現状です。長時間労働や不規則な生活、ストレスの多い環境が重なり、心身の健康を損なう要因となっています。このような状況を改善し、医療者の精神的健康を高めるためには、まずセルフケアの重要性を認識し、実践することが求められます。具体的には、リラクゼーションや趣味の時間を持つこと、適切な食事と睡眠を心がけること、そしてサポートを求めることが重要です。

    私自身、医療者としての経験を通じて、セルフケアがいかに重要であるかを痛感しています。医療者の精神的健康に貢献できることができれば、これ以上の喜びはありません。医療者が自身の健康を大切にし、セルフケアを実践することで、より良い医療を提供できることを心から願っています。

    本書では、医療者が実践できる具体的なセルフケアの方法や、メンタルヘルスを維持するための知識を提供します。第1章~第2章では、医療者がストレスフルになる原因やセルフケアの必要性について紹介します。第3章では、メタ認知を高めてストレスに気がつくことについて触れています。第4章~第7章では、具体的なセルフケア方法について紹介しています。ぜひ、日々の業務に取り入れていただき、自身の健康を守り、患者に対しても質の高いケアを提供するための一助となれば幸いです。医療者が健康であることは、医療の質を高めるだけでなく、患者との信頼関係の構築にもつながります。心身の健康を維持することは、医療者自身の幸福にも寄与するのです。

    目次

    はじめに

    第1章 セルフケアの必要性
    1 日本の現状を知る
    2 医療者が注意したい心の病
    3 セルフケアとは
    4 セルフケアを怠ると
    5 セルフケアの必要性を認識する
    - 1.ボディスキャン瞑想
    - 2.マインドフルネス呼吸
    - 3.ジャーナリング(日記を書く)
    - 4.体を動かすことに集中する
    - 5.心の声をキャッチする質問
    6 普段使いのセルフケアと特別なセルフケア
    - 1.スパや温泉でのリラクゼーション
    - 2.一人旅やリトリート
    - 3.高級スキンケアやエステの利用
    - 4.自分へのご褒美ディナー
    7 心が傷つきすぎると回復できなくなる
    - 1.心理的トラウマの蓄積
    - 2.自己肯定感の低下
    - 3.うつ状態や不安の悪化
    - 4.孤独
    - 5.回避行動の増加
    8 涙が止まらなくなるその前に
    コラム①看護師のセルフケア事例 – Aさんの闘い

    第2章 医療者を取り巻くストレスとは
    1 緊張感のある職場
    2 人間関係によるストレス
    3 シフト勤務によるストレス
    4 援助希求ができない雰囲気
    5 職場における孤独感
    6 離職者の多い業界
    7 患者との死別
    8 感情労働であること
    9 ミスが許されない状況
    10 モチベーションの低下
    コラム②医師のセルフケア事例 – B先生の転機

    第3章 ストレスフルな状況に気がつくためのメタ認知
    1 メタ認知とは
    2 メタ認知的知識とメタ認知的行動
    - 1.メタ認知的知識
    - 2.メタ認知的行動
    - 3.医療におけるメタ認知的知識とメタ認知的行動の重要性
    3 メタ認知を高めてセルフコントロールを実施する
    4 定期的な自己評価の実施
    5 他者からのフィードバックの受け入れ
    6 メタ認知を高めるメリット
    7 メタ認知を高める方法
    8 メタ認知を高めて対話の必要性を理解する
    9 自分に必要なセルフケアをセルフプロデュースする
    コラム③作業療法士のセルフケア事例 – Fさんの挑戦

    第4章 今日からできるセルフケア①:身体的ケア編
    1 毎日の運動を心がける
    2 睡眠の質を高める
    3 バランスのとれた食事を摂る
    4 水分をしっかり摂る
    5 ストレッチやヨガを行う
    6 散歩やウォーキングを楽しむ
    7 マッサージを受ける
    8 足湯や温浴を行う
    9 美容・身だしなみを整える
    10 日光浴を楽しむ
    コラム④看護師のセルフケア事例 – Gさんの再生

    第5章 今日からできるセルフケア②:メンタルヘルス感情編
    1 瞑想や深呼吸を行う
    2 自分の感情や心の声に耳を傾ける
    3 心の健康を保つために他者と交流する
    4 読書や知識を増やす活動をする
    5 芸術や文化に触れる
    6 新しいことに挑戦する
    7 自己肯定感を高めるための努力をする
    8 自分の成功や成長を振り返る
    9 自分の感謝の気持ちを表現する
    コラム⑤診療放射線技師のセルフケア事例 – Hさんの仲間との交流
    コラム⑥心理師のセルフケア事例 – Iさんのアート

    第6章 今日からできるセルフケア③:精神的つながり編
    1 ボランティア活動に参加する
    2 人間関係を築くために努力する
    3 サークルやグループに参加する
    4 オンラインでコミュニティに参加する
    5 リスキリングスキルを養う
    6 趣味のブログやSNSで情報を共有する
    コラム⑦理学療法士のセルフケア事例 – Jさんのリスキリング

    第7章 今日からできるセルフケア④:リラックス編
    1 リラックスする
    2 マインドフルネスを実践する
    3 自然の中で過ごす
    4 心地よい音楽を聴く
    5 ガーデニングやDIYをする
    6 デジタルデトックスをする
    7 リトリートのすすめ
    8 家事を楽しむ
    9 好きなスポーツや趣味に時間を費やす
    10 お気に入りの映画やドラマを楽しむ
    11 新しい趣味を始める
    コラム⑧薬剤師のセルフケア事例 – Kさんの再生

    おわりに
    参考文献
    索引
    著者プロフィール

    執筆者一覧

    ■著
    細野正人 東京大学大学院総合文化研究科高度学術員

    トピックス