症状からみた 高齢者感染症介護マニュアル

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定価 1,980円(本体 1,800円+税10%)
編著河野公一
大阪医科大学衛生学・公衆衛生学教授
島原政司
大阪医科大学口腔外科学教授
佐野浩一
大阪医科大学微生物学教授
新書判・230頁
ISBN978-4-7653-1308-7
2007年07月 刊行
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内容紹介

近年、所謂「日和見感染」が増加するなか、抗菌薬に耐性のある感染性の弱い病原体が家庭や施設で広まりやすくなっている。
またノロウイルスやO-157による食中毒およびその後の持続的な経口感染症の発生が冬期にも報告されるなど、それまでの一般的に認識された食中毒や感染症の概念を大きく変える事例も報告されはじめている。
一方、在宅や施設において介護を受けている高齢者であっても、何らかの慢性疾患や急変の可能性のある病気や症状を抱えており、わが国ではこのような感染抵抗性の低下した高齢者が急速に増加している。
これら高齢者の身体状態については、もっとも身近にいる家族やヘルパー、保健師などの介護者が一番良く知っているので、感染症による健康状態の変化や異常の発生を早い時期に発見し、必要に応じて医師などの医療の専門職に連絡しなければならない。常から感染症に対する正確な知識を持ち、疑問の生じないようにしておくとともに、注意すべき観察のポイントや介護上の留意点について熟知しておく必要がある。
本書は、高齢者によくみられる感染症について、介護現場からみた(1)わかりやすい解説を行い、(2)医療専門職の判断や指示、処置に対する適切な情報をうるための観察のポイント、(3)専門職と連絡しあって、指示を受けながら行う介護行為、さらに(4)感染症予防を視野に入れた消毒方法や寝たきり高齢者の褥創対策など日常介護の実際について、箇条書きで提示していくとともに、日頃携帯できるようにポケットサイズの書としてまとめてある。

序文

目次

第Ⅰ部 高齢者介護をとりまく感染症の概要と予防対策
・高齢者における感染症の特徴
・日和見感染症、薬剤耐性菌感染症とは
1.高齢者介護における現場環境の特徴
2.感染源となりうるもの(排泄物、分泌物、食品、体温計等)
3.感染経路となりうる介護行為(入浴、排泄、食事、身体)
4.感染症予防の基本対策(手洗い、消毒と滅菌)
5.初歩的な感染経路の遮断対策
第Ⅱ部 高齢者感染症によくみられる症状
全身的症状
1.発熱(熱が出る)
2.リンパ節腫脹(首頸、脇の下、脚の付け根にぐりぐりがある)
3.全身倦怠感(体がだるい)
4.関節痛、筋肉痛(関節、筋肉が痛い)
頭部症状
5.頭痛(頭が痛い)
6.意識状態の変化
呼吸器症状
7.咽頭痛(のどが痛い)
8.咳、痰が出る
9.血痰、喀血
10.胸痛、呼吸困難(急性呼吸不全)
耳・鼻・目の症状
11.耳痛
12.難聴(耳が聞こえにくい)
13.耳漏(耳だれがある)
14.鼻水
15.鼻閉塞(鼻が詰まる)
16.耳の下が腫れる
17.目の充血
18.目が痛い・視力低下
19.涙の量が増えた、目やにがある
口腔の症状
20.歯痛(歯が痛い)
21.口の中が痛い
22.開口障害(口が開かない)
23.歯性感染症(あごの腫れと痛み、歯ぐきが腫れている)
24.白い舌、赤い舌、黒い舌、皺状を呈する舌
25.あくちが切れた
皮膚の症状
26.皮膚の消毒について
27.皮疹(皮膚にぶつぶつができた)
28.皮膚掻痒感(皮膚がかゆい)
29.黄疸(皮膚が黄色い)
30.褥創(床ずれ)
31.カテーテルの周囲が赤く腫れている
32.足の腫れと痛み
消化系の症状
33.悪心・嘔吐
34.下痢
35.腹痛
36.腹部膨満感
37.肛門の異常
泌尿器・生殖器の症状
38.排尿障害
39.排尿痛、排尿時違和感
40.頻尿
41.背部痛・側腹部痛
42.尿道分泌物
43.不正性器出血
44.帯下感増加
45.性器のできもの
関節・骨の症状
46.関節の痛み、腫れ
47.背部痛・腰痛

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