ついに現れた第四の刺客

臨床に求められていることを見極め、最善の選択をするために学びを構造化する

薬のデギュスタシオン2 カバー
編集 岩田健太郎 神戸大学医学部附属病院感染症内科教授 定価(本体価格4,000円+税) A5判・416頁 ISBN978-4-7653-1656-9

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岩田健太郎先生 薬のデギュスタシオン2できました! 楽園はこちら側

青島周一先生 [書籍]薬のデギュスタシオン2 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために - 思想的、疫学的、医療について

倉原優先生 本の紹介:薬のデギュスタシオン2 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために 呼吸器内科医 pulmonary.exblog.jp

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医薬品の価値は「他者との比較」によってなされるものである.単に,ある医薬品の効能や副作用を勉強するだけでなく,その薬が他との相対的な関係からどのような位置にあるというそのポジショニングが重要である.そのことがわかって初めてAとBとCの薬の使い分けができるのである,と編者は説いている.製薬メーカーから進められた1つの薬を漫然とお気に入りにするのではなく,なぜBでもなく,CでもなくAが良いのかきちんと整理して使えてこそAという薬を十分に理解できるのである.本書では「あれ」のみを単独で学ぶのではなく,「あれ」と「これ」の違いを臨床的に吟味し,どのように使い分け,あるいは差別化するのか比較検討している.大事なことは「臨床的に意味のある違い」であり,些細な構造式の違いや臨床的にはどうでもよい薬理学上の属性には拘泥していない.あくまで現場で役に立つ差別化が本書の目的である.本書を読んで,薬の使用者たる医師や看護師,薬剤師さん達に医薬品の正しい選び方を学んでもらいたい.すべての医療従事者にお薦めのユニークな書である.

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はじめに

 「薬のデギュスタシオン」の第二作をお送りする.

前作同様,薬の評価は「比較」によってなされるべきだ.AとBの違いはどこか,同じところはどこか.

世に「非劣性試験(non-inferior trials)」という研究方法がある.AとBという治療法のどちらがベターか,を探索する「優越性試験(superiority trials)」,AとBは同じような効果であることを示す「同等性試験(equivalence trials)」と比較される.「Aという治療法はBという治療法よりも劣っているとはいえない」という二重否定を使うややこしい概念だ.これが否定されると「非劣性とはいえない(not non-inferior)」という三重否定になり,更にややこしい表現となる.…… ・

