“わからん”が“わかる”へ病理解剖

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定価 5,280円(本体 4,800円+税10%)
編著齊尾征直
琉球大学医学部附属病院病理部准教授
B5判・170頁
ISBN978-4-7653-1471-8
2011年01月 刊行
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病理解剖時の“わからんことだらけ”が一目瞭然! 解剖の進め方から所見の取り方、取られた所見の意味までを包括的に記載。

内容紹介

今、病理解剖の理解に乏しい医療関係者が増え、病理解剖の減少化が進んでいる中で、病理解剖の果たす役割が忘れられていく状況がある。こういった病理解剖のおかれている現状や先細りの将来に危機感を抱いた一病理解剖医が授業や現場での解剖実習指導の経験を踏まえ、疑問や不安、問題点を解き明かすべく、解剖の進め方から所見の取り方、取られた所見の意味までを包括的に記載して病理解剖の有用性を発信した。病理解剖の独特の言葉をわかりやすく説明しながら、病理解剖を始める前の準備や手順、若い医師、臨床検査技師、看護師などが漠然と抱く不安や疑問にはQuestion&Answer形式で丁寧に回答、病理解剖を始めてからの対処の仕方(各臓器の取り出し方、所見の取り方)等をわかりやすく解説している。また著者の失敗例や成功例(よりよい方法)のドタバタ体験談も盛り込み、失敗を成功や自信につなげるアドバイス、重要なポイントへと導いている。
解剖を進めていく中で湧いてくる“わからんことだらけ”を“わかる”病理解剖へと変えてくれるトラの巻である。

病理専門医を目指す若手医師だけではなく、病理部門の技師、病理解剖に参加する医師、研修医、看護師、そしてそれらの職種を目指す学生諸氏などにお勧めする。

序文

目次

Chapter I 病理解剖を始める前に
■病理解剖の歴史をみてみよう
■解剖の種類
■病理解剖を行う資格は?
■病理解剖における役割分担
■病理解剖に必要な手続き
Chapter II 「病理解剖は危険?」という問いについて
■病理解剖の必要性
■病理解剖とOccupational disease(職業感染)
■病理解剖と標準予防策
■日和見感染症と新興感染症
■感染経路別予防策と個人防護具
■空気感染症(特に結核について)
■針刺し事故の感染リスク
■解剖施設の運用と原則
■機器の滅菌と消毒
■臓器取り出し時の心構え
■解剖器具の説明
■乾式解剖法の要点
Chapter III 病理解剖の手技と要点
■病理解剖における初心者の心配
■体表の観察
■死体現象とは
■皮膚切開の入れ方
■リンパ管について知っておこう
■胸腔を開ける前に心臓は大きくなっていないか聞こう(胸腔の開け方)
■胸腔・腹腔の所見をカルテに書いてみよう
■胸腺の解剖する上での基礎知識
■胸腺を取り出す
■心を取り出す
■心・大血管の所見をカルテに書いてみよう
■肺を取り出す
■肺の所見を取ってみよう
■小腸(回腸と空腸)を取り外す
■大腸を取り外す
■小腸・大腸の所見をカルテに書いてみよう
■膵と十二指腸は十二指腸を開いてから切り離そう(十二指腸と胆管・膵・脾の検索)
■胆道と胃の小弯を切る(網様を意識した取り方)
■肝の無漿膜野と解剖学的理解
■肝を取り外す
■肝・胆・膵の所見をカルテに書いてみよう
■胃と下部食道を検索する
■食道・胃・十二指腸の所見をカルテに書いてみよう
■副腎を取り外す
■尿管を検索する
■腎を検索する
■腎・副腎の所見をカルテに書いてみよう
■精巣(睾丸)を検索する
■膀胱と前立腺を直腸とともに取り出す(男性)
■補:膀胱と前立腺を、直腸と分けて検索する(男性)
■膀胱と子宮・膣を検索する(女性)
■補:膀胱と子宮・膣を、直腸を取らずに検索する(女性)
■膀胱・生殖器の所見をカルテに書いてみよう
■骨髄を検索する
■脾・骨髄の所見をカルテに書いてみよう
■頸部臓器を検索する(舌を取らずに)
■頸部臓器を検索する(舌まで取り出す)
■気管・頭頸部の所見をカルテに書いてみよう
■大動脈とその分子を検索する
■脳を取り出す
■脊髄を取り出す
■脳・脊髄の採取時の観察
■解剖の所見を書く(解剖終了時と当日にしておくべきこと)
コラム1:縦隔の解剖学
コラム2:胸腔の解剖学
コラム3:心膜と心嚢腔について
コラム4:発生における原始腸管の区別と病理解剖における意味
コラム5:病理解剖に関係する発生のはなし :網嚢について
コラム6:網嚢のはなし(大網の発生と横行結腸・腸間膜との癒合
コラム7:空腸と回腸の区別のはなし
コラム8:腹膜後臓器のはなし
コラム9:副腎取り出しの苦い経験
資料1. 死体解剖保存法
資料2. 病理解剖に関する遺族の承諾書(例)

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