病弱・虚弱児の医療・療育・教育
第3版

    定価 3,520円(本体 3,200円+税10%)
    編集宮本信也
    筑波大学人間系教授
    土橋圭子
    愛知県心身障害者コロニー愛知県立春日台特別支援学校教諭
    A5判・274頁
    ISBN978-4-7653-1627-9
    2015年03月 刊行
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    病弱・虚弱児が抱える問題を医学と教育の両面から概観した定番書。最新の法令の動向、心身症についてはDSM-5に対応。特別支援教育・小児医療に携わるすべての人に。

    内容紹介

    病弱・虚弱児の医療・療育・教育(福祉)の各専門家の豊富な臨床経験をいかし、実践現場での最新の知識や情報を提供した。悪性腫瘍疾患、心臓疾患、気管支喘息など病弱・虚弱児教育の対象となる疾患を臨床例や事例も盛り込みながら解説し、小児精神医学の視点からは病弱・虚弱児を含めた子どもへの対応の仕方を述べた。教育レベルでは、一人ひとりのニーズに応じた病弱・身体虚弱児の教育の現状を明らかにしたうえで、学校保健室の活動として医療的ケアの実施例を紹介した。今回の改訂では、心身症に関連してDSM-5に全面的に対応、また2014年の障害者権利条約批准にあわせて改正された各法令にも対応している。
    医療・療育・教育(福祉)の連携という観点からの解説書という試みは、「発達障害児の医療・療育・教育」「視覚・聴覚・言語障害児の医療・療育・教育」の姉妹編として大いに活用できる。教育や福祉関係、看護系の学校のテキストとして、また初心者の読者、経験豊かな臨床家、病弱・虚弱児を抱える家族、障害児療育・教育に携わる人々など、病弱・虚弱児に関係するすべての方々にお薦めの書である。

    序文

    目次

    1章 病弱・虚弱児教育の対象となる主要疾患
    1.悪性腫瘍疾患(細谷亮太)
    1.主要疾患/2.小児がん患児と学校
    2.循環器疾患(心臓疾患)(白石裕比湖)
    1.病弱・虚弱児教育の対象となる主な疾患/2.心臓病の基礎となる疾患について
    3.腎疾患(中村みちる)
    1.腎臓総論/2.診断/3.学校検尿/4.ネフローゼ症候群/5.慢性腎炎/6.先天性腎尿路異常(CAKUT)/7.慢性腎不全/8.慢性腎臓病(CKD)
    4.気管支喘息・呼吸器疾患(赤坂 徹)
    1.気管支喘息/2.過換気症候群
    5.糖尿病・単純性肥満・内分泌疾患(齊藤久子)
    1.糖尿病/2.単純性肥満/3.内分泌疾患
    6.膠原病(小林潤一郎)
    1.膠原病とは/2.若年性特発性関節炎/3.全身性エリテマトーデス(SLE)/4.皮膚筋炎・多発性筋炎
    7.てんかん・神経疾患(小林潤一郎)
    1.神経疾患とは/2.てんかん/3.多発性硬化症/4.重症筋無力症
    2章 病弱・虚弱児の医療(白崎和也)
    1.対象疾患の変遷
    2.事例から学ぶ病弱・虚弱児医療における医師・看護師・臨床心理士の役割
    3章 病弱・虚弱児のリハビリテーション(吉田一成)
    1.リハビリテーションに関する事項
    1.フィットネス/2.廃用症候群
    2.リハビリテーションの方法
    1.機能的状態の評価/2.リスク管理と訓練
    4章 現代のトピック
    1.病弱特別支援学校の新たな対象
    1.心身症(宮本信也)/2.摂食障害(宮本信也)/3.不登校(村上佳津美)/4.発達障害(宮島祐)
    2.病弱・虚弱児医療・療育・教育に役立つ小児精神医学(長尾圭造)
    1.小児精神医学的な子どもの診方・面接法/2.子どもの診方と、その後の対応の仕方の基礎知識(子どもの世界)/3.大人が陥りやすい判断まちがいや誤解(子どもへの逆転移)/4.子どもとの良好な関係を作る対応の仕方(対人関係形成法)/5.病弱・虚弱児(身体疾患罹患中)によく見られる精神的問題とその対応/6.おわりに
    3.子ども虐待(下泉秀夫)
    1.子ども虐待とは/ 2.子ども虐待の定義と内容/3.子ども虐待の現状/4.虐待による子どもへの影響/5.虐待により死亡した子どもたち/6.子ども虐待の背景/7.子ども虐待への対応/8.親への支援、子どもへの支援
    5章 教育と医療の連携(井上登生)
    1.教育から医療へ
    2.医療から教育へ
    1.子どもの慢性疾患の分類/2.慢性疾患患児のトータルケアのための評価に必要な3つの要素/3.慢性疾患の医学的な経過における子どもとその家族が直面するストレス状況/4.慢性疾患の効果的なケアのために必要な療育関係者の態度/5.慢性疾患患児に対する際の心理社会的な課題
    3.おわりに
    6章 病弱・身体虚弱児の学校教育
    1.病弱・身体虚弱児教育の歴史と定義(土橋圭子)
    1.病弱・身体虚弱児教育の歴史/2.病弱・身体虚弱児教育の定義
    2.病弱・身体虚弱児の教育相談と教育先の決定
    1.病弱・身体虚弱児の教育相談(西牧謙吾)/2.就学先の決定(土橋圭子)/3.特別支援教育の教育システム(土橋圭子)
    3.病弱・身体虚弱児の教育目標と教育課程(土橋圭子)
    1.教育目標/2.教育課程
    4.病弱・身体虚弱児の学校教育
    1.小学校、中学校、高等学校における病弱教育(滝川国芳)/2.特別支援学校(病弱)の各学部の教育の実践(小嵐恵子)/3.重複障害児のための教育(小嵐恵子)/4.病院にある学校における教育(滝川国芳)/5.病弱・身体虚弱児のキャリア教育・進路指導・就労(小嵐恵子)/6.病弱・身体虚弱児の保護者への支援(西牧謙吾)
    5.学校保健室の活動(土田圭子)
    1.1年間の主な保健活動/2.保健室を利用する病弱・身体虚弱児の主な問題とその対応/3.学校教育における医療的ケアの問題とそのシステム/4.学校教育と医療との連携
    6.病弱・身体虚弱児の医療的ケア(三浦清邦)
    1.医療的ケアとは/2.病弱・身体虚弱児で時に必要な医療的ケア/3.学校における医療的ケアの歴史と現在のシステム/4.学校における医療的ケアの現状/5.学校における医療的ケアの今後の問題/6.学校以外での医療的ケアの問題点
    7.病弱・身体虚弱児の口腔ケア教育と歯科治療(福田理・名和弘幸)
    1.口腔ケア教育の意義/2.う蝕・歯周病の発生メカニズム/3.病弱・虚弱児、障害児の口腔と歯科疾患の特徴/4.服薬治療の口腔への影響/5.被虐待児とう蝕の関連性/6.病弱・虚弱児、障害児の歯科医療/7.口腔外傷への対応/8.顎・口・歯列の発育異常をもつ先天性疾患と矯正歯科医療/9.接触・嚥下機能の発達と障害
    8.病弱教育の課題とこれからの展望(西牧謙吾)
    1.特別支援教育を取り巻く現状/2.病弱教育のもつ構造的特徴/3.病弱教育の意義とこころの育ちへの挑戦

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