NICUのギ・モ・ン98+2

    定価 3,960円(本体 3,600円+税10%)
    河井昌彦
    京都大学医学部附属病院 病院教授
    A5判・184頁
    ISBN978-4-7653-1676-7
    2016年06月 刊行
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    周産期医療に携わる読者にとって、日々の診療に直結しそうにもかかわらず、見過ごされがちな疑問や当たり前に思っていることをピックアップし、わかりやすく解説した1冊

    内容紹介

    あなたは、「ヒドロコルチゾン静注製剤をコートリルに切り替えるとき、その投与量はどうしているのか?」、「なぜ、先天性心疾患は出生後に発症するのか?」、「胎児ヘモグロビンの特徴は?」など、日々の診療の中で疑問に思ったことはないだろうか。もしくは、それ以外にもあまりに当然のことで疑問にすら思っていないこともあるかもしれない。我々の周りでは日々、新たな発見(疑問)がある。そんな発見を、日々の診療に生かすことができたなら、毎日の診療がもっと楽しくなるはず。

    本書はそんな思いを持つ著者が「これぞ!」と選んだ「新生児医療に直結しそうな疑問に答えるヒント集」である。新生児医療に直結しそうな疑問の中から、現場に携わる読者が見過ごしがちな疑問や、疑問にすら思わず当たり前に認識している話題をピックアップし、項目ごとに読み切りの形式で解説。日々の疑問をきっかけに、新生児医療の更なる魅力に気づいてほしい。

    序文

    私は,新生児医療に関わって日々過ごしています.
    そして,日々実感するのが,新生児医療は面白い!ということです.

    日々新たな発見があります.
    ・患者さんが直接教えてくれること…
    ・論文を読んで,新たな報告に感心すること…
    ・そして,新聞などの情報から得られるトピックス…
    色々な形の発見に溢れています.
    そんな新たな発見を,日々のNICU診療に生かすことができたら,毎日がもっ
    と楽しくなるはずです.

    本書は,私がこれぞ!と思った「NICU診療に直結しそうな疑問に答えるヒン
    ト集」です.

    そんなこと,とっくに知っていたよ!と思われるところもあるかもしれません.
    でも,きっと…知らなかった!!と感心していただける内容もあると思います.
    是非,本書を読んで,わくわくするような知識に触れてください.

    新生児医療は,まだまだ新たな魅力に溢れています!