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  1. せん妄に対する薬物療法(大滝 優・鎌田一宏)
  2. 高齢者への睡眠薬の投与方法(大滝 優・鎌田一宏)
  3. ベンゾジアゼピン系睡眠薬(宮内倫也)
  4. 認知症に対するコリンエステラーゼ阻害薬の比較(宮内倫也)
  5. 気分安定薬としてのリチウムとバルプロ酸とラモトリギンの比較(宮内倫也)
  6. 抗うつ薬(三環系抗うつ薬,SSRI,SNRI)と骨折リスクの比較(青島周一)
  7. 抗うつ薬による低ナトリウム血症リスクの比較(青島周一)
  8. 部分発作に対する抗てんかん薬の比較(吉田剛・金城紀与史)
  9. アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の比較(青島周一)
  10. 慢性心不全におけるループ利尿薬:フロセミド,トラセミド,アゾセミドの比較(青島周一)
  11. スタチンの比較(本村和久)
  12. 輸液蘇生における膠質液と晶質液の比較(佐藤直行)
  13. 喘息発足時のメプチンとサルタノールとベネトリンの比較(倉原 優)
  14. 喘息の慢性期治療はICS単独かICS/LABAか(名郷直樹)
  15. 含嗽薬:イソジンガーグルとネオステリングリーンの比較(倉原 優)
  16. 胸膜癒着剤:ユニタルクとピシバニールの比較(倉原 優)
  17. 抗線維化薬:ピレスパとオフェブの比較(倉原 優)
  18. 肺炎発症リスクに影響を与える薬剤の比較(青島周一)
  19. 高齢者の便秘に対する薬物療法(大野 智)
  20. SGLT2阻害薬間に違いはあるか(能登 洋)
  21. DPP4阻害薬は本当にSU薬より優れるのか(能登 洋)
  22. 糖尿病患者に対するスタチンの比較:リポバス,メバロチン,ローコール,リピトール,クレストール,リバロ(能登 洋)
  23. GLP-1受容体作動薬5種類の比較:バイエッタ,ビクトーザ,リキスミア,ビデュリオン,トルリシティ(岩岡秀明)
  24. 各種持効型インスリン製剤の比較:ランタス,レベミル,トレシーバ,ランタスXR,グラルギン,リリー(岩岡秀明)
  25. 超速効型インスリン製剤および混合型インスリン製剤の比較検討(岩岡秀明)
  26. リファンピシンとリファブチンの比較(倉原 優)
  27. クロストリジウムディフィシル感染症におけるメトロニダゾールとバンコマイシン(中久保 祥・岸田直樹)
  28. 尿路感染症におけるDe-escalation :アンピシリン(ABPC)とセファゾリン(CEZ)の比較(鎌田啓佑・岸田直樹)
  29. ST合剤とペンタミジンとアトバコンの比較(佐藤直行)
  30. EGFRチロシンキナーゼ阻害剤:イレッサとタルセバとジオトリフとタグリッソの比較(倉原 優)
  31. 緑内障治療における点眼薬の比較(青島周一)
  32. ステロイド外用薬の使い分け(鎌田一宏)
  33. 止血剤:アドナとトランサミンの比較(倉原 優)
  34. 脳梗塞の抗血小板剤による慢性期二次予防(難波雄亮・金城紀与史)
  35. 桂枝茯苓丸と当帰芍薬散と加味逍遙散の比較(野上達也)
  36. 六君子湯とアコファイドとガスモチンの比較(野上達也)
  37. 抑肝散と抑肝散加陳皮半と釣藤散の比較(野上達也)
  38. 大建中湯と大黄甘草湯と麻子仁丸の比較(野上達也)
  39. 麦門冬湯と柴朴湯の比較      (野上達也)
  40. 漢方エキス製剤の各メーカーでの比較(野上達也)
  41. 四君子湯と四物湯の比較(宮内倫也)
  42. 補中益気湯と十全大補湯と人参養栄湯の比較(と六君子湯)(宮内倫也)
  43. 柴胡加竜骨牡蛎湯と桂枝加竜骨牡蛎湯と柴胡桂枝乾姜湯の比較(宮内倫也)
  44. 痛風発作に対するアロプリノールとフェブキソスタット(金城光代)
  45. メトトレキサートとサラゾスルファピリジンとブシラミンとイグラチモドの比較(とタクロリムスについて)(佐藤直行)
  46. 変形性膝関節症に対するコンドロイチン,グルコサミンの比較(青島周一)
  47. 輸血前投薬(佐藤直行)
  48. 優先的にDeprescribingを考慮すべき薬剤の比較(青島周一)
  49. 認知症の行動・心理症状(BPSD)に対する薬物療法(大滝 優・鎌田一宏)
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薬のデギュスタシオン
薬のデギュスタシオン
定価(本体 3,800円+税)
[編集]岩田健太郎

 医薬品の価値は「他者との比較」によってなされる。単にある医薬品の効能や副作用を勉強するだけではだめで,その薬が他との相対的な関係からどの位置にいるか,そのポジショニングが重要になる。それが分からなければAという薬とBという薬の使い分けはできない。・・・「はじめに」より


診断のゲシュタルトとデギュスタシオン
診断のゲシュタルトとデギュスタシオン
定価(本体 3,200円+税)
[編集]岩田健太郎

本書,「診断のゲシュタルトとデギュスタシオン」をかなりの自信を持ってお送りします.診療現場で役に立つことはまず間違いありません.ぼくがこんなに自信満々で「はじめに」を書くことはまず皆無でして,ぼくにとっても,これはかなり稀有な経験です・・・「はじめに」より


診断のゲシュタルトとデギュスタシオン2
診断のゲシュタルトとデギュスタシオン 2
定価(本体 3,300円+税)
[編集]岩田健太郎

診断のゲシュタルトとデギュスタシオン(以下,「ゲシュタルト」と略す)」の第二弾をお届けします.今回も非常によい本になったと思います.前回,「ゲシュタルト1」を出したときに「単一著者の本ではない」というご批判をいただきました.確かに,単一著者の書物には一貫したメッセージやビジョン,文体があり,医学書としての魅力を醸し出します.もっとも,その「単一の」著者がいけてなければ,全部台無しなんですけど.雑誌の特集なんかで,あっちのメッセージとこっちのメッセージが矛盾し合って玉石混合・・・「はじめに」より


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