    2016年春

    京都大学医学部附属病院 小児科(新生児集中治療部)
    病院教授
    河井昌彦

    目次

    1 先天性風疹症候群が増えている!
    2 先天性サイトメガロウイルス(CMV)母体スクリーニングの意義
    3 最近ときどき耳にする“抗体のAvidity”って何?
    4 妊婦のガーデニング(gardening)は危険!?
    5 単純ヘルペス、再考?
    6 妊婦のHTLV-1抗体スクリーニングの意義と問題点は?
    7 HTLV-1母子感染予防対策の問題点は?
    8 CRPに診断的価値はあるのか?
    9 外科手術後のCRP上昇の意味は?
    10 早産児の敗血症に対する免疫グロブリンの是非は?
    11 母乳の栄養成分の不思議?
    12 母体に含まれるガゼインの特徴は?
    13 母体に含まれる乳糖の特徴は?
    14 母乳とビフィズス菌との深い関係?
    15 母乳にも多く含まれるオリゴ糖とは?
    16 母体の栄養状況と母乳の脂質成分の関係は?
    17 母体の免疫作用
    18 母体のストレスは児の精神障害を招く?
    19 副腎皮質ホルモンはどうやって、脳に影響するの!?
    20 ビタミンD欠乏性くる病が増えている!?
    21 ビタミンDを多く含む食品・ほとんど含んでいない食品とは!?
    22 日焼け止めとビタミンDの関係は!?
    23 母体の甲状腺機能異常が胎児に与える影響は?
    24 母体のヨウ素過剰摂取が胎児・出生時の甲状腺機能低下症を招く!
    25 妊娠糖尿病母体児が増えている!?
    26 日本の二分脊椎発症率は世界一?
    27 葉酸を多く含む食品は?
    28 母体の加齢と妊娠・出産との関係は?
    29 母体のアルコール摂取と胎児奇形の関係は?
    30 不妊症の定義が変わった!?
    31 Dutch Famine(オランダの飢餓)は他人事か!?
    32 ω-3系と(n-3)系、これって同じこと?
    33 ω-3系とω6系、どちらが優れているの?
    34 中鎖脂肪酸ってそんなに素晴らしいの?
    35 ICPモデルって聞いたことありますか?
    36 必須アミノ酸のこと、ご存じですか?
    37 Refeeding syndromeって、ご存じですか?
    38 なぜ、低リン血症でヘモグロビン酸素飽和度曲線が動くの?
    39 高アンモニア血症はなぜ、問題なのですか?
    40 早産児のアミノ酸代謝は胎児のアミノ酸代謝と同じなのですか?
    41 微量元素の欠乏症、日頃から意識していますか?
    42 腸内細菌って何のために存在しているの?
    43 腸内細菌の多くが嫌気性菌だと言われますが、嫌気性菌って危険なのでは?
    44 乳酸菌って一体なに?
    45 プロバイオティクス、プレバイオティクスって何?
    46 腸内細菌がエネルギーを産生するって本当ですか?
    47 腸内細菌のエネルギー産生がヒトの健康に重要な役割を果たしているって本当ですか?
    48 短鎖脂肪酸って、一体?
    49 ラクツロースの作用機序、ご存じですか?
    50 アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスは?
    51 新生児高血糖の定義は?
    52 新生児糖尿病とは?
    53 KATPチャネル異常症とインスリン分泌異常の関係?
    54 チラーヂンS®のこと、ご存じですか?
    55 ヒドロコルチゾン静注製剤をコートリル®に切り替えるとき、どうしていますか?
    56 デキサメタゾンとコルチゾールの使い分け?
    57 ビタミンD2とD3の違い、25(OH)Dと1,25(OH)2Dの違い、ご存じですか?
    58 化学物質の単位について困ったことはありませんか?
    59 出生後早期の新生児は、たとえ血糖値が低くてもケトン体を使用できるから大丈夫って本当ですか?
    60 性分化疾患と性同一性障害の違い、知っていますか?
    61 乳幼児および就学期以降の発育曲線が2000年以降更新されていないことをご存じですか?
    62 SGA児が増えているのは、なぜ?
    63 SGA児となる遺伝性疾患にがんを発症しやすい病態があると聞いたのですが?
    64 SGA児はたとえ太らなくても、2型糖尿病になりやすいって本当ですか?
    65 先天代謝異常症の患者に遭遇する確率は宝くじに当たるより低い?
    66 タンデムマススクリーニングって何?
    67 妊婦・授乳婦の経口抗菌薬が危ない!?
    68 脂肪酸代謝異常症って何?
    69 脂肪酸代謝異常症でなぜ低血糖になるの?
    70 有機酸代謝異常症とアミノ酸代謝異常症の違いって何!?
    71 今後、マススクリーニングの拡大が模索されている疾患をご存じですか!?
    72 先天性動脈管依存性心疾患のスクリーニングをご存じですか!?
    73 タンデムマススクリーニングで尿素回路異常症が診断可能となったことの意義は?
    74 なぜ、ラシックス®を使用すると低K血症になるのでしょうか?
    75 利尿薬の作用点とその使い分けについて、ご存じですか?
    76 カルシウムとリンの微妙な関係…ご存じですか?
    77 高度分染法と普通のGバンドは何が違う?
    78 染色体異常症で最も頻度の高い異常は何かご存じですか?
    79 NIPTのどこが問題?
    80 ゲノム・インプリンティング(=ゲノム刷り込み現象)のこと、ご存じですか?
    81 エピジェネティクスのこと、ご存じですか?
    82 aCGHのこと、ご存じですか?
    83 難聴罹患者同士の結婚は、難聴の子どもが生まれるリスクが著しく高くなるのですか?
    84 いとこ婚はどれだけ危険か?
    85 伴性劣性遺伝疾患なのに、女児も発症するのは、なぜ?
    86 母親にミトコンドリア病の症状がなくても、子どもが発症することがあるのは、なぜ?
    87 ダウン症に関する統計学
    88 p値<0.05の持つ意味、ご存じですか?
    89 酸素は危険?
    90 生態にとって酸素はなぜ必要?
    91 なぜ、嫌気性代謝では乳酸の産生が高まるのか?
    92 たまたま血液ガス分析してみた、CO2が高かった!その評価は?
    93 胎児ヘモグロビンの特徴について知っていますか?
    94 なぜ、先天性心疾患は出生後に発症するのか?
    95 ショ糖って何?
    96 低用量ドパミン投与は無意味という意見があるのをご存じですか?
    97 母子手帳の歴史をご存じですか?
    98 COHbは溶血性黄疸の指標?
    99 医学教育 お薦めの1冊!
    100 新生児の教科書 お薦めの1冊!?

    執筆者一覧

    著:河井昌彦(京都大学医学部附属病院 病院教授)

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